シンガポール発のシェアサイクルサービス、SGBIKEの使い方
SG BIKEはシンガポールの地元企業(SG Bike Pte Ltd)が運営しているシェアサイクル・サービス。最大の特徴はRFID(Radio Frequency IDentifier)を利用して通信を行なっていること。RFIDがカバーする範囲内でしか通信はできないが、セルラー(携帯電話)回線のように多大な電力は不要。そのため、最小限のバッテリー搭載で済み、自転車自体を軽量にすることができる。
日本の電話番号はNG! シンガポールの電話番号が必要なSG BIKEのアプリ
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- SG BIKEのアプリ
SG BIKEを利用するにはSG BIKEのアプリを導入しておく必要がある。
▼iPhone版はiTunes Store
[https://itunes.apple.com/sg/app/sg-bike/id1271663473?mt=8]から、
▼Android版はGoogle Play Store
[https://play.google.com/store/apps/details?id=com.usmeew.ume&hl=en_US]
からダウンロードして利用することができる。
SG BIKEのアプリはIDとして携帯電話の番号を利用するが、日本の番号では登録することができず、シンガポールの電話番号が必要になる。従って、プリペイドSIMと呼ばれる売り切りのSIMカードを現地の空港などで購入して、シンガポールの電話番号を入手しておくとよい。シンガポールの電話番号があればSMS(ショートメッセージサービス、電話番号同士でやりとりできるメッセージサービス)を利用して認証を行ないIDを作成することができる。
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- 支払い画面
SG BIKEの支払いは「My Wallet」というアプリ内の支払い機能に、前払いの形でチャージし、そこから支払う形になる。なお、電話番号はシンガポールの番号でなければだめだったが、支払いは日本のクレジットカード(VISAカード)でも支払うことができた。支払い単位は100SGD(シンガポールドル)、50SGD、20SGD、10SGDの4つが設定されており、1SGD=約81円なので、約810円からということになる。料金は30分で1SGD(約81円)、それ以降は0.03SGD/分となっている。支払いはMy Walletにチャージされている中から引かれることになる。
RFIDが届く範囲に駐車する必要がある、範囲外に駐輪するとペナルティが発生する
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- QRコードを読み込んで、借り出しを開始する
SG BIKEの特徴はSG BIKEのコンピュータとの通信にセルラー(携帯電話)回線ではなく、RFIDを利用していることだ。RFIDは電磁界や電波を利用して数mレベルの近距離通信ができる仕組みで、SG BIKEではこれを利用して自転車の位置情報を取得している。利用者はSG BIKEのアプリにより表示されている自転車の場所にいって、自転車に取り付けられているQRコードを読み込むことで利用が可能になる。
QRコードは車体のあちこちにある。また、専用の非接触カードを利用しても借りることができる
なお、駐輪して返却できるのは、そのRFIDの電波が届く範囲となっており、RFIDが届かない範囲で返そうとするとユーザースマートフォンに通知をし、移動を促す仕組みになっている。範囲外で返すと、ペナルティがかかる仕組みになっているので、実質的にはSG BIKEが用意している駐輪スペースなどに駐輪する必要がある。このため、SG BIKEは利用できる範囲が決まっており、範囲外で使うことは実質的にできないので注意が必要だ。
返却時にはまずロックを行なうとアプリに通知が届く
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- 返却はエリア内のパーキングに返す
SG BIKEは将来的にはRFIDを利用した現在の仕組みからNB-IoTと呼ばれる超低消費電力なセルラー(携帯電話)回線を利用するシステムを導入する計画を明らかにしており、将来的には現在よりも広い範囲で利用することができるようになりそうだ。
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- シンガポールの金融街をバックに
地元の人には使いやすそうなSG BIKE
どこでも目にすることが多かったofoやMobikeと比べると、エリアによってほとんど見かけなくなるのがSG BIKEの印象。その分、街中で明らかに放置されているような車両を見ることもなかった。アプリでも駐車スペースがちゃんと表示されていて、今回取材した3社の中で、もっとも自転車の放置に対してシビアに考えている印象だ。
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- 使い終わった車両は駐車スペースに返すように指示される
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- 駐輪スペースに取り付けられたSG BIKEの発信器のようなもの。これで車両が駐輪スペースに置かれたことを認識するようだ
一方で自転車には「No Deposit」「30min-1$」の文字が目立つように書かれていて、料金面での優位性を強く打ち出しているようだ。また、EZLinkと呼ばれる専用の非接触カードをタッチして使うという使い方もできるようで、地元の人にとっては使い勝手のいい選択肢なのかもしれない。
利用料金の安さをアピールする文字があちこちに書かれている
しかしながら、アプリは一切日本語化されておらず、日本の携帯電話番号でも登録ができないなど、海外からの観光客にとってはあまり使い勝手がよくないだろう。
[ガズー編集部]
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