飽きっぽい性格の僕が熱中したマツダ RX-7への「愛車愛」そして「特別感」
22年前のクルマであるRX-7と、デミオ(13Sノーブルクリムゾン)の2台を所有している「ジンさん」。今では珍しいスポーティな愛車に対する熱き思い。「飽きっぽい性格」にもかかわらず「RX-7に一生乗りたい」と語るジンさんのお話をお届けします。
――ジンさんのインスタグラムには数台のクルマが写っていますが、クルマは何台お持ちなのでしょうか?
今はマツダのRX-7とデミオを所有しています。RX-7は22年前に生産されたもので、社会人1年目だった3年前に購入しました。
最初は父親が買ってくれたRX-8に乗っていて、スポーティなクルマが好きになったのですが、そこからクルマに興味が出てRX-7を好きになり、思い切って買い替えました。購入時の走行距離は7万キロでした。
このRX-7をとても気に入っていて、休日は早起きして愛車との時間を満喫しています。これから先も長く乗りたいという気持ちが強く、また事故のリスクを回避したいため普段乗りはデミオにしています。
――RX-7はどのように購入されたのでしょうか?
同じRX-7が数台置いてあった愛知県の中古車店で買いました。一番キレイだったのでほかのクルマより高かったのですが、せっかく買うなら見た目がキレイなほうがいい、と無理して買いました(笑)。
3年前の購入時は約500万円でしたが、今は当時よりさらに価格が上がっているようです。
当時はクルマを作る安全基準や環境基準が今より厳しくなかったため、デザインの自由度や操る楽しさによる魅力のあるクルマが多かったのですが、現在は基準が厳しくなって思い通りに作れないなどの理由から人気が高くなり、当時より高くなっているようです。
最近はファミリータイプが多く、スポーティなクルマが減った要因でもあるようですね。
――RX-7でいろいろな場所をドライブされ、愛車の撮影もされていますね
私は山梨に住んでいるため、箱根や富士山など写真映えする近場で撮影をしており、遠出は年に1回くらいです。遠出をすると事故の可能性も増えるので、日ごろはドライブというよりメンテナンスのつもりで、軽く動かし、そのついでに写真を撮る、という感覚です。追突をされてしまうと、交換部品が手に入らない場合もありますから。
3年前に購入した際、傷がついている部分を換えたいと思い、ディーラーに交換の相談をしたのですが「今は製造もしていないし在庫も少ない」と言われ、「大事に乗らなければ」との思いが強くなりました。
――今は少なくなったマニュアル車なのも、楽しさの一つですか?
はい。購入時はBMWのZ4、ポルシェのケイマン、トヨタのスープラなども購入候補でしたが、唯一無二のロータリーエンジンの良さ、FDにしかないデザインのカッコ良さ、そしてマニュアルの楽しさも考えてRX-7にしました。
正直言いますと、マニュアル車の運転は得意ではないのですが、雰囲気を楽しんだり非日常を味わったりできて、日々の生活も楽しくなっていきました。
ギアを変えてアクセルを踏むとスピードが上がっていく、という楽しさも、今のオートマ車では味わえないです。
また、この年代の車は、値段がどんどん上がりますし、型落ちになって値段が下がりやすい車より、似た車が二度と作られないため値段が下がりにくいという点も魅力の一つでした。
――ジンさんはインスタグラムに「飽きっぽい性格なのに、このクルマからは心が離れる気がしない」と書かれています。
僕はクルマ以外に洋服やゲームに興味があるのですが、それまで好きだったジャンルと違う洋服を着ても飽きてしまい、ゲームも最初数回やって「もういいや」となってしまうんです。
でもRX-7だけは「いつまでも乗っていたい」との気持ちが変わりません。社会人になってから苦楽を共にしてきたこの車はまさに宝物です。
普段、職場にはデミオで通勤していますが、たまにRX-7で行くと「普段とは全然違うね」「愛車って生きる糧だよね」などと言われたりします。
――ジンさんのインスタグラムには、赤いオープンカーも掲載されていますね
これは母親のクルマです。母も僕と同じく2台持ちで、トヨタMR-Sとダイハツミラココアを所有しています。母もMR-Sにはあまり乗らないので、「たまに乗って」と言われるので、このクルマでもドライブを楽しんでいます。
MR-Sで長野県のビーナスラインをドライブしたとき、今度はRX-7で来てみたい、と思いました。
――2台持ちではなく3台持ち、いや4台持ちですね(笑)。複数台を所持するって、何が違いますか?
普段は乗らないRX-7に乗る際に「特別感」みたいな感覚を得られます。普段の通勤車であるデミオは乗りやすく、人を乗せる際も気を遣いません。通勤時はデミオに乗り、遊ぶ際にはRX-7という乗り分けをするのも、楽しみの一つです。
複数の友人を乗せてドライブする際は、4人乗りでもRX-7は後部座席が狭くて小さいので、デミオにしています。RX-7を好きな人が「拷問シート」と呼ぶ通り、体育座りじゃないと座れないです(笑)。
インスタを通じて知り合った方々から「一緒にドライブしようよ」と誘われることもありますが、遠くを走らせるのはやや不安がありますので、RX-7ではつるんで走ったことはないです。
――インスタにあげられているRX-7は、22年前のクルマとは思えないくらいキレイですが、オールペンなどされたのですか?
洗車をしているとき、おじさまから「この色って塗り直しているの?」と聞かれたこともありましたが、当時(22年前)のままの色です。
購入した中古車店で話を聞くと、僕の前に2人ほど乗っていたらしいのですが、前の2人の方がガレージに保管しており、日光にあてないようにしていたそうです。僕も陽にあてないようガレージ保管をしています。
マツダのディーラースタッフさんが「ガレージ保管と陽にあたる保管では、色のくすみ具合がまるで違う」とおっしゃっていました。
今では貴重なコンディション良好なRX-7を大切に所有しているジンさん。お話をうかがっていてジンさん愛車への愛が伝わり、取材ではありながらも楽しい時間を過ごせたように感じました。
【Instagram】
ジンさん
【X】
ジンさん
(文・小川隆行)
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