日産のガバナンス特別委、「会長職」廃止など提言[新聞ウォッチ]

日産自動車ガバナンス改善特別委員会の西岡共同委員長(向かって左)と榊原共同委員長
気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

1999年3月27日は日産自動車と仏ルノーが資本提携の合意文書に調印した記念すべき"特別の日"だったが、偶然にもあれから20年か過ぎた同じ日、「ゴーン事件」発覚後に日産のガバナンス(企業統治)の立て直しについて議論していた外部の有識者らによる「ガバナンス改善特別委員会」が提言をとりまとめ、発表した。

日産の取締役会に報告書を提出した後、共同委員長を務めた東レ出身で前経団連会長の榊原定征氏と元裁判官で弁護士の西岡清一郎氏が午後8時15分から、横浜市の「ヨコハマ グランドインターコンチネンタルホテル」内で記者会見を開き、報告書の概要を説明した。

きょうの各紙も、日経が1面トップで「日産会長職『廃止を』、西川氏の責任論早々に封印」などと大きく報じたほか、各紙も1面や経済面などで取り上げている。

ガバナンス改善特別委員会がまとめた報告書の概要によると、特別背任の罪などで起訴されたカルロス・ゴーン被告が務めていた「会長職」を廃止し、トップへの権限集中を防ぐために6月まで「指名委員会等設置会社」に移行するよう提言。これまで会長が兼ねていた取締役会議長を社外取締役が担うなど、業務執行と監督の分離を明確にすることを求めている。

ただ、今回の報告書では、前会長の不正を見過ごした西川廣人社長ら現経営陣の直接的な責任は検証されていないほか、仏ルノーとの資本関係見直しなどにも触れていない。このため、毎日などは「中長期的な課題は残ったままだ」と指摘。また、日経も「現経営陣の個人の責任には当初から踏み込まない方向が決まっていた」として「日産の現経営体制の安定を優先した面が浮かび上がる」とも伝えている。

きょうは日産と三菱自動車が共同開発した新型軽自動車の発表披露会をそれぞれの会場で開く。三菱自は益子修会長兼CEOが出席する一方で、日産は西川社長ではなく日本事業担当の星野朝子専務執行役員が出席する予定という。待ったなしの企業統治改革も重要だが、ひな人形のコマーシャルではないが、自動車メーカーならば「新車が命」ではないだろうか。

2019年3月28日付

●日産会長職の廃止提言、特別委、指名委設置会社も要求(読売・1面)

●ゴーン前会長の不正認定、ガバナンス委、元側近の報酬隠しも(朝日・3面)

●ゴーンショック、繰り返す統治不全、生え抜きトップ薄い危機感「他責文化」歴代変わらず(朝日・8面)

●新元号4月1日昼公表へ(毎日・1面)

●かつて乱立・廉売いまは大手3社、出光・昭和シェル来月統合(毎日・7面)

●5Gで遠隔運転、ソニー・ドコモグアムで実験へ(毎日・7面)

●日産との統合交渉、ルノー再開意向か、英紙、1年以内と報道(産経・11面)

●特別委報告書、日産経営陣の責任、検証せず(東京・3面)

●ガソリン6週連続値上がり(東京・6面)

●中国EV企業、補助金減が直撃、BYD、純利益31%減(日経・15面)

●ケリー役員も報酬不開示、日産専門委「年1億円以上」(日経・47面)

(レスポンス 福田俊之)

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