【フィアット 600e】デザイナーが語る細部に宿る『600』のモチーフとは
ステランティスジャパンはフィアット『500e』の姉ともいえる位置づけの『600e』(Fiat 600e)を発表した。1955年にデビューした初代『600』との関係性やデザインについてチーフデザイナーのフラソワ・ルボワンヌさんに話を聞いた。
◆フィアットのデザインはドルチェ・ビータがテーマ
ファットのデザイン部門に3年ほど前から在籍しているルボワンヌさんは、フィアット全体のデザインフィロソフィーを「ドルチェ・ピータ」と位置づけ、「その瞬間を楽しむ」デザインの方向性を持たせているという。ドルチェ・ビータを直訳すると“甘い生活”。気ままで自由な生活や豊かな生活といったイタリア人のライフスタイルを象徴する言葉として知られている。
その背景にあるのは、「イタリア人は、時間に縛られたり、社会の規制にもあまり縛られたりしたくないと思っている。それをデザインでも表現したい」とルボワンスさん。ただし、「それが難しい。クルマを作るうえでは規制や制限しかない。そこで600eでは制限や制約を感じさせないシンプルでわかりやすいデザインにした。これが本当に難しかった」と開発当初を振り返る。
◆ディテールで600を感じさせる
そこで600eは500eや最初の600のデザインモチーフを取り込みながらデザインされていった。特に、「500eよりも長いキャビンや、より長いデイライトオープニングなどが用いられたほか、充実しているトランクセクションはまさに初代600を感じさせる」と説明。さらに、フロント部はシャークノーズにすることで600を想起させている。同時に「500eと比較し個性と力強さを与えている」と述べる。
そのほか、「トランクハンドルなどのディテールも、初代のセイチェントを彷彿とさせるもの」と話す。
これはインテリアデザインにも引き継がれており、「2トーンのシートはビンテージ感を演出。600のロゴをステッチに大胆に使用したり、フィアットのロゴパターンをエンボス加工で表現したグラフィックを取り入れたりしている」と述べる。
また、ラウンド型のクラスターやボディ色で塗装されたインパネ周りも、「オリジナルのクラスターを想起させると同時に、クルマのヘッドライトを思い起こさせる。こういった細部からもドルチェ・ビータのフィーリングに繋がっている」と説明。ほかにも2本スポークのステアリングホイールも初代600をイメージしたものだ。
一方でフロントグリルやリアライト、マルチスポークダイヤモンドカットアルミホイールにはピクセルパターンを使用。その結果、「エレクトリックでデジタルな新時代を象徴するクルマをデザインで表現している」とのことだった。
◆500eを膨らませただけではない
さて、冒頭に述べたように初代600は1955年にデビューしているが、600eのデザインは明らかに500をイメージしたように見える。その点についてルボワンヌさんは、「500は600がデビューしてから2年後の1957年に登場したので、600の方が先に世に出ていた」と歴史を語る。しかし、「大きな成功を収め、かつグローバルで認知度が高いのは500の方だった。先に出たにもかかわらず、イタリア人以外で600を知っている人は少ないのではないか」と現状を見つめ、その観点から現代においても、「単なる600の復古版ではなく、まず成功した500をモチーフにした500eがあり、それをもとに600eが生まれた」と説明。一方で、「単に500を膨らませて600を作ったわけではない」と強調する。
ではなぜ車名を“600”eにしたのか。全体のコンセプトは500eに100の魅力が追加されたのが600eだと説明があった。デザインでは、「600eと呼んだ時にあまり違和感を覚えさせないようにするにはどうしたらいいのかを考えた」という。そこで、「少し500に寄せたのはその通りだが、ディテール、例えばランプやロゴをはじめとした細部で、500eとの差別感を図り600らしさを少し入れた。ただしコンセプトは500eに対してより収納性、空間性を持たせることでファミリー層に向けたクルマ。従ってデザインとしてはその点をより明確にしていった」と説明し、500eのお姉さんというポジショニングが600eであることをデザインでも示唆していることを語った。
◆フィアットのデザインはドルチェ・ビータがテーマ
ファットのデザイン部門に3年ほど前から在籍しているルボワンヌさんは、フィアット全体のデザインフィロソフィーを「ドルチェ・ピータ」と位置づけ、「その瞬間を楽しむ」デザインの方向性を持たせているという。ドルチェ・ビータを直訳すると“甘い生活”。気ままで自由な生活や豊かな生活といったイタリア人のライフスタイルを象徴する言葉として知られている。
その背景にあるのは、「イタリア人は、時間に縛られたり、社会の規制にもあまり縛られたりしたくないと思っている。それをデザインでも表現したい」とルボワンスさん。ただし、「それが難しい。クルマを作るうえでは規制や制限しかない。そこで600eでは制限や制約を感じさせないシンプルでわかりやすいデザインにした。これが本当に難しかった」と開発当初を振り返る。
◆ディテールで600を感じさせる
そこで600eは500eや最初の600のデザインモチーフを取り込みながらデザインされていった。特に、「500eよりも長いキャビンや、より長いデイライトオープニングなどが用いられたほか、充実しているトランクセクションはまさに初代600を感じさせる」と説明。さらに、フロント部はシャークノーズにすることで600を想起させている。同時に「500eと比較し個性と力強さを与えている」と述べる。
そのほか、「トランクハンドルなどのディテールも、初代のセイチェントを彷彿とさせるもの」と話す。
これはインテリアデザインにも引き継がれており、「2トーンのシートはビンテージ感を演出。600のロゴをステッチに大胆に使用したり、フィアットのロゴパターンをエンボス加工で表現したグラフィックを取り入れたりしている」と述べる。
また、ラウンド型のクラスターやボディ色で塗装されたインパネ周りも、「オリジナルのクラスターを想起させると同時に、クルマのヘッドライトを思い起こさせる。こういった細部からもドルチェ・ビータのフィーリングに繋がっている」と説明。ほかにも2本スポークのステアリングホイールも初代600をイメージしたものだ。
一方でフロントグリルやリアライト、マルチスポークダイヤモンドカットアルミホイールにはピクセルパターンを使用。その結果、「エレクトリックでデジタルな新時代を象徴するクルマをデザインで表現している」とのことだった。
◆500eを膨らませただけではない
さて、冒頭に述べたように初代600は1955年にデビューしているが、600eのデザインは明らかに500をイメージしたように見える。その点についてルボワンヌさんは、「500は600がデビューしてから2年後の1957年に登場したので、600の方が先に世に出ていた」と歴史を語る。しかし、「大きな成功を収め、かつグローバルで認知度が高いのは500の方だった。先に出たにもかかわらず、イタリア人以外で600を知っている人は少ないのではないか」と現状を見つめ、その観点から現代においても、「単なる600の復古版ではなく、まず成功した500をモチーフにした500eがあり、それをもとに600eが生まれた」と説明。一方で、「単に500を膨らませて600を作ったわけではない」と強調する。
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