トヨタ、欧州市場でディーゼル搭載の乗用車廃止へ[新聞ウォッチ]

トヨタ・オーリス(ジュネーブモーターショー2018) (c) Getty Images
気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。


2018年3月7日付

●南北首脳4月末会談、北、非核化に言及、米と対話用意、韓国政府発表(読売・1面)

●神鋼不正新たに6拠点、最終報告書、社長・副社長辞任(読売・1面)

●電動SUV続々、ジュネーブモーターショー開幕(読売・8面)

●ヒット予感実感、デカくなめらかな走り、マツダ「CX-8」(朝日・14面)

●欧州販売乗用車ディーゼル廃止、トヨタ方針(毎日・6面)

●スープラ「復活」(東京・7面)

●JR東、ホームドア拡大へ、東京五輪へまず+30(東京・28面)

●家電パナソニック100年、今は昔の松下銀行(日経・2面)

●車の新環境規制、EV追加を検討、経産・国交省(日経・5面)

●印二輪、スクーターで火花、ヒーロ―若者狙い、ホンダ新車種 - トヨタ主力改良で攻め(日経・11面)

●日産の新車販売減少幅が縮小、2月車名別台数(日経・15面)

●輸入車販売台数2か月連続減に、2月、2.4%マイナス(日経・15面)


ひとくちコメント

「郷に入っては郷に従え」ということなのか。トヨタ自動車が、環境規制が厳しい欧州市場でディーゼルエンジン搭載の乗用車の販売を2018年から段階的に縮小し、将来的に廃止する方針を打ち出したという。

スイス・ジュネーブで3月8日から一般公開される「ジュネーブ国際自動車ショー」(ジュネーブモーターショー)に先立ち、報道陣向けの発表で明らかにしたそうで、6日付の日経夕刊が1面トップで「トヨタ、ディーセル縮小」と大きく報じたほか,きょうも各紙が「欧州販売乗用車ディーゼル廃止、トヨタ方針」(毎日)などと、取り上げている。

それによると、トヨタは欧州でディーゼル車の販売を縮小し、ハイブリッド車(HV)を一段と重視する戦略を強化する。ジュネーブモーターショーでは、乗用車の『オーリス』の次期モデルを発表したが、ディーゼル車のモデルは用意せず、HVは高出力モデルなど、2種類を披露したという。

ただ、『ハイラックス』や『ランドクルーザー』など法人需要の強い商用車や大型車はディーゼル車の販売を続ける方針のようだ。環境規制の高まりなどを背景に消費者の「ディーゼル離れ」が加速、新型車に切り替えるタイミングでディーゼル車の設定をゼロにするという。

ところで、ジュネーブモーターショーだが、トヨタの「ディーゼル縮小」のほかにも、2002年に生産を中止した高級スポーツカー『スープラ』を復活させると発表するなど、現地からの話題は満載。きょうの読売も経済面のトップ記事として「電動SUV続々」とのタイトルで、ショーの特徴や見どころを伝えている。

折しも、国内では、日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が2月の車名別販売台数を公表したが、きょうの紙面では日経が「ホンダの軽自動車『N-BOX(エヌボックス)』が前年同月比13.3%増の2万2007台で、6か月連続の首位」などと、取り上げた以外、他紙に掲載はない。

2位は日産自動車の軽『デイズ』、3位も日産の小型車『ノート』で、トップ3は前月と同じ顔ぶれだった。さらに、4位には、昨年12月に全面改良されたスズキの軽『スペーシア』で、5位がダイハツの『ムーヴ』、6位もダイハツの『タント』と、上位10車種のうち6車種を軽が占めた。トヨタは『プリウス』が7位、『アクア』が9位で2車種のみ。一般紙が掲載を控えたのもわからないでもない。

(レスポンス 福田俊之)

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