洗車時の拭き取りは効率的&小キズ防止に注目・・・カーアイテム活用術③

  • 洗車時の拭き取りは効率的&小キズ防止に注目・・・カーアイテム活用術③

カーケアの手間を省いて、仕上がりをよくするポイントはアイテム使いにあり! この連載ではカーアイテム使いの極意を伝授していこう。第3回は洗車時の拭き上げについて。

洗車をすればクルマはピカピカ。気持ちもいいし、愛車を大切にしてあげているという満足度も高い。もちろん有害物質の付着による塗装へのダメージも防止できる。というわけで定期的に行いたいのが洗車だ。

プロにお願いするのもありだろうし、クルマ好きなら自宅でじっくり行うのは王道。最近は洗車機の性能もよくなっているのでガソリンスタンドでセルフ洗車という方も多いだろう。

プロにお任せ以外で、どうしても必要になるのが拭き上げ。セルフ洗車でも機械任せとはいえ、濡れたボディを自分で拭くことがほとんどだ。そこで問題なのがなにを使って拭き上げるかということ。洗車はキズとの戦いで、無意識にゴシゴシとやってキズだらけということもあったりする。洗車命が多くいた昭和の時代には「キズ防止に自信がないなら洗車をするな」と言う人もいたほど。

それは極端にしても、アイテムをうまく使うことで、キズは最大限に防止できるし、効率もアップできてスピーディーに拭き上げることも可能なのだ。
ちなみに拭き上げる順番も大切で、砂などが付着しやすいボディ下半分やホイールなどはあとから拭き上げることは意識してほしい。

  • タオルでごしごし拭くのではなく、アイテムを活用して優しく&効率的に拭き上げよう

拭き上げのお悩み解消① 家庭にあるもので拭き上げる際の注意点

■拭き上げは優しくが基本

洗車でシャンプーをかけたあとに水で流したら、なにで拭き上げているだろうか。コイン洗車場で見ていると、普通のタオルを使っている人が多いように思える。またセルフ洗車場だと、サービスで使い古したタオルが「ボディ用」として置いてあったりする。

もちろん水分を取り除くという点では取り立てて問題はないのだが、キズ防止という点では少々不安が残る。厳密に言うと、タオルでも非常に細かいながらキズが付いてしまうことがあるからだ。

家にあるもので昔からオススメなのが、着古したTシャツで、これだとヨレヨレになっているので当たりも柔らかくてキズも防止できる。ポイントは補強されている袖まわりや首まわりで、これらは硬いのでこれまたキズの原因になりやすいため、使用前に取り除くのがポイントだ。

手頃に使い古しのTシャツがなく、タオルを使う場合はできるだけ毛足が長くて柔らかいものにするのと、柔軟剤を使用して柔らかくしておくといいだろう。

  • タオルで拭き上げる際は毛足の長くて柔らかいものを使用する

    よく使われるタオルを改めて触ってみるとわかるように、毛は硬いことが多い。塗装はこれでもキズが付くことも。また吸水力も問題ないけどそこそこ

  • 使い古しのTシャツはクルマの拭き上げにも使える

使い古しのTシャツを使うのはリユースという点でもオススメ。縫い目部分は事前に取り除いておく

拭き上げのお悩み解消② ソフトさと吸収力を両立するセーム皮、人工セーム

■拭き上げ専用アイテムはやっぱり高性能

拭き上げに使えるアイテムでの王道はセーム革もしくは人工セームで、吸水力は抜群な上に、かなりソフトなのでキズを付ける可能性をかなり低くできる。厳密に言うとセーム革は天然の皮革を使用したもので、人工セームはその性能はそのままに、化学的に作ったもの。

どちらも性能は同じなのだが、セーム革は使ったあと乾かすとカチカチになって収納しにくいのが欠点といえば欠点。人工セームはそのようなことはないので、セーム革の究極のソフトさにこだわらなければ人工セームのほうが使い勝手もよく、入手もしやすい。

■セーム皮、人工セームの使い方

使い方はとくに難しくなく、コツとしては手でゴシゴシとやるのではなく、吸水力の高さを生かして、ボディ上に置いたら引っ張るようにして拭いていく。置けないボディサイドは手に持って軽く一方向に動かすだけ。

