【フィアット 600e】500eに+100の魅力で大きくなった
ステランティスジャパンはフィアット『500e』のお姉さん的ポジションとなる『600e』を発表した。そこで、現在のフィアットの電動化戦略や600eのポジショニングなどについてブランドマネージャーに話を聞いた。
◆電動化戦略の見直し
現在様々な自動車メディアで取りざたされているのは、フィアットの電動化戦略が揺れ動いているのではないかということだ。
まずはその点についてステランティスジャパンでフィアットのブランドマネージャーを務める熊崎陽子さんに尋ねてみると、欧州全体の電動化の波について語り始める。「ちょうど500eを発表したころは、世界の自動車業界全体もこれからの未来は電動化だという方向性を持っていました」と振り返る。フィアット500eの開発に関しても、ステランティスグローバルCMO兼フィアットブランドCEOのオリビエ・フランソワ氏は、「ずっとサスティナブルを意識してきたフィアットブランドにとって、未来を考えるとパワートレインは電気一択」とコメントしていたほどだ。
しかしいま、「自動車業界はその計画を見直さざるを得ない状況に追い込まれています。イタリアのBEVの割合は3%ほど、日本でもそれに近い数字です」と現状を見ながらも、日本の輸入車市場では「平均7%くらいとかなり高い状況です。これはインポーターの積極的なBEV展開も効果があったように考えています」と熊崎さん。
そこで日本に向けて600e導入に際してもキービジュアルには、「過去の経験から充電器に接続されている絵は電気自動車として認知されやすいことから、そういった広告を当初は考えていました」という。しかし本国サイドから、「600eは来年(2025年)マイルドハイブリッドを日本にも投入することから、そういったビジュアルだとBEVの印象が強くなり、マイルドハイブリッドという選択肢に気付かれない可能性もあるという意見が出たのです。つまり彼らの中でも、電気100%ではなくより選択肢を持たないといけないと考えているようです」とコメントしていた。
◆600eの立ち位置
さて、巷では600eは『500X』の後継と思われがちだが、この点はどうなのだろう。熊崎さんは、「確かにデザイン等からそう感じるかもしれませんが、我々はそういうコミュニケーションはとっていません」という。
その理由はコンセプトにある。そもそもフィアットはFCA時代に開発された500eをベースにもう少し大きなサイズのクルマが欲しかった。その理由は、「Bセグメントという大きいマーケットに、フィアットは参入したかったからなんです」と熊崎さん。その企画途中でステランティスグループが発足したことから、PSAグループが開発していたB/Cセグメント向けのCMPプラットフォームが使えるようになった。そこで600eはこのプラットフォームを採用して開発することになったのだ。
当然600eをどういうクルマにするかというコンセプトは重要だ。「そこで考え出されたのが500プラス100というコンセプトでした」。特に本国では、「100個のエクイップメント、100個の機能を500eに追加して大きくなりますというもの。本国で強調しているワードは“イタリアンアップグレード、ビッグシスターオブ500e”。あくまでもそのコンセプトの中にいるのは500eであり、その500eのお姉さんを作りたかったということです」と説明する。
さらに日本市場においては、Bセグメントにおいてフィアットの内燃機関が希望であれば500X、BEVではれば600eという選択肢が増えたことも強調していた。
一方で500Xユーザーの代替えとしての受け皿の意味も600eにはある。事前調査ではやはり「500Xユーザーは600eの購入意欲は非常に高いものでした」と熊崎さんは語る。そのうえ来年にはマイルドハイブリッドの600e(という車名かどうかはわからないが)が導入されることから、この傾向はより強くなりそうだ。
最後に熊崎さんは、「フィアットといえば500というイメージが強く、あんなに可愛いクルマは他にはないでしょう。しかし600eもやっぱり可愛いなと思ってもらえると思います。例えばどこかに出かけて、駐車場で自分のクルマを見た時にそのクルマが輝いてると嬉しいじゃないですか。それが600eだと思います。そういう体験や喜びをストーリーにしてどんどん広めていきたいと思っています」とコメントした。
