2024 WRC 第3戦 サファリ・ラリー・ケニア レポート

  • 69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)

目次

1.スケジュール
2.チーム&ドライバーズ / コ・ドライバーズ
3.ランキング
マニュファクチャラーズランキング
ドライバーズランキング
4.レース 結果&レポート
・第1戦 ラリー・モンテカルロ 結果 レポート
・第2戦 ラリー・スウェーデン 結果 レポート
・第3戦 サファリ・ラリー・ケニア 結果 レポート
・第4戦 クロアチア・ラリー 結果 レポート
・第5戦 ラリー・ポルトガル 結果 レポート
・第6戦 ラリー・イタリア サルディニア 結果 レポート
5.WRCとは

第3戦 サファリ・ラリー・ケニア レポート

2002年大会を最後にカレンダーから外れていたが、2021年に復帰したWRC創設初年度からシリーズに加わり独自の地位を築いていたアフリカの伝説的グラベルラリーが、3月28日~ 31日に開催された。復帰後は乾季の6月に行われてきたが、今シーズンは第3戦として雨季の3月に開催時期が移った。
新生サファリ・ラリー・ケニアは、ケニアの首都ナイロビから約100km離れたナイバシャ湖にサービスパークが置かれ、ステージは見通しの良い平原を走行する高速区間が多いが、石や岩が多いトリッキーな区間もあり、雨が降ると路面は一気に泥状になり、グリップが格段に低下するグラベルロードが戦いの舞台となる。

DAY1
ナイロビ郊外のカサラニでSS1「スーパー・スペシャル・カサラニ」が行なわれた。
今大会、TOYOTA GAZOO Racing WRTはサスペンションのパッケージをアップデート。水や砂をエンジンに吸い込まないようにするための「シュノーケル」と呼ばれるパーツも新たに装着している。
全長4.84kmのこのオープニングステージは、数日前に降った雨により所々に濡れた路面や大きな水溜まりがあり、全体的にドライコンディションであったが、ロバンペラが総合3位に、勝田が総合4位に、エバンスが総合6位につけ、順調に競技初日を走り切った。

DAY2
この日から、サバンナでの本格的な戦いがスタート。サービスパークが置かれるナイバシャの周辺で3本のグラベルステージを各2回、合計距離127.58kmを走行する。3月のケニアは雨季の始まりとなるが、午前中は快晴に恵まれ気温は26度前後まで上昇。路面は全体的にドライコンディションであったが、荒れている区間も多く、クルマとタイヤにとっては、非常に厳しい一日であった
TOYOTA GAZOO Racing WRTは、ロバンペラが全6ステージを制覇し総合1位に、エバンスが総合2位に、勝田貴が総合3位につけ、チームは1-2-3体制を築いた。

DAY3
サービスパークが置かれるナイバシャの北側に位置するエレメンタイタ湖の周辺で「ソイサンブ」、「エレメンタイタ」、「スリーピングウォーリアー」という3本のステージを、日中のミッドデイサービスを挟んで各2回走行。合計距離は160.96kmとなり、今大会最長のステージ距離を走行する一日となった。ステージは全体的にドライコンディションであったが、路面は全体的に荒れており、ぬかるんでいる路面も一部あった。
ロバンペラは、大きなギャップがありながらも極端にペースを落とすことはなく、確実性の高い走りを続け、首位の座をキープ。勝田は、午前中最後のSS10で2本のパンクを喫し1分以上をロス。しかし、その後のSS11でベストタイムを記録するなどし、結果総合2位に。エバンスも、またSS8でのタイヤ交換により順位が後退したが、SS12でベストタイムを記録するなどし、総合4位まで順位を回復させた。

DAY4
ナイバシャのサービスパークを中心に「マレワ」「オセレンゴニ」「ヘルズゲート」という3本のグラベルステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離は74.38kmとなる。ナイバシャ周辺は朝から全体的に天気が良く、ステージは概ねドライコンディションであったが、朝までに降った雨により一部湿った路面もあった。
ロバンペラは、荒れた路面でパンクなどのトラブルを避けるため、この日も確実性の高いドライビングを実行。忍耐強く自分自身の走りを貫き、2年ぶりにサファリ・ラリーの表彰台の最上段に立った。
勝田は、オープニングのSS14でスローパンクチャーを喫しタイムロスしながらも、その後3番手タイムを刻むなどし挽回。再走ステージではリスクを排したクレバーな走りで走破し、総合2位でフィニッシュ。昨年のラリー・フィンランド以来となる表彰台を獲得した。
エバンスは、スーパーサンデーでできるだけ多くのポイントを獲得すべく、攻めの走りを実行。SS15および16でベストタイムを記録し、総合4位でフィニッシュ。また、スーパーサンデー3位により追加でポイントを獲得し、パワーステージ5番手タイムによるボーナスポイントでトータル16ポイントも持ち帰り、ドライバー選手権2位の座を堅守した。
今回の優勝により、TOYOTA GAZOO Racing WRTは4年連続でのサファリ・ラリー制覇およびトップ2フィニッシュを達成。トヨタとしては、サファリ・ラリーでの通算優勝回数を12に伸ばした(うち11勝はWRC開催イベントとなる)。