【INDYCAR 第8戦】ハンターレイがデトロイト・レース2を制し、3年ぶりの勝利…琢磨は苦闘17位

優勝した#28 ハンターレイ。
現地3日、インディカー・シリーズ第8戦“デトロイト・レース2”の決勝があり、ライアン・ハンターレイが自身3年ぶりとなるシリーズ戦勝利を飾った。佐藤琢磨は苦しい戦いとなり、17位フィニッシュ。

デトロイト・ベルアイル島のストリートコースでのダブルヘッダー開催、その2レース目は予選ウエット、決勝ドライでの戦いとなったが、決勝レース開始に向けてのパレードラップ中に“大波乱”が起きる。

隊列を引っ張るペースカー(高性能乗用車)がコーナーの立ち上がりでリヤを流すようにして姿勢を乱し、そのままコース脇のウォールにフロントからクラッシュしてしまったのだ。後方ではインディカーたちが大駐車場状態となって停まるしかなかった(一部情報では、この時のペースカーは本職でないとされる人物=GMの企業首脳がドライブしていたという。路面に湿りが残っていた可能性も指摘されてはいるが…)。

予期せぬ格好で仕切り直しとなったレースは、2ストップ戦略と3ストップ戦略が絡み合う展開となっていく。そしてレース終盤、優勝争いは2ストップ組と3ストップ組、それぞれのトップ同士の直接対決に集約されることに。

首位はポール発進から2ストップ戦略で実質その座を守って走り続けてきたアレクサンダー・ロッシ(#27 Andretti Autosport/エンジンはホンダ)。そして2番手には、決勝2位となった前日同様3ストップ戦略で戦ってきた予選10位のライアン・ハンターレイ(#28 Andretti Autosport/ホンダ)。同じチーム同士の戦いである。70周レースの62周目頃には、両車の間隔がかなり接近してきた。

こうなると、タイヤと燃費の面で余力があるのは3ストッパーのハンターレイだ。そしていよいよバトル本格化、追うハンターレイ優位とみられた64周目に、先頭ロッシがブレーキロックしてエスケープゾーンに飛び出すシーンがあり、背後にいたハンターレイが首位の座をせしめた。

ロッシの単独コースアウト理由の詳細はレース直後の段階で不明、マシンに厳しい問題が発生していた可能性もあるが、いずれにしても、迫るハンターレイの存在がなんらか彼(ロッシ)のドライビングに影響したと見るのが妥当な状況だろう。なんとかコース復帰したロッシだが、ロックによるダメージから左フロントタイヤが完全崩壊し、ピットインを余儀なくされ最終結果は12位。勝利をあきらめて僚友に前を譲っていれば2位は確保できたと思われる状況ではあったが、勝負し続けた心境もまた理解できる、そんなインディ500優勝経験者同士のトップバトルだった。

ハンターレイは2015年シーズン以来、3年ぶりのシリーズ戦勝利。シリーズチャンピオン獲得歴もあるベテランが、久々の美酒にありついた。

#28 ハンターレイのコメント
「2セット目のハードタイヤを装着してからはマシンと一体化し、思い通りに走ることができた。最後のロッシとの戦いに臨んだ時も私のマシンは本当に速く、まるでイルカが飛んでいるかのようだったよ。作戦もピットストップも素晴らしく、私は全力でマシンを走らせた。今週のような戦いを続け、チャンピオンシップを戦っていきたい。そのために我々はこのシリーズに参戦しているのだからね。そして、今日デトロイトで勝てたことを誇りに思う」

決勝2位は今季のインディ500勝者ウィル・パワー(#12 Team Penske/シボレー)。パワーがシボレー勢最上位で、3~6位にはホンダ勢が以下のように並び、デトロイト2連戦はホンダ2連勝&2戦連続上位寡占の状況で幕を閉じている。

3位 エド・ジョーンズ(#10 Chip Ganassi Racing/ホンダ)
4位 スコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/ホンダ)
5位 グレアム・レイホール(#15 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)
6位 ロバート・ウィッケンズ(#6 Schmidt Peterson Motorsports/ホンダ)

前日は好内容の走りで決勝5位だった佐藤琢磨(#30 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)だが、この日は一転して下位に沈み続ける展開になってしまった。予選20位、決勝も浮上の気配ないまま17位フィニッシュに終わっている。

#30 佐藤琢磨のコメント
「非常に難しいレースになりました。何もかもが自分たちの考えや狙いとは逆に出ていましたね。作戦が当たらず、ピットインしてピットからコースへ出るタイミングもわるく、トラフィックに引っかかってばかりいました。レース中盤には非常に速いペースで走れていた時がありましたけど、それも長くは続きませんでした。集団に追いつくと、そこからライバルをパスして順位を上げていくことができなかった。何とか前へ出ようと全力で戦いましたけどね。残念なのはフルコースコーションがスタート直後にしか出なかったことです。そのため、アグレッシブな作戦が実を結ぶことにはならなかったですね」

同じコースでも昨日と今日とで戦況一変、琢磨と彼の陣営にとってはレースの難しさをあらためて味わうウイークエンドになってしまったようだ。

インディカー・シリーズは次の週末も開催がある。今度はオーバルコースのテキサス・モータースピードウェイに舞台を移し、第9戦が実施される(決勝レースは現地9日の予定)。

(レスポンス 遠藤俊幸)

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