自分のライフスタイルの中に600eがある、その生活を想像ができるかどうかが600eの購入の鍵となるだろう。まさに、好きか嫌いかにかかっている。
◆電動化戦略の見直し
現在様々な自動車メディアで取りざたされているのは、フィアットの電動化戦略が揺れ動いているのではないかということだ。
まずはその点についてステランティスジャパンでフィアットのブランドマネージャーを務める熊崎陽子さんに尋ねてみると、欧州全体の電動化の波について語り始める。「ちょうど500eを発表したころは、世界の自動車業界全体もこれからの未来は電動化だという方向性を持っていました」と振り返る。フィアット500eの開発に関しても、ステランティスグローバルCMO兼フィアットブランドCEOのオリビエ・フランソワ氏は、「ずっとサスティナブルを意識してきたフィアットブランドにとって、未来を考えるとパワートレインは電気一択」とコメントしていたほどだ。
しかしいま、「自動車業界はその計画を見直さざるを得ない状況に追い込まれています。イタリアのBEVの割合は3%ほど、日本でもそれに近い数字です」と現状を見ながらも、日本の輸入車市場では「平均7%くらいとかなり高い状況です。これはインポーターの積極的なBEV展開も効果があったように考えています」と熊崎さん。
そこで日本に向けて600e導入に際してもキービジュアルには、「過去の経験から充電器に接続されている絵は電気自動車として認知されやすいことから、そういった広告を当初は考えていました」という。しかし本国サイドから、「600eは来年(2025年)マイルドハイブリッドを日本にも投入することから、そういったビジュアルだとBEVの印象が強くなり、マイルドハイブリッドという選択肢に気付かれない可能性もあるという意見が出たのです。つまり彼らの中でも、電気100%ではなくより選択肢を持たないといけないと考えているようです」とコメントしていた。
◆600eの立ち位置
さて、巷では600eは『500X』の後継と思われがちだが、この点はどうなのだろう。熊崎さんは、「確かにデザイン等からそう感じるかもしれませんが、我々はそういうコミュニケーションはとっていません」という。
その理由はコンセプトにある。そもそもフィアットはFCA時代に開発された500eをベースにもう少し大きなサイズのクルマが欲しかった。その理由は、「Bセグメントという大きいマーケットに、フィアットは参入したかったからなんです」と熊崎さん。その企画途中でステランティスグループが発足したことから、PSAグループが開発していたB/Cセグメント向けのCMPプラットフォームが使えるようになった。そこで600eはこのプラットフォームを採用して開発することになったのだ。
当然600eをどういうクルマにするかというコンセプトは重要だ。「そこで考え出されたのが500プラス100というコンセプトでした」。特に本国では、「100個のエクイップメント、100個の機能を500eに追加して大きくなりますというもの。本国で強調しているワードは“イタリアンアップグレード、ビッグシスターオブ500e”。あくまでもそのコンセプトの中にいるのは500eであり、その500eのお姉さんを作りたかったということです」と説明する。
さらに日本市場においては、Bセグメントにおいてフィアットの内燃機関が希望であれば500X、BEVではれば600eという選択肢が増えたことも強調していた。
一方で500Xユーザーの代替えとしての受け皿の意味も600eにはある。事前調査ではやはり「500Xユーザーは600eの購入意欲は非常に高いものでした」と熊崎さんは語る。そのうえ来年にはマイルドハイブリッドの600e(という車名かどうかはわからないが)が導入されることから、この傾向はより強くなりそうだ。
最後に熊崎さんは、「フィアットといえば500というイメージが強く、あんなに可愛いクルマは他にはないでしょう。しかし600eもやっぱり可愛いなと思ってもらえると思います。例えばどこかに出かけて、駐車場で自分のクルマを見た時にそのクルマが輝いてると嬉しいじゃないですか。それが600eだと思います。そういう体験や喜びをストーリーにしてどんどん広めていきたいと思っています」とコメントした。
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