『ニシノクラウン』登場、キンコン西野亮廣と2万2000人が描いた「革新性」---その理由

TOYOTA × 西野亮廣 ニシノクラウン 発表(トヨタ東京本社、3月11日)
トヨタ『クラウン』をこれまでのフィルターやイメージで見ている人は、ためいきつくほどの落胆や、痛みをともなうショックや衝撃を受けるかもしれない。でもこの『ニシノクラウン』が、いま流のクラウンで、トヨタが描く「クラウンの革新性」そのものを表してるんだとか。

トヨタは、現行クラウンの「革新性」を実車で表現するならば、「キングコング西野亮廣ぐらい振り切ってないとダメだ」ほどの勢いで、本人にオファー。西野といえば、炎上系芸人としてネット界隈をざわざわさせるのが得意なひとり。文化系も体育会系も得意で、絵本やマラソンと、多彩に取り組む“芸人の枠を飛び越えた芸人”として知られている。

最近では、日本最大級オンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」を旗揚げし、会員2万2000人を束ねるクリエーターとしても注目され、トヨタはここに目をつけた。会見でも、「なんでしょう、じっとしてるのが苦手で、同じところに何度もボールを投げるようなことより、自分の好きな方向にみんなといっしょにつくっていくのが好きですね」と笑う。

◆「ベンチャー企業みたいなトヨタ」


トヨタは、この2万2000人という年齢も性別も職種も学歴も関係ない雑多な人たちといっしょにつくっていく「ニシノクラウン」に、賭けた。

「どうなんですかね。普通、トヨタのような大手企業って、『このプロジェクトはこの発表まで公表しないで』みたいな、守りに入るじゃないですか。それが今回は、企画段階から最初からオープンで、どこかのベンチャー企業みたいな感じでしたね」(西野)

「テーマは、『みんなでつくる』。サロンの2万2000人に『いっしょにつくろう』って投げたら、やっぱり『僕たちも、わたしたちデザインしてみたい』って声が出てきて」(西野)

◆2万2000人の仲間にお願いした2つの理由


2万2000人にデザイン素案やアイデアをお願いしたことについて、西野は2つの理由をあげた。

ひとつは、彼らの発信力。「だいたいみんな、『オレがデザインに関わった』『私もデザインしてみた』っていって、このニシノクラウンを発信してくれる。発信したいでしょ、みんな」と西野。

「ひとりがデザインに関わると、そのひとりが発信して、展示ギャラリー(表参道ヒルズとソーカルリンクギャラリー)に見にくる。ってことは、2万2000人がデザインに関われば、2万2000人が発信して、見にきてくれる」(西野)

◆クラウンの王冠とナポレオンのエピソードから発想


そしてもうひとつの理由が、「仕事の大きさに目がくらんで、『やります』ってなにも考えずにデザインを引き受けちゃったから」。

「引き受けたのはいいけどオレ、クルマのデザインなんてやったことないじゃんってことで、サロンの人たちみんなにお願いしました。調子のって仕事を受けちゃったけど、みんなに助けてもらって、いろいろデザイン案を出しあって、これに決めました」(西野)

そんな炎上系芸人で多彩な顔を持つクリエーター西野亮廣と、そのサロンに参加する2万2000人でつくりあげた「革新性」を体現するクラウンは、ナポレオンのイメージを落とし込んだ、ネイビーとゴールドの2色で仕立てた異彩を放つデザインに。

◆「ニシノクラウンで、キャバ嬢とエロいとこ行きたい」

囲み取材では、クリエーター気取りなコメントは一切なく、相変わらず遠慮ない西野節が飛び出した。

「このニシノクラウンに乗ってどこ行きたい?」という問いには、「そうですねー、かわいい女の子とエロいとこ行きたいですよね」と西野。

「どんな人と? うーん、キャバ嬢とかいいんじゃないですかね。気持ちよく話を聞いてもらいながら。エロいとこ行きたいですよね。いまさら週刊誌に撮られても、誰も興味ないでしょ」(西野)

eケアサービスをはじめ、LINE マイカーアカウントやコネクティッド機能を搭載し、「革新性」をキーワードに世に問う現行クラウン。これまでのクラウンのイメージを突き放す勢いで西野にオファーしてできあがったニシノクラウンは、3月12~17日の6日間、表参道ヒルズとソーカルリンクギャラリーで展示・公開される。

(レスポンス 大野雅人)

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