スバル 吉永社長、代表権とCEOを返上---拡がる不正の責任を取り

謝罪する吉永泰之社長(左)と大崎篤執行役員品質保証本部長(右)。(5日・スバル恵比寿本社ビル)
スバルの吉永泰之社長が、同社の完成検査で拡大する不正の責任をとって、来期の役員構成を見直した。

6月5日の取締役会で決定した役員人事案では、吉永氏は代表権を持たない会長になる。社長就任予定の中村知美・現専務執行役員が代表権を譲り受け、同時にCEO(最高経営責任者)になる。

スバルで起きた完成検査時の燃費・排出ガスの測定値の書き換え不正は4月27日、吉永氏が国土交通省に報告書を提出することで、再スタートを切るかに見えた。中村氏が社長になることに変更はないが、この時まで吉永氏は代表取締役会長兼CEOに就任する予定だった。

「逃げないという気持ちは、今でも変わっていない。代表権とかCEOは取り下げるが、仕事の分担としては、本件のみ(不正を醸成した企業風土を変える)をきちんとやりたい。ここまで何度もご迷惑をおかけして信用できないと言われても仕方がないので、代表権CEOについては下りてこの件に専念する」と、吉永氏は述べた。

歯止めが効かない完成検査の測定不正に、吉永氏は、疲れ切った表情を見せた。測定値を書き換えるだけでなく、測定方法そのものに不正があったことについては、次のように分析した。

「公益性、業務の重要性の認識に欠けている。職階のコミュニケーションが取れていないなど、(前回も今回も)根っこは同じだと思っている。当社の企業体質を変えていかなければならない。まだその取り組みに本格的に入ろうとしている段階で膿ができってない。全社員、全役員で変えていかないといけないと思っている」

さらに、新たな不正が出てくる可能性はないかという問いかけにも断定を避けた。

「何回もご迷惑をおかけしているので、まったくないという自信はない。独立した調査委員会で徹底的に調べる。徹底的に調べたと思っていたので、もう一度調査をしてこれ以上ないのか知りたい」

新たに決定した主な取締役候補は、以下のとおり。
取締役会長 吉永泰之(現 代表取締役社長)
代表取締役社長 中村知美(現 専務執行役員)
代表取締役専務執行役員 大河原正喜(現 専務執行役員)
取締役専務執行役員 大抜哲雄(現 専務執行役員)

(レスポンス 中島みなみ)

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