68年に設立されたダットンは、英国に多い組み立てキットカーメーカーの中で最も成功したもののひとつであり、70年代を通して数多くのモデルをリリースした。その成功の要因は、ロータス・セブン・スタイルの安価なキットカーが存在しないことに着目、それを造りだしたことにある。70年に登場したP1が最初の製品だが、これは鋼管スペースフレームにアルミとFRP混成のボディパネルを被せたオープン2座スポーツで、メカニカルコンポーネンツは、ヒーレー・スプライトMkIから流用していた。72年デビューのBタイプはその発展型で、ほぼ似たような成り立ち。ボディはほとんどFRP製となり、フロントサスペンションはトライアンフ・ヘラルド／スピットファイア用を使用。パワーユニットも同じくヘラルド／スピットファイア用のほか、BMC、英国フォードからアルファ・ロメオまで多くのエンジンが搭載可能だった。74年にはBプラスが登場したが、これはより大きなパワーユニットを積めるよう、より強固なフレームとやや大柄なボディを持つ。続いて75年にはBプラスのボディバリエーションであるマラガをリリース、76年にはクーペボディのキャンテラも追加された。ダットンの各モデルは、軽量な車体を利した優れたハンドリングがセールスポイントで、P1は9台と少なかったものの、Bタイプが241台、Bプラス／マラガは合わせて450台余りが世に送り出されている。

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