トヨタ、新型エアレス塗装機を開発…世界最高の塗着効率を実現

新型のエアレス塗装機
トヨタ自動車は3月12日、世界最高の塗着効率を実現した新型塗装機(エアレス塗装機)を開発したと発表した。

従来のエアスプレー式の塗装機は、主に空気の力で塗料を微粒化し、微粒化した粒子を空気で車体に塗着(エアスプレー塗装)する。このため、車体から跳ね返った空気によって塗料の粒子が吹き飛ばされることで、塗着効率は60~70%程度に留まる。これに対して新型のエアレス塗装機は、電気で塗料を微粒化(静電微粒化)するとともに、静電気を帯びた粒子が車体に引き寄せられるように塗着(静電塗装)。静電微粒化および静電塗装の技術により、微粒化された粒子の飛び散る量が大幅に減少し、世界最高の95%以上という高い塗着効率を達成している。

エアレス塗装機の導入により、トヨタグループの塗装工程におけるCO2排出量が7%程度削減できる見込みだ。加えて、塗装ブースの下部にある未塗着塗料の回収装置を小型化できるため、今後は塗装ラインのコンパクト化が可能となる。

トヨタは2015年に公表した「トヨタ環境チャレンジ2050」の一つとして、「工場CO2ゼロチャレンジ」の実現に向けた取り組みを進めており、この一環として、エアレス塗装機を開発。まず、高岡工場と堤工場に導入を完了し、今後は他工場へ順次展開するとともに、トヨタグループ会社での導入やグループ外への技術供与も検討していく。

(レスポンス 纐纈敏也@DAYS)

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