【連載全14話】第6話 三菱ミニカ・・・2サイクルエンジンのクルマ特集

現在のクルマのパワーユニットは実にさまざま。一方で絶滅危惧種となっている2サイクルエンジンのクルマを今回はピックアップ。日本やドイツで親しまれた小排気量車を中心に、週替わりで紹介します。

三菱ミニカ

1962年にデビューした三菱初の軽乗用車。三菱初のオリジナル乗用車はその2年前に出た三菱500だが、これは空冷4ストロークの493cc直列2気筒OHV(当時は軽の規格外)を積んだリアエンジン車だった。それに対しミニカは、一転して空冷2ストロークの359cc2気筒エンジンをフロントに積み、後輪を駆動するFRの駆動方式を採用していた。これは前年に登場した、軽商用車の三菱360バンをベースにしたためである。

三菱360バンのBピラーから後方を改修した2ドアセダンボディーは、オーソドックスな3ボックス型。そのスタイルと当時の軽乗用車では唯一となるFRであることから、これまた軽では随一の広さを誇るトランクルームを備えていた。そうした三菱らしい堅実な成り立ちと信頼性の高さで、市場ではスバル360やマツダ・キャロルには及ばないものの一定の支持を得た。

数度のマイナーチェンジを経て、1968年にはエンジンを水冷化したスーパーデラックスを追加。翌1969年にはフルモデルチェンジを実施。ミニカ'70(セブンゼロ)と名乗る新型は、空冷または水冷の2ストローク2気筒エンジンとFRの駆動方式こそ先代と同じだったが、軽乗用車初となるテールゲート付きの3ドアボディーを採用して従来の地味なイメージを刷新。ホンダN360の登場以来、若者向けにシフトしていた軽市場に斬り込んでいったのだった。

[GAZOO編集部]

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