ペーパードライバー克服! 子育てにクルマが必要なワケ

「運転免許証を身分証明書としてしか使っていない」、「免許を持っているのに、きちんと運転できる人と一緒でないと遠出できない」など、せっかく運転免許を取得したのにペーパードライバー化しているせいで、生かしきれていなかったり、行動が制限されたりする生活に悩みを抱えていませんか?

今回は、子育てにおいてクルマが必要になるシーンや、ペーパードライバーの克服方法を解説するとともに、ペーパードライバーを克服して生活が快適になったママのリアルな体験談を紹介します。

子育てでクルマが必要になるのはどんなとき?

子どもが高熱を出して病院へ連れて行く場面や、悪天候での送り迎えなど「クルマで移動できたらなあ……」と思うことが増えるのが、子育て期。そこで、子育て中にクルマが必要になるシーンをピックアップしてみました。

子どもの急病や通院

急にぐったりしたと思ったら高熱なんてこともしばしば。子どもの怪我や病気はいつ起きるか予測不可能だからこそ、クルマがあれば時間や天候を気にすることなく、すぐに病院まで連れて行くことができます。

塾や習い事への送迎

悪天候でもスムーズに子どもの送り迎えができることがクルマのメリットです。自分のスケジュールに合わせて移動できるので、時間を有効に使うこともできます。クルマで移動できれば、雨に濡れながら歩いたり、カッパを着たりする煩わしさもありません。

買い物

子どもと一緒の買い物は必要以上に労力がかかります。できたら買い物に行く頻度は減らしたいもの。クルマがあると、水や日用品などを安い時にまとめ買いすることもでき、自転車のカゴにおさまりきる量かどうかを心配する必要もありません。おむつ替えや授乳もさっとクルマの中で済ませることができるのも便利です。

災害時の避難

地震が頻発する日本では、災害はいつ起きるかわかりません。公共交通機関に頼らずに県外まで避難せざるを得ない場合でも、クルマがあると安心です。また、「車中避難所」として周りの目を気にせずに避難生活を送ることもできるので、災害が起きた時こそクルマが役立ちます。

※車中泊によるエコノミークラス症候群や一酸化炭素中毒などにはご注意ください

子どもの人数が増えるとき

子どもが2人以上いると、移動に便利なのは断然クルマです。自転車に荷物や子どもを前と後ろに乗せての移動はバランスを崩しやすく転倒につながることも。一方、クルマは子どもの好きな音楽を聞いたり、DVDを見たりして楽しみながら移動できます。旅行などで遠出するときも、家族の人数が多くなればなるほど、公共交通機関を使うよりもクルマで移動したほうがお得です。

旅行やアウトドア

キャンプや遊び道具を一式積んで話題のスポットや公園などにも気軽にお出かけができます。遊んだ後、疲れてクルマで寝てしまっても大丈夫。寝かせながら家まで帰ることができるので、子どもの体力を気にしながら遊ばせる必要もありません。天候や距離を気にすることなく長距離移動ができるため、子どもとの楽しい思い出作りにフットワークが軽くなるでしょう。

コロナ禍での移動

新型コロナウイルス感染症の影響で、お出かけする頻度が減っていますが、自家用車であれば知らない人との接触を避けて移動することできます。コロナ禍だけでなく、泣いても騒いでも、他人に迷惑をかけずに済むので、パパやママの精神的な負担が軽減されます。

運転できるようになりたい! ペーパードライバーを克服する方法とは?

ペーパードライバーを克服するためには、教習所のペーパードライバー講習を受ける、夫(パートきるナー)や運転できる人に助手席に乗ってもらい練習をする、YouTubeの動画を見てイメトレ(自主練習)するなど、さまざまな方法があります。子育てママにおすすめの克服法をメリット・デメリット別に3つ紹介します。

(方法1) ドライビングスクールのペーパードライバー講習を受ける

教習所のクルマで教官と一緒に練習できるので、クルマをぶつけてしまう心配もいりません。教習中に子どもの預け先がない方は、託児付きの教習所に通うのがおすすめ。講習の時間や場所は教習所が設定するプランから選択できます。

費用の相場は、2時限16,500円~20,000円、4時限で35,000~40,000円のようです。

*参考:https://www.toyota-dst.co.jp/training/paper/
*教習所によって教習時間の設定が異なります

≪メリット≫

  • マイカーを持っていなくても講習が受けられる。
  • 託児をお願いできる。
  • 危険を避けた練習ができる。

 

