ホンダが託児所、目的は「キャリアの断絶を防ぐ」こと 和光ビル敷地内

ホンダ和光ビル敷地内の託児所「わいわいがーでん」 二輪・四輪のR&Dの管理室長も利用者代表と共に植樹に加わった
ホンダは30日、埼玉県和光市の和光ビル敷地内に企業託児所「わいわいがーでん」を開設。認可基準を上回る数の保育士を配置し、「安心安全な託児所」を目指す。

総面積2600m2、建屋550m2、園庭400m2。「都市の同規模の保育施設と比較してもゆとりある」(ホンダ)設備。保育室はすべて南向きで、雨天でもガーデンテラスで遊ぶことができる。

開所時の定員は30人だが、保育士9人と看護師1人の10人が常駐し、子供のアレルギー対応をより確かなものにする給食施設もある。また、子供のお昼寝には、うつぶせ寝でも呼吸が確保される簡易ベッド「コット」を使うなどの配慮もある。保育室は床暖房、子供トイレの便座も暖房機能付きだ。

各所に取り付けたカメラ映像は、事務室のモニターですべてチェックすることができ、過去2週間分のデータが保存される仕組みだ。保護者も含めて施設内への入退室はカードキーを使う。災害の一時避難も、広い園庭、次に和光ビルの避難場所が確保されている。

同社の託児所開設は昨年4月の栃木県宇都宮市に開設した「すくすくがーでん」に続いて2か所目。これには理由がある。

もっとも厚い利用層は0歳から2歳の子供を持つ家庭だ。3年間という充実した育児休職制度を持つ同社で、3歳に満たない小さい子供を持つ家庭の利用が多いのはなぜか。

「育児休職制度の充実で、現在は出産・育児退職はほとんどない。制度を利用した復職はほぼ100%。むしろ現在の課題は、休職時のキャリアの断絶。できるだけ早く戻ってこられる環境を整える必要がある」(ホンダ人事部・向後睦子多様性推進室長)

まさしくこれが同社が抱える雇用の課題だ。さまざまな就労対策で、同社のキャリア形成上の問題は移り変わっている。育児休暇を短く、キャリア形成を断絶させない。それが同社の託児所に求められているのだ。

同日、ホンダは転勤時の支援制度も発表した。他社に勤める配偶者が転勤を命じられた時、その転勤先付近にホンダの事業所があった場合はホンダに勤める社員も、同一地域の転勤を認めるという制度だ。また、ホンダの事業所が近くにない場合は、育児休職と同じように転勤時休職(最長5年)を認める2本だての制度だ。

ホンダ尾高和浩執行役員(人事コーポレートガバナンス本部長)は「一人ひとりの従業員が等しくキャリアを形成できるように、働きやすい環境を整える必要がある」と、制度の充実を目指す。

(レスポンス 中島みなみ)

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