新型 カムリ はガソリンのみ、新型 ヴィオス で拡販を図るトヨタ…クアラルンプールモーターショー2018

新型カムリを発表するUMWトヨタ自動車のRavindran K.社長
トヨタ自動車のマレーシア現地法人「UMWトヨタ自動車」は、クアラルンプール国際モーターショー2018(KLIMS 2018)に新型『カムリ』を出展した。最新のプラットフォーム思想「TNGA」を元に構築されたことで、カムリならではの優れた乗り心地と扱いやすさを最大のポイントとしている。

パワートレインは排気量2.5リットルのデュアルVVT-iエンジンで、最大出力184ps/最大トルク235Nmを発揮。組み合わせるトランスミッションは6速ATで、駆動方式はFF。これまでマレーシアではハイブリッド車とガソリン車が併売されていたが、新型は自然吸気のガソリン車のみに切り替わり、全量をタイから輸入する。価格はRM18万9900リンギット(円換算:約510万円)と発表された。

これによって新型カムリは、マレーシア国内で販売される新車の4割以上が適用されている省エネルギー車(EEV)の税額控除は受けられなくなる見込み。UMWトヨタ自動車のRavindran K.社長は一部報道機関のインタビューに、「カムリをタイから輸入するため、EEVインセンティブの権利はない。価格も以前よりもはるかに高くなり、顧客にとっては十分に競争力がないだろう」と答えている。

もちろん、新型カムリの出展車には多くの人が興味を持っている様子だ。トヨタブースには多くの人たちがカムリの周囲に群がったほど。それでも1.5リットル以下のクルマが73%を占めるマレーシアでは、510万円という価格設定が多くの人たちにとっては高嶺の花となるのは疑いがない。

そんな中、マレーシア国内での拡販に貢献しそうなのが新型『ヴィオス』だ。1.5リットルのデュアルVVT-i 4気筒ガソリンエンジンを搭載する4ドアセダンで、ASEANエリアで大ヒットしているモデルだ。通常のガソリン車ではあるものの、マレーシア国内で生産され、低燃費車でもあることからEEVとしても適用を受けられる見込み。トヨタとしてはマレーシア国内で人気のクラスにスポットを当て、拡販の上積みを狙っているものとみられる。新型ヴィオスは2019年の第1四半期に発売される予定で、既に予約受注も始まっているようだ。価格は7万7200リンギット(円換算:約210万円)から。

新型ヴィオスのスペックは、全長4415mm(旧+5mm)×全幅1730mm(旧+30mm)とややボディサイズは大型化したが、基本ボディを従来と同じにしているため、全高とホイールベースに変更はない。トランスミッションはスポーツ/エコの2モードが選べるCVTとなる。グレード別設定となるが、前方衝突警告(FCW)と車線逸脱警告(LDW)を備えたデジタルビデオレコーダー(DVR)を搭載し、リアクロストラフィックアラート(RCTA)も用意するなど安全装備も充実させている。

(レスポンス 会田肇)

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