≪デメリット≫

  • 費用がかかる。
  • 通うのが面倒。
  • 予約が取りにくいこともある。

 

(方法2) 出張レッスンを受ける

マイカーを使い、自宅付近の道路や車庫入れ、生活に密着した場所で運転を練習したい方は、出張型のプライベートレッスンがおすすめ。練習するクルマに補助ブレーキを装着するため、事故のリスクを減らすことができます。出張レッスンの場合、子どもを同乗させたままレッスンができるのでお子さんの預け先を心配する必要もなく、実際の状況を想定した練習ができます。

出張レッスンの相場は、1日2時間、3日~4日間のレッスンで60,000円前後のようです。

≪メリット≫

  • マイカーで練習できる。
  • 練習する場所を指定できる。
  • 自分のスケジュールに合わせてレッスンができる。
  • 子どもと一緒にレッスンが受けられる。

 

≪デメリット≫

  • 費用が高い。

 

(方法3) 運転できる人に付き添ってもらい練習する

パートナーや家族に付き添ってもらい練習をする方法は、費用をかけずに克服したい方には向いていますが、教える人が運転技術を教えるプロではない場合、双方がイライラしてしまう原因にも。補助ブレーキもないため、慣れていない状態での運転は、事故のリスクも上がってしまいます。

特に運転ブランクの長い方は、道路での練習を始める前に、運転教本やYouTubeでクルマの操作方法や道路標識・運転のポイントを事前に確認しておくとよいかもしれません。運転の基本事項をおさえ、自分のペースで実践を積み重ねていくことで、運転への自信を取り戻していきましょう。

≪メリット≫

  • 費用がかからない。
  • 自分の好きな時に好きな場所で練習できる。

 

≪デメリット≫

  • 練習に付き添う人がパートナーの場合、喧嘩に発展することもある。
  • 運転できるようになるまでに時間がかかる。

 

短期間で確実に運転できるようになりたいのか、自分のペースでコストをかけずに克服したいのか、まずはご自身の希望やライフスタイルに合う方法を検討してみてください。

「運転なんて無理……」と思っていたママのペーパードライバー克服体験談

運転を練習したいと思ってはいても子育て中はハードルが高く感じられるものです。筆者も4年前にペーパードライバーを克服した一人。約10年ハンドルを握ることがなかったのに、あることがきっかけで克服することになりました。その時のリアルな体験談をお話します。

体験談1 出張レッスンで克服

田村恵美さん
居住地:東京都在住
家族構成:夫、息子(1年生)の3人家族
ペーパードライバー歴13年
車種:ホンダ フリード
運転頻度:週5


ペーパードライバー克服のきっかけを教えてください

免許を取得してから13年、一度も運転することなくゴールド免許を更新し続けていました。克服しようと思ったきっかけは、息子が園バスのない幼稚園への入園が決まったことです。当時3歳の息子と、片道1時間弱かけてバスと徒歩で毎日通園するのは、体力的にも精神的にも厳しそうだったので、入園を機に運転できるようになりたいと思ったからです。

どうやってペーパードライバーを克服しましたか?

教習所に通い直すことも考えましたが、子どもと一緒に遠くの教習所まで通うのは現実的ではないと断念。調べる中で、自宅までインストラクターが来てくれ、マイカーで練習できる出張レッスンのプランが目に留まりました。レッスンの間は、両親に上京してもらい子どもの面倒をみてもらうことに。1日2時間、3日間で完結する出張レッスンを受講することに決めました。

レッスンでは、スタート前に補助ブレーキを装着。この補助ブレーキの存在が「万が一のときでも大丈夫」と心のお守りになりました。13年ぶりの運転は、インストラクターに失笑されるほど「できない」「怖い」を連発。「本当に危ない時は私が対応しますので大丈夫です!思い切ってください」とのインストラクターの心強い言葉に励まされたのを覚えています。

レッスン2日目からは運転の感覚もだいぶ掴めるように! 「運転に対する先入観や恐怖」を取り除くことに苦労しましたが「滑らかなブレーキですね」「今のいい感じですよ~」のインストラクターの前向きな言葉が自信につながりました。3日目のレッスンの最後には「こんなに運転の上手な人見たことありません」と最上級の褒め言葉をいただきました(笑)。

実際にどんなレッスンをしたのですか?

