2024 WRC 第5戦 ラリー・ポルトガル レポート

  • セバスチャン・オジエ

目次

1.スケジュール
2.チーム&ドライバーズ / コ・ドライバーズ
3.ランキング
マニュファクチャラーズランキング
ドライバーズランキング
4.レース 結果&レポート
・第1戦 ラリー・モンテカルロ 結果 レポート
・第2戦 ラリー・スウェーデン 結果 レポート
・第3戦 サファリ・ラリー・ケニア 結果 レポート
・第4戦 クロアチア・ラリー 結果 レポート
・第5戦 ラリー・ポルトガル 結果 レポート
5.WRCとは

第5戦 ラリー・ポルトガル レポート

ラリー・ポルトガルは、ラリーカーのグラベルコースでの真のパフォーマンスを見極めるのに適したラリーといわれ、ポルトガルの未舗装路は砂がちで柔らかいセクションもあるが、全体としては比較的しっかりとした路面であり、選手たちはクルマのポテンシャルをフルに発揮させやすい。また、タイヤ選択が勝負に大きな影響を与えるラリーともなる。

DAY1
ポルトガル北部のフィゲイラ・ダ・フォスで、午後7時過ぎから全長2.94kmのターマックコースとなるスーパーSSがSS1として行われ、オジエが2番手タイムを記録。勝田が3番手タイムをタナックと分け合い総合4位に、ロバンペラは5番手タイム、エバンスは8番手タイムでステージを走り終えた。

DAY2
この日よりグラベルステージでの本格的な戦いがスタート。前日の夜にスーパーSSが行なわれたフィゲイラ・ダ・フォスの町を起点に、距離126.90km合計8本のステージが行われた。
タイヤについて、午前中は前夜のスーパーSSと同じセットで4本のステージを走行。その後、タイヤフィッティングゾーンで午後のステージに向けて新たにタイヤを選択し、簡易的なサービスを経て午後は4本のステージを再走することとなる。
天気は朝から良く、気温は日中28度前後まで上昇し路面は全体的にドライ。しかし、森の中の道は一部湿っており、非常に滑りやすいコンディションの中、ロバンペラが首位に立ち、オジエが僅か1秒差で総合2位に、勝田がオジエと3.7秒差で総合3位になり、TOYOTA GAZOO Racing WRTは1-2-3体制を築き、デイ2を締めくくった。

DAY3
北部の大都市であるポルト近郊のマトジニョスのサービスパークを中心に、4本のステージを各2回走行し、最後にロウサダでスーパーSSを走行する計9本のステージの距離は145.02kmと、4日間で最長となる。
朝は雲が多く気温も比較的低い状態であったが、ステージのグラベル路面は全体的にドライ。砂に覆われた軟らかい路面もあれば、岩盤が露出した硬い路面もあり、深い轍が刻まれたセクションもあるなど、路面変化の大きい厳しいコンディションでの戦いとなった。
ロバンペラは、SS11でコーナリングラインがワイドになり木の切り株に当たって横転。勝田もSS12でクルマを土手に当て、リヤサスペンションにダメージを負い、ロバンペラと勝田は、デイリタイアを喫することになった。
オジエは、各ドライバーが路面コンディションへの苦労を言葉にしている中、SS11、SS13、SS17、また今大会最長となる37.24kmのSS16「アマランテ2」のステージでベストタイムを記録し、総合2位のタナックに11.9秒差をつけ優勝に大きく近づいた。

DAY4
ポルト近郊マトジニョスのサービスパークを起点に、2本のステージを途中にサービスを挟むことなく各2回走行。合計4本のステージの距離は62.18kmとなる。
この日ポルトガル北部の空は雲が多く、ステージの一部は濃い霧に覆われるなど、視界があまり良くない中で戦いがスタート。
オジエは、霧に覆われたデイ4オープニングのSS19でベストタイムを記録。続くSS20では3番手タイム、SS21では4番手タイム、最終ステージのSS22を4番手タイムで走り抜き、前戦クロアチア・ラリーに続く今シーズン2勝目を獲得し、開幕戦ラリー・モンテカルロでの総合2位を含め、今季出場した3戦全てで表彰台に登壇することとなった。
エバンスは、この日スーパーサンデーでのポイント獲得を目標にしていたが、SS21でクルマの冷却系にダメージを負い、リエゾンで修理し最終ステージを走行。結果総合6位の座を守り切り、貴重な選手権ポイントを獲得した。
デイ3でデイリタイアを喫した勝田とロバンペラは再出走を果たし、勝田はスーパーサンデー5位、ロバンペラはスーパーサンデー6位でポイントを獲得。さらに、ボーナスの選手権ポイントを獲得可能な最終SSの「パワーステージ」では、ロバンペラが3番手タイム、勝田が5番手タイムで両者ともポイントを獲得し、レースを終えた。

MORIZO on the Road