ゴールデンウィークは富士スピードウェイ! 〜SUPER GT第2戦富士スピードウェイレポート〜

  • GT500クラス優勝の高星明誠選手・三宅淳詞選手/NISMO NDDP

世の中の動向がコロナ禍前に戻って来て(円安と物価高という状況は以前とかなり違いますが)、SNSが記録的に伸びた時期も終わり、昨年あたりからグっとモタスポのSNS関連のインプレッションやエンゲージメントも減り、いったいどうなるんだろう?と心配な日々。

実は今回の大会についてとても気がかりでした。しかし、GT富士といつも呼んでいたSUPER GT第2戦は、88,400人の観客数で安堵。例年通り集客力があると感じました。

今年に入って春開催のF1日本グランプリや初開催のフォーミュラEの世界のレースが動員数を伸ばしていることで、世界がかなり身近にも感じたり、でも時期的にもう開催が終わっているので、レース熱はインターネット内ではどうなんだろう?とかいろいろ心配は尽きませんでした。

今年の開催時期の変化は国内モータースポーツにはどんな影響があるのだろうか?というのも気になるところ。また、いろいろと増えたカテゴリーにどんどん参戦していくドライバーさんたち。

見ていてとても楽しいのですが、この変化はモータースポーツそのものが変革の時期を迎えているのかなと私は勝手に思っているので、一ファンとしてまずは国内のカテゴリーそのものがもっと認知度を上げ、基盤を築かねばと思っています。みんな頑張っていることは承知の上で、常に勝手に心配をしているという(笑)。

  • SUPER GT2024 第2戦 富士スピードウェイ

そんな中で、SUPER GTは芸能人の方もたくさん招かれていて、さすがだと思いました。お名前は控えますが(SNSを見ればすぐわかりますが)、クルマ好きだったのかとあらためて認識することもあり、来てくださった芸能人の方々への興味もかき立てられました。仕事が過去イチ忙しくてもう無理となったこともありましたが、終わって見ればやっぱり楽しかったですね。

先にSUPER GT第2戦の結果を申し上げますと、GT500クラスは、3号車Niterra MOTUL Zの今季新しくコンビを組んだ高星明誠選手と三宅淳詞選手が優勝!しかも圧勝でした!三宅選手は、GT500クラス初優勝!

GT300クラスは、88号車JLOC Lamborghini GT3小暮卓史選手、元嶋佑弥選手がポールトゥウィン!で初の3時間レースを〆ました。前置きがかなり長いですが、少し振り返ります。

今回優勝した三宅選手は、GT500クラスにステップアップしたドライバーさん。そもそも日産の所属ではなかったところからシートを実力で獲得したシンデレラボーイです。

Hondaさんのドライバー育成スクールを首席で卒業したという彼。他にもそんな経歴のドライバーさんはいらっしゃるのですが、Hondaには在籍していなかったです。

F1の活動も力を入れているメーカーさんですので、優秀なドライバーさんが集まり過ぎてきっと豊作だったと思うのです。そしてF1に送り込むにもシートの数には限りもございますしね。

国内では、TOYOTA GAZOO Racingもドライバーの育成活動に力を入れていますので、行き先を失ったドライバーが出てしまった感じがしますね。その当時の様子は詳細まではわかりませんが、今気づけばHondaさん出身のドライバーがめちゃくちゃ活躍しているので、それを考えると、「豊作」という言葉は間違いなく、しいて訂正するとすれば「豊作続き」の方が正しいのかもしれません。

業界にとっては、そういう才能のあるドライバーさんたちの行き先がメーカーは違えど収まってくれたことは良いことだと思います。

そんな彼が晴れてニスモ入りを果たしたことは業界にとってとてもうれしいこと。昨シーズン終盤の動きを見ていると、日産系チームに所属していた大草りき選手がチャンスを掴むのではないかと思っていました。GT500を目指していましたので。

しかし、シーズンの終わる前に彼には別のチャンスが訪れ、スーパーフォーミュラ最終戦にスポット参戦となりましたね。彼はそのスーパーフォーミュラ最終戦を全く問題なく走ったことで、きっと次の可能性が生まれたのかなと思います。

ただ、スーパーフォーミュラのシートは、今季は残念ながら獲得とはならなかったですね。期待しましたがなかなか難しいです。

そして、三宅選手に話を戻しますが三宅選手がシートを得たことは、私もうれしかったです。業界の将来を考えたらもったいないので。そしてGT500クラスデビューからたった2戦で優勝を掴んだことは、喜ばしいことですし驚きはありません。

もちろん、まだまだ500は若葉マークなのかもしれませんが、彼はとても真面目と周囲から聞きますし、好青年なのでどんな結果も受け入れ、前のめりで応援しちゃいますね。おめでとうございます。さらなる活躍に期待しております。

そして今回の3時間レースですが、2ピット(義務)で1時間ごとにスティントを区切る感じ(大雑把ですみません)の戦略を取るチームも多かったですね。こうするしかないのかも?しれませんね。

