クルマ好き青年の念願の初愛車はフィットRS! ドラテク向上と快適性を両立するカスタムでサーキットにもデビュー!

  • ホンダのフィットRS

「両親がクルマ好きだったのもあって、ミニカーも色々と買ってもらったし、身の回りにはクルマ雑誌がたくさんある環境で育ったせいか、自分も絵に描いたようなクルマ好きな子供だったと思います」

親といっしょにクルマに乗っているときなど、街中を走っているクルマの車種を答えられるような子供だったという『とみー』さん。中学生になるとドリフト大会の『D1グランプリ』をビデオで観戦したり、オプションやドリフト天国といったチューニング専門誌を購読しはじめ、いわゆる『走り屋予備軍』と呼ばれるような少年時代を過ごしてきたという。

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「そのまま、18才になったらすぐに免許を取って買ったクルマをチューニングするようになるんだろうなあ…と当時は考えていたんです。でも、田舎に住んでいたので高校の通学用に原付バイクを買ったのをキッカケに、バイクに乗って過ごすようになりました」

ちなみに、高校1年生のころに両親から通学のためにと初めて買ってもらったバイクはヤマハのジョグZR。通学のためのスクーターとはいえ、ベースのジョグにサスペンションやデザインなどに変更を加えられたスポーツモデルのジョグZRを選んだのは、やはりスポーツカーに憧れを抱いていた影響が大きかったと振り返る。

高校卒業後の浪人時代も『志望大学に入るまでクルマは我慢!』とバイク生活を続けていたものの、50ccの運転に苦労を覚えるようになり、20才のときにヤマハの125ccのスポーツスクーターであるシグナスXへ乗り換えたという。

「さらに1年後の21才のころには憧れだった空冷ネイキッドのヤマハXJR400を買いました。今までのスクーターと違って速いしハンドリングも良くて、とても楽しめた1台でしたね。まあ、ちょっと日常使いには不便だったので、スクーターのほうが乗ることが多かったんですけど(笑)」

こうして思いのほか長くバイク生活を楽しむことになったものの、23才で念願の大学進学を果たしたことで、それまでずっと我慢を続けていた愛車生活のスタートラインに立ったとみーさん。
実はバイクの購入に充てた資金は志望大学へ入ったら中古車を買おうと高校生のころからアルバイトでためた貯金だったということもあり、まずは愛車購入資金を捻出するためにXJR400を売却。そこから初めての愛車を購入するまでの経緯はこうだった。

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「マニュアルは絶対条件でしたね。高校生の頃は、ドラテクが磨けて価格も安価なマツダのNBロードスターが欲しいと思っていました。でも、実際に購入を検討し始めてみると、2名乗車だとクルマに乗って出かける楽しみの幅が狭くなってしまうかなと思い、コンパクトだけど後ろにも人が乗れて荷物を積めるクルマがいいなと考えるようになりました」と、とみーさん。

「理想を言えばスイフトスポーツが一番だったんです。だけど、憧れていたロードスターじゃないならそこまでスポーツカーにこだわる必要はないと思って、近所で行ける範囲にある中古車の情報をインターネットで探し始めました。そして、ヴィッツRSやデミオスポルトなど良さそうだなと思える情報をいくつか見つけた中で、特に気になったのがこの1台だったんです」

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それがこの2008年式ホンダフィットRS(GE8型)。通常モデルが1.3Lエンジンなのに対し、最高出力120psを発揮する1.5Lエンジンを搭載し、専用サスペンションや5速マニュアルミッションなども装備したスポーティグレードだ。

「当時11年落ちで走行位距離7万5000キロの車体だったんですが、ホンダカーズの認定中古車として販売されていて、実際に見てみると内装のコンディションもバツグンに良いと感じたんです。親から『クルマを買うなら絶対に新車が良い』と言われて育ってきたのもあって、中古車を買っていろいろ苦労するのも通過儀礼のひとつだと思っていたんですが、このフィットならそれもないだろうと思うほどでした」

車検がなく試乗こそできなかったものの、ディーラーお墨付きの認定中古車だったことや、乗り出し価格の安さも決め手となり、即決で購入に至ったという。

実際に愛車生活がスタートすると、室内も広くエアコンなどの快適性もばっちり、友人を乗せて4人でのドライブも楽しめるうえに、車体の軽さに走りの面でも十分だと感じるスペックだったと振り返るとみーさん。

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いっぽうで「4輪の免許を取ったのはクルマを買う1ヶ月前だったんですが、そのときの教習車がMAZDA3だったんです。新型車に乗ったすぐあとにフィットに乗ったものだから、フィットのアクセルレスポンスがとてもダルく感じて。マニュアルでドラテクを磨きたいという思いもあったのに、この電子制御スロットルをどうにかしないとそれどころじゃないと思って対策を始めました」と、そこから1年間、とみーさんが唯一このフィットに感じていたというネガティブな要素を解決するための苦労が始まる。

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最初に試したのが、オークションで購入したフィット用のスロットルコントローラー。これにより、フィーリングは改善したものの満足いくほどではなかったというとみーさん。次に電子スロットルへ送られるアクセルペダルの信号を書き換えるパーツも導入したところ、悩んでいたアクセルレスポンスはほとんど気にならないほどに良くなったという。

「さらにいろいろと情報を調べて、レギュラーガソリン仕様のままECU書き換えができるという東京のビーレーシングというプロショップに持ち込んで書き換えをお願いしました。それで、最初に感じていた“もっさり感”はまったく無くなりました」と結果に大満足の様子。

「ビーレーシングの書き換えメニューはレギュラーからハイオクまで5段階あって、今回はまだ街乗り仕様ということで一番安いメニューだったんですが、いずれはサーキットでタイムを狙える仕様にもしたいので、段階を追ってチューニングしようと考えています」

ほかにも着々と街乗りライトチューンとしてのカスタムを続けてきているとみーさんのフィット。マフラーには価格と性能を両立しているイメージからHKS製のサイレントハイパワーをチョイス。クスコ製の車高調も購入済みで、スキーに出かけるなどレジャーの予定を終えた後に取り付ける予定とのことだった。

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運転席は「オートバックスで座り心地が良かったのと、セミバケよりもホールド性が高いうえに価格が安い」というレカロのRS-Gに交換済み。
シフトノブはシフトレバーのネジピッチから選択肢が狭いというホンダ車の事情から、スポーティかつフィーリングも良さそうなFK7シビックのものを流用している。
一方で、エクステリアはあまりゴテゴテした印象にならないように、余計なことはしないノーマルらしい雰囲気を保つことを心掛けているという。

そして、ミニサーキットのオートランド作手ALT(愛知県作手市)で念願のサーキットデビューも達成!
「ブレーキパッドだけ交換していったんですが、みんな速すぎて焦りまくりでした(笑)」と充実感もたっぷりに、早くも次回は購入してそのままだった車高調を投入してもう一度チャレンジしたいという目標を話してくれた。

愛車としての思い入れはもちろん、理想に近づけるためのカスタムやサーキット走行体験などを重ねてきたことで「フィットに乗っていると、とにかく運転に没入できるんです」と、非日常の楽しみも感じるようになったとみーさん。
最近は日常の移動手段として軽自動車のムーブを手に入れたということもあり、フィットRSは持ち味を最大限に活かした『遊びグルマ』として、さらなる進化を遂げながら乗り続けていくことになりそうだ。

取材協力:大蔵海岸公園

(⽂: 長谷川実路/ 撮影: 稲田浩章)

[GAZOO編集部]

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