ホンダグループが大分国際車いすマラソンに協力…前日のテクニカルサポート

漕ぐ力のテクニカルサポートを受ける山本浩之選手 大分国際車いすマラソン
本田技術研究所や傘下の車体メーカーである八千代工業(埼玉県狭山市)などホンダグループは11月16日、翌17日に大分市で開かれる大分国際車いすマラソンに出場する選手の車いす(レーサー)の点検などサポート活動を行った。

サポートは(1)レーサーを分解して点検するメンテナンス、(2)レーサーを漕ぐ力の分析、(3)サーモグラフィーなどによる非破壊検査―と幅広く、本田技術研究所と八千代から出向いた13人の専門スタッフが大分市内のホテルで行った。

このうち、漕ぐ力の分析は選手のフォームづくりなどに役立てるためのもので、ホンダの2足歩行ロボットのセンサー技術などを使いホイールにかかる力やその方向を測っている。ローラーの上を走ることで、短時間に分析データを得られるのも特徴だ。また、非破壊検査ではレーサーのフレームやホイールといった基幹部品に目に見えない損傷がないかなどを確認する。この非破壊検査では四輪車の部品の耐久性を検査する装置も活用している。

大分国際車いすマラソンでのサポートは、2017年からメンテナンスと非破壊検査を実施しており、今年は新たに漕ぐ力の分析が加わった。本田技術研究所・先進技術研究所の高堂純治研究開発主事は「ホンダレーサーは加速、トップスピード、走行安定性で世界トップに進化したと自負しているが、テクニカルサポートの充実によってアスリートの安心・安全を担保していきたい」と、話している。

今回はホンダグループがサポートする6選手がテクニカルサポートを受けた。このうち、日本を代表する車いすマラソンのアスリートで、大分国際では16年に優勝経験もある山本浩之選手(53)は、「レーサーは自分の身体と同じであり、無駄なく力を伝えられることが理想だ。ホンダは開発やテクニカルサポートを通じ、十分なパフォーマンスが発揮できるよう造り上げてくれている」と指摘した。

ホンダは1999年4月に、グループの部品会社であるホンダ太陽およびホンダR&D太陽(いずれも大分県日出町)内に車いす陸上競技の公式クラブ「ホンダアスリートクラブ」を発足させて以来、支援活動を続けており、今年で20年の節目となった。翌2000年からは本田技術研究所で陸上競技用車いすの開発にも着手してきた。

今年4月にはレーサーの新モデル「翔(かける)」のフラッグシップモデルを本田技術研究所が開発し、八千代が生産、ホンダ太陽が販売窓口を担当している。今回の大分国際には、ホンダグループの車いす陸上競技サポートアスリート12人のうち、山本選手ら10人が出場する。このうち女子では大分国際2連覇中の喜納翼選手(29)、世界記録保持者であるスイスのマニュエラ・シャー選手(34)の活躍も注目されている。

〈協力:ホンダ(競技取材会)〉

(レスポンス 池原照雄)

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