「地方版図柄入りナンバー」の人気No.1は!?

近年、浸透しつつある「地方版図柄入りナンバープレート」。これまでに約22万3000件(令和3年3月末現在)の申し込みがあったそうです。地域によって発行数や普及率に差があることを踏まえ、申請件数ベスト10、普及率ベスト10をそれぞれ紹介します!

個性豊かなデザインが話題に! 「地方版図柄入りナンバー」

ラグビーワールドカップ、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様の図柄ナンバーが平成29年に導入され、従来の無地デザインとは一線を画すユニークなナンバープレートに興味を持った方も多いのではないでしょうか。

それに続いて登場したのが「地方版図柄入りナンバー」。日本国内58地域それぞれの特色を表す図柄を描いたデザインで、平成30年より導入されました。図柄を入れることにより地域振興を目的としながらも、ナンバープレート本来の機能を損なわないような工夫もされています。

また、デザインは地域ごとにひとつですが、1000円以上の寄付を行うとフルカラー版またはモノトーン版の図柄が選択でき、寄付金なしの場合はモノトーン版の図柄に。寄付金は対象地域の交通改善や、観光振興などに活用されるのだそうです。カラフルなナンバーが手に入るだけでなく、寄付金が地域の役に立つのはおトク感がありますよね。

地方版図柄入りナンバー申請件数ベスト10

人気のある地方版図柄入りナンバーは、どの地域のどのようなデザインなのでしょうか。令和3年11月末時点の地方版図柄入りナンバープレート申請件数で、全国ベスト10に入ったものを紹介します。

■第10位 京都・・・8,545件

工芸品の表面に施されているような花紋様をベースに、観光地として有名な「天橋立」と「五重塔」を表現。寒色のグラデーションも京都らしさを演出しています。

■第9位 滋賀・・・8,691件

滋賀県といえば琵琶湖! 雄大な湖面がプレートいっぱいに広がっています。右上部には『Mother Lake』と書かれた湖のシルエットも。まさに、ご当地感満載です。

■第8位 富士山(静岡県)・・・9,096件

高くそびえる富士山の麓に、カラフルな花のたくさん咲いた田園風景。同じ富士山ナンバーでも山梨県のそれとは対照的な、ポップな図柄が特徴です。

■第7位 鹿児島・・・9,322件

観光名所の「桜島」がプレートの中央に堂々と描かれています。もくもくと上る噴煙からは活発な火山活動が伺え、他県と被らない個性が表れていますね。

■第6位 仙台・・・10,036件

プレート左側に「伊達政宗公」、右側に「仙台七夕まつり」の飾り、中央には仙台市のマークが据えられ、ひと目で仙台の特色が伝わります。

■第5位 つくば・・・10,064件

「筑波山」のシルエットと焼けた空のグラデーションだけで表現されたシンプルなデザインながら、ほかの地域とはひと味違った魅力を放ちます。白地の部分がないのはめずらしいです。

■第4位 奈良・・・12,201件

桜の花と紅葉で華やかに全体を彩ったなかに、観光名所の東大寺とシカを配置。一枚のプレートから季節の移ろいを感じられる図柄です。

■第3位 愛媛・・・13,293件

愛媛県の特産品であるみかんをモチーフにしたゆるキャラ「みきゃん」が顔を覗かせ、可愛らしさが目を引きます。和風の波模様もポイント。

■第2位 福山・・・16,520件

プロ野球ファンにはたまらない「広島東洋カープ」の図柄を採用。プレート右上に描かれたカープのマスコットキャラクター「カープ坊や」が、球団のロゴ入りボールを投げている構図です。

■第1位 熊本・・・29,445件

2位の倍近い申請件数で堂々の1位を飾ったのは熊本県。全国的にも有名なゆるキャラの「くまモン」のシルエットがナンバーの中央をくり抜くように描かれ、右上からはくまモンが顔を出しています。全体的に模様を敷いていながらも、視認性が損なわれていないところが秀逸です。

地方版図柄入りナンバー普及率ベスト10

地方版図柄入りナンバーが占める割合で算出される普及率別では、申請件数ベスト10とは顔ぶれががらっと変わります。令和3年9月末時点の普及率をもとにご紹介します。

■第10位 苫小牧・・・1.66%

国指定鳥獣保護区特別地区、ラムサール条約登録湿地などに登録されている「ウトナイ湖」と、アイスホッケーが盛んな街であることを表現。パステルカラーの淡い色使いが可愛らしいです。

第9位は申請件数部門で第8位に入った「富士山(静岡県)」で、1.68%。第8位は申請部門第1位の「熊本」が1.79%となりました。

■第7位 江東・・・2.10%

令和2年5月より交付が開始された江東ナンバー。その図柄には、ダイナミックに描かれた「東京ゲートブリッジ」が採用されています。

第6位には、申請件数部門で第2位に入った「福山」が2.22%でランクインしています。

■第5位 出雲・・・2.36%

日本神話のひとつとして有名な「八岐大蛇(やまたのおろち)」。その舞台となったことにちなんで、躍動感あふれる八岐大蛇がプレートから飛びでんばかりに描かれています。

■第4位 松戸・・・2.55%

観光名所の「常盤平さくら通りの桜」、「本土寺のあじさい」、そして「矢切の渡し」をモチーフにした色彩豊かで情緒あふれるデザインが魅力です。

■第3位 弘前・・・2.57%

お花見スポットとして有名な「弘前城」のお堀に、満開の桜があふれる様子が表現されています。プレート左側に描かれているのは青森県最高峰であり、日本百名山にも選ばれている「岩木山」。

■第2位 富士山(山梨県)・・・2.68%

葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」のひとつをアレンジした、赤富士が目を引く和風の図柄です。静岡県側の富士山図柄とはまた違った風情がありますね。

■第1位 飛鳥・・・4.09%

飛鳥を象徴する「朱雀」の羽ばたく様子が暖色で描かれています。「この地域が朱雀のように飛躍するように」との願いを込めてデザインされたのだとか。普及率部門で1位となるだけあって、貫禄のある図柄が印象的です。

圏外だけど個性的な地方版図柄入りナンバーがまだまだたくさん!

■上越

上越地域ゆかりの武将「上杉謙信」と上越市の「桜」、糸魚川市の「石の海岸とひすい」、妙高市の「妙高山」を一枚のプレートにぎゅっと詰め込んだ図柄です。上杉謙信の像がリアルなタッチで描かれているのも個性が光るポイント。

■平泉

世界文化遺産に指定された「平泉」を、「泉・平和・模様」の3軸からなるコンセプトで表現したデザイン。模様部分は中尊寺金色堂の内装がイメージされているのだそう。実際の名所をそのまま描くのではなく、概念的に表現しているのが趣深いです。

無地のナンバーに比べると、地方版図柄入りナンバーを見かける機会はさほど多くありませんが、街なかで探してみるだけでも遊びとして楽しめるかもしれません。見かけた図柄から、その地域の名所や特産を知るきっかけにもなり、なじみのない地域にも親しみを持つことができそうです。

<参考リンク>
国土交通省

(文:吉田奈苗 写真:国土交通省 編集:奥村みよ+ノオト)

[ガズー編集部]

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