三菱電機、ハイブリッド車用超小型パワーユニットと高出力密度モーターを開発

三菱電機が開発したハイブリッド車用の超小型パワーユニット(左)と、非対称回転子構造を採用した高出力密度モーター
三菱電機は、出力容量400kVA機種において、世界最小の体積と世界最高の電力密度を実現した「ハイブリッド車用超小型パワーユニット」と、世界最高クラスの出力密度を達成した「高出力密度モーター」を開発したと2月13日に発表した。

今回のハイブリッド車用超小型パワーユニットは、高密度実装を適用した同社製フル SiC(シリコンカーバイド:炭化ケイ素)パワー半導体モジュールと、SiCの持つ高速スイッチング特性を生かした高周波駆動により、パワーユニット内の部品を大幅に小型化したもの。これにより、出力容量400kVA機種において、パワーユニットとしては世界最小体積となる2.7Lで、世界最高の電力密度150kVA/Lを実現した。

具体的には、制御基板の絶縁コーティングによる部品実装の高密度化とモジュールの配線構造の改良により、同出力の従来機に比べて、制御基板を含めたパワーモジュールの体積を 3分の1に小型化。また、スイッチング損失(電気回路の開閉にともなう発熱による電力損失)の少ない SiC素子を用いたコンバーターの高周波駆動化により、受動部品であるリアクトルやコンデンサの体積を従来の2分の1に小型化した。さらに、熱損失を効率よく冷却系に伝達する高放熱構造を採用した。

同じく今回発表された高出力密度モーターでは、自動車に使われるエネルギーのほとんどが後進方向ではなく前進方向であることに着目し、前進方向への回転トルクを優先的に高めるように、非対称回転子構造を採用。さらに、集中巻(ステーター鉄芯の1個のティースにコイルを巻きつける構造)モーターで出力密度を向上。一般的に、分布巻(ステーター鉄芯の複数のティースに渡ってコイルを巻きつける構造)に比べて弱いとされる集中巻の鉄芯で発生するトルクを、独自の磁気スリットを設けることによって改善し、世界最高クラスの出力密度 23kW/L を達成した。加えて、油-水熱交換器を備えた高効率な冷却構造により、従来は高温化で使用できなかった磁力性能の高い磁石を採用した。

開発の背景には、自動車市場で環境・燃費規制の強化が進み、ハイブリッド車や電気自動車など電動車両の需要が拡大していることがある。このような中、ハイブリッド車では、ガソリンエンジンのパワートレインに加えて、電動化コンポーネントの設置空間を確保するために、パワーユニットとモーターの小型化が求められている。

今回の開発技術はいずれも、車両への設置自由度の向上や、車内空間の拡大に加えて、燃費向上にも貢献する。また、これらの技術は、電気自動車にも適用できる。

今後は、量産化に向けた開発を行い、モーターは2020年度以降、パワーユニットは2024年度以降の事業化を目指す。

(レスポンス 丹羽圭@DAYS)

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