トヨタ ノア/ヴォクシー 徹底ガイド 運転席まわりのデザインと機能、先進運転支援システムを解説

  • 4代目ノア/ヴォクシー (R90W) インパネ

8年ぶりのフルモデルチェンジで、すべてが新しくなった「トヨタノアヴォクシー」。この項では運転席まわりのデザインや機能装備、そして先代モデルで最大の弱点とされていた先進運転支援システム(ADAS)について解説する。

ディスプレイオーディオを全車標準装備

新型ノア/ヴォクシーのキャビンは「ENERGETIC ATRIUM(エナジェティックアトリウム)」がコンセプト。運転席空間も、ブラックアウトした細幅フロントピラーや低くワイドなインパネによって、視界性能や開放感を先代より大幅に高めている。ただ、同時にリア席からの見晴らしにも配慮しているというのがミニバンらしい。

インテリアの質感向上も明らかだ。インパネは金属フレームにソフト素材を巻きつけたデザインテーマで、実際、上級グレードではダッシュボードやドアトリムの一部に柔らかいレザークッション素材があしらわれる。8インチのディスプレイオーディオ(オプションで10.5インチも用意)が全車標準装備なので、スマートフォンを接続すればそのままナビも使える。

  • 4代目ノア/ヴォクシー (R90W) ディスプレイ

2タイプの収納スペースをつくり分ける

収納スペースの充実ぶりも特筆すべきだ。しかも、単純に数や容量だけでなく、「魅せるユーティリティ」をキーワードに、物を入れることでサマになる“オープン収納”と、隠したい“クローズ収納”とで丁寧につくり分けているのが興味深い。例えば助手席前には伝統的なグローブボックスに加えて、中段にオープントレイが、そして上段にフタつきのアッパーボックスが配される。中段のオープントレイは、位置や深さなどがボックスティッシュにも好適なサイズとなっている。

  • 4代目ノア/ヴォクシー (R90W) インパネとダッシュボード

トヨタの最新の先進運転支援システム(ADAS)を惜しみなく投入

先代ノア/ヴォクシーで最大の弱点は、ADASがライバルに対して不足していたことだった。これは2014年1月という先代ノア/ヴォクシーの発売時期によるところも大きい。当時はちょうどADASの本格普及前夜ともいうべき時期で、ある意味仕方ないともいえた。トヨタが「トヨタセーフティセンス」を打ち出すのは、その翌年の2015年なのである。

新型ノア/ヴォクシーはそんな先代のイメージを根本から覆すべく、現時点で最新のトヨタのADAS技術をまさにフル投入している。2022年3月現在、これよりADASが充実したトヨタ車は国内には存在せず、レクサスにまで視野を広げても、比肩できるのは2021年11月発売の「NX」くらいしかない。

  • 4代目ノア/ヴォクシー (R90W)  メータ

スマートフォン操作による駐車もできる

これ以前のトヨタセーフティセンスと比較して、新型ノア/ヴォクシーで注目すべき新機能は大きく2つある。ひとつは「プロアクティブドライビングアシスト」で、前走車や割り込み車、そして前方のカーブなどを検知して、特別に警告することなくブレーキやステアリングでさりげなく介助する機能だ。もうひとつが「発進遅れ告知機能」である。といっても、渋滞や信号待ちなどで前走車が離れていった時に警告する機能はすでにあった。しかし、新型ノア/ヴォクシーではカメラで前方の信号も監視しており、青信号に気づかないままでいると、前走車の有無にかかわらず「信号が青になりました」と教えてくれる。

さらには、オプションの「アドバンストパーク」ではハイブリッド車に「リモート機能」を追加。車外からのスマートフォンの操作による駐車も可能で、ドアも開けられないようなギリギリのガレージにも止められる。同じく「パノラミックビューモニター」には最新鋭の床下表示機能も付くし、「ブラインドスポットモニター」には停車時のドアオープン時に後方から近づいてくるクルマや自転車を検知して警告する新機能「安心降車アシスト」も追加された。

※掲載内容は2022年4月時点

[GAZOO編集部]

MORIZO on the Road