日本初の観光型MaaS、伊豆半島での実証実験はフェーズ3へ サービスエリアを大幅拡大

東急、JR東日本、伊豆急行の3社は、伊豆半島で昨年4月からスタートした日本初の観光型MaaS「Izuko」の実証実験「フェーズ3」を11月16日から実施すると発表した。

Izukoは、鉄道、バス、AIオンデマンド乗合交通、レンタカー、レンタサイクルといった交通機関を、スマートフォンで検索・予約・決済し、目的地までシームレスに移動できる2次交通統合型サービスだ。

2019年4月から実施した実証実験のフェーズ1、2では、計6166枚のデジタルチケットを販売。国内の観光型MaaS事例の中では圧倒的な販売実績をあげた。一方、サービスエリアや商品の内容、決済方法をはじめとした機能面など、解決すべき課題も多く残った。フェーズ3では、フェーズ1、2での課題を踏まえ、「サービスエリアの拡大」、「商品数の拡充」、「機能の改善」を実施する。

サービスエリアについては、これまでの東伊豆、中伊豆エリアに加え、西伊豆、静岡市エリア、富士山静岡空港まで拡大。エリア拡大に伴い、鉄道やバスなどに加え、フェリーも利用可能なデジタルフリーパスを新たに販売する。

交通商品数については、サービスエリアの拡大に合わせて、従来の6種類から10種類に拡充。また、観光施設・観光体験の商品数は約5倍となる約110種類へ拡充する。観光体験では水揚げしたばかりの金目鯛を市内の料理店で味わうことができるなど、伊豆の魅力を楽しめる、オンリーワンの体験コンテンツを地元事業者と連携して開発。そのほか、産業観光プラットフォーム「CRAFTRIP」を運営するmyProductと提携し、より幅広い体験コンテンツを提供する。

機能改善では、フェーズ2実施時に要望の多かったチケットの事前購入機能を導入。期間中に購入したチケットを好きなタイミングで利用できるようになる。また、登録・決済方法も拡充。従来のメールアドレスやGoogleアカウントに加え、新たにLINE、楽天のアカウントでも登録できるようになり、決済はクレジットカードに加え、モバイルSuica、楽天ペイ(オンライン決済)にも対応。さらに、東海道・山陽新幹線のインターネット予約「エクスプレス予約」「スマートEX」との相互リンクによる連携を実施する。加えて、美しい伊豆創造センターと協力し、特に混雑が見込まれる駅や観光施設の混雑状況をスマートフォンで表示し、密を回避しながら安全安心に周遊もらうようにするなど、Withコロナでのニーズに配慮した新機能を盛り込む。

Izukoは、スマートフォンでチケットを購入し、画面を提示するだけで交通機関や観光施設などを利用できる観光型MaaS。対人接触を避けながら移動や観光が楽しめるMaaSならではの利点を生かし、Withコロナ時代にも伊豆半島の活性化に資するサービスとして社会実装を目指す。

(レスポンス 纐纈敏也@DAYS)

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