GAZOO LADYのみなさま、一年間お疲れさまでした! ~伝えること考~

ここ数年で、本当に増えたなあと今年のTOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)の活動計画を見て、参戦カテゴリーの多さに驚きを隠せません。そんな中、その活動をサポートして来たGAZOO LADYのみなさんが、大阪オートメッセにて2017年度の活動を終えました。

レースクイーンという職業がありますが、これは、スポンサーを宣伝する手法の一つですよね。遥か30年もの昔のバブル時代に遡って申し訳ないですが、ドライバーに傘を差し、当時はハイレグでしたが、それを纏った女性たちが一世を風靡したイメージがずっと続いている気がします。

現在も、日本にはレースクイーンという文化が存在します。ハイレグこそ無くなりましたが、大きなスポンサーロゴの入った傘とコスチュームは健在。イメージガールという言葉もありますね。企業イメージを伝える女性?という事で理解しちゃっていますが、こちらももちろん宣伝ツールの一つ。先般、F1で物議を醸したグリッドガールは、グリッドでグリッドボードを持つ女性。イメージガールで、レースクイーンではありませんと言われる事がありますが、サーキットで頑張っている方々を見る限り、それぞれの差は、そこまで深く追求しなくても良いかなと私は考えます。言葉として付けてインフォメーションするのは必要で、立場的に大事かもしれませんが、どの方も、古典的な表現ですが“サーキットの華”には違いないので。

最近のレースクイーンは、芸能界でも人気グループが存在するように、歌に踊りにというユニットも人気を集めるようになりました。歌、踊り抜きでも、レースクイーンそのものの、ユニットのメンバーのクオリティも人気の一つで、そこがウリだったりします。やっぱり、スタイルが良くて、かわいい、きれいなお姉さんは見ていて楽しくなりますよね。これについては、時代の流れで流行りもありますが、基本的にスポンサー、企業の広報活動の一部であるのは変わりません。

GAZOO LADYは、イメージガールなのかレースクイーンなのか?レースクイーン? 10年くらい前から、ニュルブルクリンク24時間レースの応援に現地に出向いていましたね。活動の全てを見届けている訳ではないですが…。現在は、カテゴリーが増え全てをフォローするのは当然無理。昨年の活動を抜粋すると、やはりGAZOO LADYの活動のスタート地点のニュルブルクリンク24時間レースやスポットでWRCをサポート。国内では、ラリーチームとレースチームに分かれ、全日本ラリーやTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZレースの現場、各種のイベントで頑張っていました。

活動するにあたって、GAZOO Racingについて理解しないといけません。ここからが、彼女たちのスタートだと思います。これに関しては、イメージガールなのかな。メーカーが、このモータースポーツの活動をする意義がわからないと、この活動に参加しても無意味。もちろん、企業のレースクイーンの方も、その会社について学んで傘を差しているはずですので、活動内容をしっかり勉強するのは同じですね。

MCもやらないといけない。レースウィークやイベントの盛り上げを表立ってやる訳ですから、喋れないとダメ。喋るのも上手ですね、見ていると。これも、レースクイーンのみなさんもやられていると思います。つくづく尊敬します。

そうそう、ちょっと話が反れますが、私は、レースクイーンの佐崎愛里さんのファンです。ただ、傘を差しているのではないという事を、彼女から学んだんです。後輩にいろんな事も教え、常に先の事を考え動いてる…。傘を差すのも、ポーズだけの方も正直いますが、ドライバーに日差しが当たらないようにとか。簡単な事にも思えますが、意外に気づかない方もいますし、話していていろいろ発見があるのが彼女です。周りの様子をしっかり見ているし、気配りが出来る所が、フツーの女性としても魅力がありますね。もちろん、かわいらしいのでチェックしてくださいな。

さて話を戻して、昨年のメンバーは、杉山愛奈さん、高家望愛さん、藤本真由さん、酒井美樹さんの4名。メンバー中でも、杉山愛奈さん(以下、まなちゃん)が現役の大学生にも関わらず3年間と長期に渡り活動をして来たので印象深いです。もちろん他の方々も頑張っていましたよ。しっかり見させていただいてます!

彼女は、F1のファンとして有名でしたね。中でも、ニコ・ロズベルグさんのファンで、彼も認知しているので、まなちゃんという存在は関係者の間でも有名でした。彼女が、GAZOO LADYになった事を知ったのは、ニュルの現地からのツイッターでした。もうね、腰が抜けましたよ(笑)。え?まなちゃん?ってね。

彼女が、高校生の時だったかな、モータースポーツを盛り上げたい旨の書面をいただいた事があります。うろ覚えですが、何かを始めたいという主旨で、内容はとても共感するものでした。編集者の私としては、文章の校正はちょっとしたいと思いましたが(笑)、当時これを実現してくれる人が業界にいるんだろうかと思ったのも事実です。

何故なのかわかりませんが、過去に、いろんな方に業界を盛り上げたいと相談されたことがあります。私には、動かしてあげるチカラなど全く無いのに…。「思い」だけでは実現できる事もなかなか無く…。かと言って、自分を犠牲にしてまで取り組むことでもない、今ある組織や会社の企業努力に委ねるしかないのだろうと、非常に冷静な目で見て来ました。まなちゃん、ごめんね。

まなちゃんは、モータースポーツに造詣が深いだけあって、語らせれば詳しい。ですので、ちょっとこれまでと毛色が違うコでした。かわいいだけじゃない、伝える仕事をしたいのだろうというのは、その高校生の時のエピソードもあるので、ずっと感じていました。GAZOO LADYになった事で、活動する場を得たのは非常に良かったし、彼女のこれからの人生に少なからず影響があるのではと思います。そして、2017年度の活動は、特に彼女の個性がとても引き出され良かったのではと。それを鑑みると、もっともっとGAZOO LADYは、表立って活動しても良いのかもとも思いますね。あ、予算とかあるかもしれないけど(汗)。

TGRが抱えているカテゴリーは沢山ありますが、メーカーお抱えの立場。これは、悪い意味ではなく、生かすしかないです。まなちゃんの存在が、これからの活動を変えていく転機になったのでは?とも思います。もちろん、得手不得手もありますが、想いを持ってしっかり勉強し努力をすることで、きっとカバーできます。伝える事、目新しい事ではないけれど、実際、続けていく事は難しいです。良い環境があるからこそ、これまでの時を経て、TGRもしっかり伝える事をする時が来たのかなと。

平昌オリンピックを見ながら、若者の秘めたるチカラには、努力が伴えば可能性に限りがないと感じておりますので、モータースポーツ業界も、ますます頑張って行って欲しいです! 若さがうらやましいというのが、オチとなってしまいましたが、来季のGAZOO LADYの活躍に期待しています。そして、一年間お疲れさまでした!

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road