ジョン・デロリアンとは何者か? 全部が黒になったオセロ…映画公開直前トークイベント

ジョン・デロリアンとは何者か? 全部が黒になったオセロ…映画公開直前トークイベント
◆デロリアンへの思い入れが強すぎ

映画『ジョン・デロリアン』の公開直前トークイベントが12月2日、東京・代官山蔦屋書店にて行われた。イベントには、映画コメンテーターの有村昆氏、DOC(デロリアン・オーナーズ・クラブ・ジャパン)会長の下原修氏が参加した。

有村氏は『バック・トゥー・ザ・フューチャー2』のホバーボードのレプリカを持ち、マーティーのジャケットと帽子を着用して登場。デロリアンを一躍有名にした『バック・トゥー・ザ・フューチャー』をオマージュした格好で会場に駆けつけた。

お二人とも、デロリアンへの思い入れが強すぎて、最初から熱いトークが繰り広げられた。まずは両氏とデロリアンの出会いについての話題となり、有村氏は映画については『バック・トゥー・ザ・フューチャー2』が最初の出会いだったそうだが、テレビで『バック・トゥー・ザ・フューチャー』が放映され、登場したデロリアン『DMC-12』を見て、なんてかっこいい車なんだと、中学生ながら感じたのがきっかけとのこと。着ているジャケットには、ロバート・ゼメキス監督のサイン入りで、2015年10月21日と書いているのは、マーティーが未来に行った日づけになっているそう。

下原氏は、大学の学食で『バック・トゥー・ザ・フューチャー』を見たのが初めてで、かっこいい車だと思い、いつかこんな車が手に入れられたらと感じたとのこと。また実車については、「ロサンゼルスに1993年に新婚旅行に行った時、200万円前後で売っていたのを見た。そのあと、日本でも販売されている事を知り、1994年には購入した」と語った。

◆見た目は新品同様、放置車両

有村氏が面白いエピソードとして、木更津にずっと放置車両となっているデロリアンがあり、見に行ったことがあるという話になった。こういった放置車両についてのニュースは、ネットニュースとしてよく話題となり、パーツ取りのために欲しいと言う人も現れるが、日本の法律では放置車両といえども勝手に売買したり、パーツを取ったりすることは窃盗になるためできないとのこと。

土地の所有者を調べて、警察に届け出をしてなど、面倒な手続きしていくことで、手に入れることは可能かもしれない。が、じつはデロリアンのパーツは今でも供給されており、DMC社に発注すれば1週間程度で手元に届くのだと言う。

ちなみにこの放置車両だが、車内は朽ち果てた状態になっているが、ボディはステンレス製のため錆びることがなく、新車のような状態を保っているとのこと。

◆天才か、神か?

ジョン・デロリアンについては、車のコンセプトを考えるデザイナーとしては天才で、本人が広告塔になってテレビに出演しまくり、当時有名なテレビ司会者だったジョニー・カーソンにデロリアンを買ってもらうなど、マーケティングにもたけていた。ただし資金集めに関してはなかなかうまくいかなかった部分はあるかもしれないと下原氏は語った。

そして映画についてのポイントを聞かれた有村氏は、「この映画はジム・ホフマンという男の目線で語られているストーリーとなっており、実際にジョン・デロリアンが何を思い、何を考えていたのかはわからない。今まで出版された彼の本もそうだが、様々な人の目線で描かれているので、この映画も見た方それぞれがジョン・デロリアンの思いを想像しながら楽しめる。またジョン・デロリアンを演じたリー・ペイスの芝居が素晴らしく、陽気さと陰気さといった二面性のある表情や、人間の弱さや苦悩に苦しむ姿を見事に演じきっている」と述べた。

最後に、ジョン・デロリアンとは何者か? という問いに有村氏は「天才。やはり天才だからこそ、人が寄ってくる。最後の最後でオセロの1手ように、一気に黒にひっくり返ったように思えるが、そこまでの理詰めの考え方は天才的だと思う」と思いを述べていた。

下原氏は「神様のような存在。彼がいたからデロリアンと出会い、オーナーにもなった。しかし、人としてちょっと怪しいと思うところもあるのかもしれないが、出るくいは打たれるといった社会の犠牲にもなっていると思う。本当は彼の功績をたたえ、社会全体が彼の才能をいかすように後押しするべきだった。だが、様々な事件があったからこそ、映画にもなって注目されたのかなとも思う」と語った。

映画は12月7日から公開予定。



(レスポンス 関口敬文)

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