  • 優勝の3号車 Niterra MOTUL Z/NISMO NDDP

3号車は、高星選手が2スティント行って、残りを三宅選手で戦いました。大きなギャップを築いてから、バトンタッチする作戦ですね。マージンが大きいと、逃げ切るだけですので(もちろん簡単ではないですが)、三宅選手はシンプルに戦えますね。

中段のポジションで交代すると、GT300クラスの処理がまだ慣れず?難しいかも?ですから、わかりやすい戦略にしたのかな。ま、SUPER GTのレースはそんな単純ではないですけどね。記者会見もお二人とも落ち着いた感じでした。

まだ始まったばかりですからね。いつも静かなメカさんたちがめちゃくちゃうれしそうだったのが印象的でしたね。

17号車

  • 17号車Astemo CIVIC TYPE R-GT/Astemo REAL RACING

予選は、ポールポジション!決勝は3位表彰台でした。太田格之進選手はHonda陣営からの移籍組。開幕戦は無念のオープニングラップでリタイアでしたので、この富士はやる気満々だったと思います。17号車大活躍でした。

決勝で、太田選手がコースオフした際に、塚越広大選手がモニターを見つめていたお顔がテレビで流れたと思うのですが、あのお顔が何かこう素敵でしたね。お兄さんが弟を見るような愛のある目線というか。とても強く印象に残りました。

チームメイトの攻めた戦いを見つめている表情が、同じ思いで見ていると思いますがとても柔和に見えたんです。レース中だからもっと険しい状況はずなのに。とても優しい先輩だなと思いました。

好調な17号車ですが、どのCIVIC type R-GTがデビューイヤーで優勝をするのか、今そこが気になっております!

ヨコハマタイヤを履く88号車JLOC Lamborghini GT3、小暮卓史選手、元嶋佑弥選手が優勝!昨年の最終戦でも優勝し、信頼ある強さを発揮していました。Lamborghini GT3をさらに改良したモデルで、随所でこの88号車の活躍が見られますね。

同じチームの87号車はLamborghini GT3ですので、リザルトを振り返ると前回は87の方がひとつ上位と逆の場合もありましたが、レースの内容にもよりますが改良型の車両が頭ひとつ出ているということになります。

  • 小暮卓史選手・元嶋佑弥選手/ JLOC

小暮選手が、Honda陣営でGT500クラスや、スーパーフォーミュラで活躍されていた頃は、“天才”過ぎて驚くことばかり。今も天才ですが、やはりそのキャリアをしっかり活かしておりますね。

本嶋選手はベビーフェイスですが気づけばベテランドライバーですね。小暮選手が「乗れている」と褒めるだけあって、本当に調子が良いですね。開幕戦の2号車も挙げましたが、彼らもタイトル候補に挙げておきますね。

GT300には、キャリアのあるベテランドライバーがまだまだいて、おもしろいです。ぜひ注目してくださいね。

富士スピードウェイが得意な4号車ですが、予選から調子が良く2位を獲得していました。

片岡龍也選手のお誕生日会は恒例となっておりますが、永遠の17歳がいつの間にか年を重ねていたことに驚きました。彼がF3(現在のスーパーフォーミュラ・ライツ)に出場していたときからお仕事で存じあげておりますが、SUPER GTのGT500クラスやフォーミュラ・ニッポン(現在のスーパーフォーミュラ)にステップアップした頃をよく覚えているので(笑)。

メーカー育成ドライバーの一期生で、当時のままの印象というと言い過ぎかもしれませんが、もっと若いイメージで止まっております。サーキットでよく話すんですけどね。

彼は昔から何に乗っても速く器用でしたね。スポット参戦したGT300クラスも優勝をしています。もう20年も前の話ですけどね(笑)。

でも息の長いドライバーで、現在も現役ということはうれしい限りです。谷口信輝選手とコンビを組んでずっと乗り続けていただきたいですね。今や、ドライバーの若年化も進んでおりますので、長く乗ることが難しくなって来ていると感じます。

決勝は4位と表彰台にあと一歩でしたが、この4号車が上位に来ると盛り上がるというのは毎戦言っております。今季も楽しみにしておりますよ!

11号車 GAINER TANAX Z

  • GAINER TANAX Z/ GAINER

開幕はクルマが間に合わずピットへ展示。今回は、車検がなかなか通らずと生みの苦しみが続きましたが、予選からですがしっかり走ってくれましたよ。Q1でいきなり4番手。Q2は出走しませんでしたが、まずはレースを走ることができました。

ドライバーもキャリアもありますし走ってしまえば心配なし。今回は完走できませんでしたが、次に期待です。頑張って!

もうちょっと深掘りしたいのですが、前置き長過ぎました。SUPER GTは、まず次戦まで駆け抜けて、2ヶ月のインターバルでじっくりレポートを追加できればと思います。では、また!

(写真 折原弘之 大谷幸子、テキスト 大谷幸子)

MORIZO on the Road