とにかく吸水力が高いので手で押さえる必要もなく、キズを最大限に防止。サッと拭くだけで水分は取れるので時短にも効果があるのはうれしい。

さらにもうひとつ気をつけたい点があって、吸水力が高いゆえにすぐに水分が取れなくなってしまうということ。そのため、小まめに絞ることが重要になる。絞らないで使っていると取り込んだ水がまたボディ上に戻ることもあって効率も悪いし、時間がかかってしまうので注意したい。

  • 拭き上げに最適な人工セーム

    これは人工セーム。天然モノより扱いやすいし安価なのが特徴だ。ソフトでキズも防止できる

  • 人工セームでの拭き方

    拭き取る際のポイントは広げて置いたら、一方向に引っ張るだけ。これで水分は取れてしまうのだ

拭き上げのお悩み解消③ 家庭でも使えるマイクロファイバークロスもオススメ

■急速普及、化学繊維ならではの高性能

最近、100円均―ショップやネット通販などでよく見かけるのがマイクロファイバークロスだ。もともとは家庭用として登場して、今ではクルマ用も定番化したと言っていい。その名の通り、非常に細かい繊維で作られていて内部に空間が多いため吸水力が高く、しかもソフトなのでキズも最大限に防止できるなど、洗車にも最適だ。

ちなみにガラスクリーニングや車内清掃でも紹介済みなように、頑固な汚れも繊維がこそげ取るようにして取り除いてくれるから、1枚車載しておくとなにかと重宝する。

使い方のポイントはセーム皮と人工セームと同じで、吸水力の高さを生かして置いて引っ張るだけ。そしてマメに絞るのも同じ。ネット通販では10枚単位でかなり安く入手できるので常備しておくのがオススメだ。

力を入れなくても簡単に拭き上げられるので、サッと動かすだけで十分

拭き上げのお悩み解④ 高い吸水力を生かして吸い出せ!

今回のテーマはボディに残ったすすぎの水をいかに効率よく、スピーディに取り除くか。しかし、洗車後の抜き上げはそれだけではない。細かいところに入り込んだ水も可能な限り取り除いておきたい。

拭き終わったと思ったら、ドアミラーの付け根やライトのすき間から水滴がスーッと垂れてきてイライラさせられるというのは誰しもが経験あることだろう。細かいところに入り込んだ水分も、セーム皮やマイクロファイバークロスなら簡単に取り除ける。すき間に沿うように当ててやると自然に吸い出せるので簡単。あとで困らないひと手間としてぜひ実践してみてほしい。

  • すき間部分に沿うように当てるだけで中に入り込んだ水が出てくる。これであとからイライラさせられることもない

拭き上げのお悩み解消⑤ 巨大サイズのマイクロファイバークロスで一発拭き上げ

■絞る必要なし!? 最新拭き上げトレンドはサイズにあり

贅沢な悩みではあるけど、ここまで紹介したアイテムたちは吸水力が高いがゆえに、小まめに絞るのが大変というか面倒だった。サイズも小さいのでなおさらで、拭いては絞ってという感じで、少々せわしない。

そこで最近のトレンドとして注目なのが巨大なマイクロファイバークロス。一般的なものがフェイスタオルだとしたら、こちらはバスタオル並だ。しかもリリースしているのは大手洗車用品メーカーではなく、これまた最近の傾向として注目の小規模メーカー。インディーズ的な存在で、ユーザー目線で「あるといいな」的なアイテムを積極的にリリースしている。

巨大ゆえにそもそも絞ることができないが、心配は不要で乗用車なら一気に拭き上げられてしまうほどの実力の持ち主。手でもって一方向に動かしていくだけで、どんどんと拭き上げられて、あっという間に完了だ。恐ろしいほどの時短で、その分、ワックスやコーティングがけにこだわることができる。使用後は絞ることはできないので、干して乾燥させるのだ。

  • 巨大サイズのマイクロファイバークロス

    ボンネットの半分ぐらいをカバーするほどの巨大なサイズ。こちらも置いて引っ張るだけで拭き上げ完了

(文、写真:近藤暁史)

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