【バンコクモーターショー2017】トヨタはシェアトップ奪回めざす…販売戦略車を重点投入
トヨタが第38回バンコク国際モーターショーでテーマとしたのは「Let's Connect!」。その心は「すべてのライフスタイルの幸せを実現するための驚異的な自動車ショー」というもの。環境に優しい最新のコンセプトカー『FCVプラス』の他、ほぼ全ラインナップで来場者を迎えた。
トヨタFCVプラスは2015年の東京モーターショーに初出展された水素燃料電池コンセプトカー。2030年ごろの燃料電池車の在り方をイメージし、サイズを小型車『ヴィッツ』並みにコンパクト化。小型化した燃料電池システムや水素タンク、インホイールモーター、ワイヤレス給電システムなど、2030年代までに実用化が想定される近未来の技術が凝縮されている。トヨタはその技術をマイカー所有率が高まるASEAN地域でも積極的に勧めていく考えだ。
ブースは最大級の面積となる1998平方メートルにも及ぶ広さ。ここにはタイ国内で販売されるほとんどの車種を出展したが、何故か『アルファード』だけは未出展。昨年の、このショーでの販売実績はホンダにトップを譲り渡しており、より拡販できる車種を全面に展開する作戦を採ったものとみられる。プレスカンファレンスでは、それぞれの車種が持つコンセプトを、モデルによるダンスを交えた演出で紹介。大勢の報道陣がその様子を見守った。
一般公開されると人気が高かったのは『シエンタ』だ。ASEANでは昨年4月にジャカルタモーターショーで初めて紹介されたが、その後の人気はうなぎ登りで、タイでも昨年以降、受注が増え続けているという。都市部でこそ核家族化が進むが、基本が農業国であるタイではまだまだ大家族で過ごす家庭は多い。そうした背景の下、コンパクトなサイズで7人が乗れる乗用車の人気は高く、シエンタはそうした需要層にジャストフィットするわけだ。
そんなシエンタを、タイでは1.5リットルエンジンを搭載した2グレードを販売中。インドネシアとは異なりCVTのみが用意されている。ただ、一年を通して気温が高い地域でもあるため、全グレードに日本とは異なってツインエアコンが搭載されている。一方で、当たり前だがヒーター機能は非搭載だ。タイ国内で生産されるシエンタは手頃な価格(上位グレード「V」で86万5000バーツ)を実現しているのも人気を呼ぶ要因となっている。
一方で、同じ多人数乗車が可能なアルファード、『ヴェルファイア』は100%日本からの輸入に頼るため、高額な関税が課せられる。もっとも安い2.5リットルモデルで367万8000バーツ(日本円換算:約1200万円)にもなる。アルファード/ヴェルファイアが富裕層のステータスを誇示するためのクルマとなっているのも頷ける話だ。そんな中でもハイブリッド車は環境対策車であることで減税対象となり、380万8000バーツ(日本円換算:1240万円)と下のグレードと大きくは変わらない。
トヨタがタイで最も台数を稼いでいるのは『ヴィオス』で、最も安いグレードなら60万9000バーツ(日本円換算:約198万円)で買える。日本では以前『ベルタ』として販売していたクルマに該当する車種で、タイのモータリゼーション化を進めた立役者でもある。ただ、最近はホンダの『シティ』(日本名:グレイス)にその地位を脅かされつつあり、このショー直前に大胆なマイナーチェンジを実施して臨んだほど。その他、『カローラ・アルティス』や『カムリ』など売れ筋セダンも外観をリフレッシュし、スポーティさも加えて若い世代へアピールした。
(レスポンス 会田肇)
トヨタFCVプラスは2015年の東京モーターショーに初出展された水素燃料電池コンセプトカー。2030年ごろの燃料電池車の在り方をイメージし、サイズを小型車『ヴィッツ』並みにコンパクト化。小型化した燃料電池システムや水素タンク、インホイールモーター、ワイヤレス給電システムなど、2030年代までに実用化が想定される近未来の技術が凝縮されている。トヨタはその技術をマイカー所有率が高まるASEAN地域でも積極的に勧めていく考えだ。
ブースは最大級の面積となる1998平方メートルにも及ぶ広さ。ここにはタイ国内で販売されるほとんどの車種を出展したが、何故か『アルファード』だけは未出展。昨年の、このショーでの販売実績はホンダにトップを譲り渡しており、より拡販できる車種を全面に展開する作戦を採ったものとみられる。プレスカンファレンスでは、それぞれの車種が持つコンセプトを、モデルによるダンスを交えた演出で紹介。大勢の報道陣がその様子を見守った。
一般公開されると人気が高かったのは『シエンタ』だ。ASEANでは昨年4月にジャカルタモーターショーで初めて紹介されたが、その後の人気はうなぎ登りで、タイでも昨年以降、受注が増え続けているという。都市部でこそ核家族化が進むが、基本が農業国であるタイではまだまだ大家族で過ごす家庭は多い。そうした背景の下、コンパクトなサイズで7人が乗れる乗用車の人気は高く、シエンタはそうした需要層にジャストフィットするわけだ。
そんなシエンタを、タイでは1.5リットルエンジンを搭載した2グレードを販売中。インドネシアとは異なりCVTのみが用意されている。ただ、一年を通して気温が高い地域でもあるため、全グレードに日本とは異なってツインエアコンが搭載されている。一方で、当たり前だがヒーター機能は非搭載だ。タイ国内で生産されるシエンタは手頃な価格(上位グレード「V」で86万5000バーツ)を実現しているのも人気を呼ぶ要因となっている。
一方で、同じ多人数乗車が可能なアルファード、『ヴェルファイア』は100%日本からの輸入に頼るため、高額な関税が課せられる。もっとも安い2.5リットルモデルで367万8000バーツ(日本円換算:約1200万円)にもなる。アルファード/ヴェルファイアが富裕層のステータスを誇示するためのクルマとなっているのも頷ける話だ。そんな中でもハイブリッド車は環境対策車であることで減税対象となり、380万8000バーツ(日本円換算:1240万円)と下のグレードと大きくは変わらない。
トヨタがタイで最も台数を稼いでいるのは『ヴィオス』で、最も安いグレードなら60万9000バーツ(日本円換算:約198万円)で買える。日本では以前『ベルタ』として販売していたクルマに該当する車種で、タイのモータリゼーション化を進めた立役者でもある。ただ、最近はホンダの『シティ』(日本名:グレイス)にその地位を脅かされつつあり、このショー直前に大胆なマイナーチェンジを実施して臨んだほど。その他、『カローラ・アルティス』や『カムリ』など売れ筋セダンも外観をリフレッシュし、スポーティさも加えて若い世代へアピールした。
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