シンガポール最大のライドシェア、呼んだらすぐ来るGrabを使ってみた

GrabTaxi Pte Ltd(以下、Grab)は、シンガポールで2012年に設立されたベンチャー企業。設立から6年で瞬く間に東南アジア各国でライドシェア・サービスを提供する企業に成長した。

日本のソフトバンクグループが運営する投資ファンドの「ビジョン・ファンド」が筆頭株主であるほか、日本の自動車メーカーであるトヨタ自動車も出資するなど、注目の企業だ。

そのGrabが提供するライドシェア・サービスは、2018年の春にシンガポール市場から撤退を決めたUberの事業も買収したことで、より規模が大きくなっている。
契約しているドライバーも多いため、他のライバルなどに比べてオーダーから実際に配車されるまでの時間が短いという特徴がある。

アプリを入れて、携帯電話を利用して認証。クレジットカードを登録するという簡単さ

フロントウィンドウに貼られているGrabのロゴ
フロントウィンドウに貼られているGrabのロゴ

Grabのライドシェアを利用するには、スマートフォンにあらかじめGrabのアプリを導入しておく必要がある。

Grabのアプリは以下から導入することができる。
▼「iTunes Store」
URL:https://itunes.apple.com/jp/app/grab-app/id647268330?mt=8
▼「Google Play Store」
URL:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.grabtaxi.passenger&hl=ja

導入した後は、IDとパスワードなどの登録が必要になるが、IDの代わりになるのが携帯電話番号になる。シンガポールのGrabを利用する場合でも日本の携帯電話の番号を登録できる。
ただし、登録時にはSMS(ショートメッセージサービス、電話番号同士でやりとりできる短文のメッセージサービス)が使える必要があり、シンガポールでも日本の番号でSMSを利用する場合には海外ローミング・サービスへの加入が必要になる。
渡航前にチェックしておくか、現地でプリペイドSIMと呼ばれる売り切りの短期間だけ使えるSIMカード(スマートフォンの中に入れる契約情報書き込んだチップのこと)を購入するなどしたい。

レストランなどでもGrab Payを利用して支払うことが可能に
レストランなどでもGrab Payを利用して支払うことが可能に

支払いはGrab PayというGrabの支払いシステムに、クレジットカードを登録することによりオンラインですべて済ませることができる。
ちなみに渡航前にアプリをダウンロードし、日本のクレジットカードを登録しようとしたが上手くいかなかった。しかし、現地で日本のクレジットカードの番号を登録したら問題なくできたので、現地でクレジットカードを登録するということは覚えておきたい。

なお、Grab PayはQRコードを表示させて、対応するお店で支払いに利用することもできる。レストランなどでGrab Payの支払いに対応している場合には、店頭にシールなどで表示されているので、その機能を利用して支払うことも可能だ。

他の人とシェアするGrab Shareと自分だけで利用するGrab Carの2種類がある

Grabアプリで配車をオーダーして待っているところ
Grabアプリで配車をオーダーして待っているところ

利用するにはGrabアプリを起動して、現在地と目的地を指定し、利用するサービスの種類を選ぶだけだ。
ただし、スマートフォンのアプリが指し示している現在地は、GPSなどのスマートフォンのロケーションサービスから推定されている位置情報なので、時々ずれていることには注意したい。
このため、本当にそこの位置なのか、よく確認しないと、ドライバーが到着したと言っているのに目の前に来ないなどのトラブルが起きがち。呼ぶ前に現在地が間違っていないかよくチェックしたい。

ドライバーとはチャットで場所を確認したりもできる
ドライバーとはチャットで場所を確認したりもできる
到着までの目安時間がアプリ上に表示される
到着までの目安時間がアプリ上に表示される

Grabには複数のサービスが用意されており、ユーザーのニーズに応じて選ぶことができる。1つは最も安価なGrab Shareで、2人まで乗車可能。
ただし、Grab Shareでは他の人とクルマをシェアする可能性がある。例えば動物園まで行こうという時に、途中で同じように動物園(あるいはその途中)に行こうという人が乗ってくる可能性がある。その代わりに料金は格安になっており、時間がかかろうがとにかく安くというユーザーにはこれがお勧めだ。

Grab Car 6-Seater Economyで呼んだらホンダ FREEDが登場
Grab Car 6-Seater Economyで呼んだらホンダ FREEDが登場

車内での様子、自分のスマートフォンにはドライバーと車両の情報が、逆にドライバーのスマートフォンには自分の情報が表示されている

Grab Carは従来のタクシーの代わりとなるようなサービス。車両の制限まで乗ることが可能で、通常のGrab Carであれば4人まで、6-Seaterであれば6人までとニーズに応じて選ぶことができる。
6-Seaterに関しては通常版(Economy)と豪華版(Premium)があり、Premiumをオーダーしたところトヨタのヴェルファイアなどの高級ミニバンが配車された。豪華な旅をしたいという人はこちらを選んでみてもよいだろう。

なお乗車が終わると、領収書がメールで送られてくる。このためビジネスパーソンが出張で利用する時であっても、経費の精算がより楽になるというのも見逃せないメリットだ。

Grabの特徴はとにかく台数が多いこと、いつでもどこでもすぐに来た

Grab Car 6-Seater Premiumではトヨタのヴェルファイアが登場
Grab Car 6-Seater Premiumではトヨタのヴェルファイアが登場

Grabの特徴は、ライドシェア事業にいち早く取り組んでいたこと。さらには2018年春にUberの事業を買収したという背景もあり、契約している台数が他の事業者に比べて圧倒的に多いことだ。

実際、他の事業者の契約車両がいないエリア、あるいは台数が少ない6-Seaterを頼もうとすると、他の事業者では車両が周囲にいなくて呼べないということが何度もあったが、Grabに関してはすぐに呼ぶことができた。
ストレスなく呼びたい、目的地へさっと向かいたいというのであれば、シンガポールではGrabが最も優れた選択だと感じた。

さらに、契約車両の多さは呼べる車種のバリエーションの多さにもつながっている。
他のライドシェア・サービスでも6人乗りやプレミアムなクルマなどから選ぶことができるが、Grabについては、さらに車椅子などサポートが必要な人向けのクルマ、小さい子どもがいるファミリー向けのクルマ、さらに最大40人乗りのバスなども手配できる。

選べるクルマの選択肢が多いのもGrabの特徴。4人乗りや6人乗り、相乗りはもちろん、1~3歳、あるいは4~7歳の子どもがいる家族向け車両や、ペットも一緒に乗れる車両、さらには最大40人乗りという選択肢もある

料金については、他のライドシェア・サービスと比較すると少しだけ高めの設定になっているようだ。
タクシーと比べれば安いことが多いが、これも絶対ということではない。というのも、ライドシェアは需要と供給に応じて料金が変わる仕組みになっているためで、急な雨などで需要が増えた場合には、料金が上がってタクシーと変わらないぐらいになることもあった。

高い料金を払えばクルマが早く見つかるし、安く済まそうと思えばクルマが見つかりにくい。そう考えれば、Grabが他より高めの設定なのも理にかなっているということだろう。

[ガズー編集部]

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