出張レッスンでは、練習するルートを自由に決められます。ですから、「生活道路を使った実践練習」を、こちらの優先順位で教えてもらいました。
1位  自宅⇔幼稚園
2位  自宅⇔よく行くスーパー(駐車も含む)
3位  自宅の車庫入れ

練習する場所を自分で決められる出張レッスンはとても良かったです。特に自宅の車庫入れは、ハンドルを切るタイミングやバックの加減など、具体物を目印に教えていただいたので、あっという間にできるように! 自分でも驚きました。

レッスンを受けてみていかがでしたか?

指導のプロの効果を実感しました。すぐに一人で運転できるようになりました。

レッスンを受ける前は「運転は苦手」と勝手に思い込んでいましたが、優しいインストラクターが些細なことでも褒めてくださったおかげで、運転への恐怖心が嘘のように消えました。幼稚園や習い事の送迎はもちろん、買い物など夫に運転をお願いしなくても、自由に出かけられるようになったことで毎日の生活がよりハッピーに。

レッスン翌日から、一人で運転できるようになった私の変化に家族も驚いていました。出張レッスンから4年経過した今では、私の運転でキャンプに出かけられるまでに成長。約6万円の講習費用でしたが、お値段以上の効果が得られたと感じています。

 

体験談2 夫に教えてもらい克服

続いては、パートナーの付き添い練習でペーパードライバーを克服したママの体験談です。克服のきっかけや当時のエピソードを聞きました。

越山リサさん
居住地:広島県在住
家族構成:夫、娘(1年生と2歳)の4人家族
ペーパードライバー歴 10年
車種:ミニワン
運転頻度:毎日


ペーパードライバーを克服しようと思ったきっかけは何ですか?

最寄りの駅までクルマで50分という山の中に引っ越したことでクルマがないと生活できない状況になりました。買い物や長女の保育園の送り迎えも必要になり、やむを得ず決意したという感じです。

どうやって克服しましたか? 克服するのに苦労した点は?

自宅周辺の道路を毎日運転しました。自然豊かな山の中に住んでいたので、練習にはもってこいの場所です。ただ、山道なので、大きなカーブやヘアピンカーブ、狭い道などもあり、最初の頃は恐怖心があって……。一人では運転できず、夫に助手席に乗ってもらいました。

夫はその都度アドバイスしてくれるのですが、こっちは運転しているだけで精一杯です。自分で頼んで横に乗ってもらっているのに「うるさいな〜」「そんなこと言われても無理……」とイライラ。時には口に出して八つ当たりもしていました(笑)。

八つ当たりされたご主人の反応は?

私が感情的になっても夫は常に冷静でした。「危ないから言っているんだけど、聞きたくないなら別にいいよ。その代わり事故起こしても知らないよ」と言っていました。この言葉は運転できるようになった今でも言われていますが(笑)。

どのルートや場所で練習しましたか?

実際は、練習というよりほぼ実践です。一番近くのスーパーまでクルマで30分。週に数回ほどスーパーと自宅の往復、家から15分ほどの距離にある保育園の送り迎えを毎日しているうちに、できるようになった感じです。駐車するだけでもドキドキでしたが、夫にコツを教えてもらいながら、少しずつ勘を取り戻していきました。

運転できるようになったことでどのような変化がありましたか?

自由に行きたいところに行けるようになり、行動範囲が広くなりました。教習所に通っていた頃、仮免許取得までに5回落ちた苦い経験があり、免許取得後も正直運転はしたくないと思っていたんです。でも、運転に慣れてくると、自分の好きな時に色々な場所へ出かけられるようになったので、フットワークも自然と軽くなりました。自分にもできる! と自信にもつながったというか。

運転中は一人になることもできて、リフレッシュになります。これまではクルマに乗る時は誰かと一緒だったので、ドライブがストレス解消になるなんて目から鱗でした。

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子育てや介護など、あらゆるシーンで大活躍してくれる便利なクルマ。「運転に対する自信」と「運転の感覚」を取り戻した先には、自由で快適なカーライフが待っていることでしょう。

(文:田村恵美 編集:奥村みよ+ノオト 写真素材:PIXTA)

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