流し撮り上級編 ~クルマをかっこ良く撮りたい!こそっとスキルアップ!GAZOO写真教室 11限目~

先日、サーキットにてキヤノン様後援で写真講座を開きました。テーマは「流し撮り」でした。そこで感じたのが、生徒さんたちのシャッタースピードの遅さです。なぜそこまでスローにこだわるのか? 聞いてみると、シャッタースピードが速いと仲間内で見てももらえないという理由でした。それならば、ちゃんと流し撮りを覚えてもらいたいと思い立ち、今回の上級編の講義を考えました。

流し撮りですから、より遅いシャッタースピードの方が効果は上がります。ですが、肝心の被写体が止まってないのでは、締まらない写真になってしまいます。止まっている部分があるからこそ、スローシャッターの効果が上がるのです。

作例1

作例1のようにシャッタースピードを1/60sec以下(作例は1/25sec)に設定した場合、被写体全体を止める事は不可能でしょう。その場合、前回も説明した通り、SUPER GTマシンはグリル、フォーミュラカーはヘルメットを止める事で作品として成立します。

作例2

また作例2のように、被写体と手前に被写体を隠すような障害物があっても、より遅いシャッタースピード(作例は1/25sec)を切る事で、透過させる事が可能になります。特に手前の障害物を透過させる為には、1/30secが要求されます。

上記のようにグリルを止めたい場合、“意識”を止めたい場所に集中しその場所を見続ける事がポイントになります。漠然とマシンを追うのではなく、ライトやグリルだけを追い続けるのです。意識を集中した場所が、止まりやすいのは経験上間違いのない事実なのです。

作例3

作例4

続いて作例3ですが、これは縦の流し撮りです。これもシャッタースピードは1/25sec、スポーツランドSUGOの1コーナーの観客席から撮影しています。作例4(1/200sec)も同サーキットの3コーナースタンドから撮影したものです。

皆さんの撮影環境だと、このように上から撮影する事が多くなると思います。上から撮影する時のコツは、僕の場合一脚の高さにあります。普段のカメラの高さは、ボクサーのファイティングポーズと同じです。膝を軽く曲げスタンスは肩幅程度(スタンスが広いと回転しにくくなるからです。)背中を丸めた状態で、右の拳が頬の高さに来るように構えます。ただし、縦流しの場合、被写体を追いかけると顔の高さが高くなっていくので、一脚を70mm位低く設定します。

作例5

これで追いかける準備は整いましたので、後は動かしすぎないように注意して丁寧に被写体を追いかけるだけです。この時、下半身を使って追いかけるのが正しく追いかけるコツです。

作例6

作例7

作例8

ここまで流し撮りについて書いてきましたが、この夏休みを利用してサーキットで撮影をしてみたい方! 流し撮りだけがレース写真ではありません。作例6、7のようにシチュエーションを生かしてそのサーキットならではの空間を切り取ってみたり、作例8のように遊んでみたり…。

作例9

作例10

作例11

作例12

作例13

流し撮り以外にも楽しめる写真はあると思います。流し撮りは難しいからと言って、レースを撮ることのハードルを上げることはありません。何度もサーキットに足を運ぶことで、作例9、10、11、12、13のようにドライバーたちが素晴らしいパフォーマンスを披露してくれると思います。一度でもこのプラスアルファに出会ったら、ハマること請け合いです。

折原弘之
F1からさまざまなカテゴリーのモータースポーツ、その他にもあらゆるジャンルで活躍中のフォトグラファー。
作品は、こちらのウェブで公開中。
http://www.hiroyukiorihara.com/

[ガズー編集部]