2年で5万kmも走行!大人カスタムの3台目のロードスター(ND)は僕の分身
クルマ好きのあいだでは「ND型」でおなじみの現行マツダ ロードスターがデビューしたのは2015年のこと。
仕様変更を繰り返して進化を続けつつも、まったくといっていいほど古さを感じさせないデザイン、1度ドライブしてしまうとクルマから降りたくなくなるドライビングフィール。そのどれもが「これぞロードスター」といえる魅力にあふれています。間違いなく、後世に残る名車として語り継がれていくでしょう。
今回、取材した桃田ハルさんも、2台のユーノスロードスターを乗り継ぎ、ついに現行モデルであるND型ロードスター S Special Packageを新車で購入。しかも、あまりの楽しさに、納車から2年で5万kmを走破してしまうほど大のお気に入りなのだとか。
そんな桃田ハルさんがクルマ好きになったきっかけ、そしてロードスターの魅力とは…?
―― 桃田さんがクルマ好きになったのは何歳頃だったか覚えていますか?
たしか2、3歳の時点でクルマ好きになっていたと思います。いま、アラサーですけれど、それからずっとクルマ好きですね(笑)。
―― かなり早い「目覚め」ではないかと思います(笑)。そんな桃田さんがクルマ好きになった「原体験」について聞かせてください
父がどこからか持ってきたフェラーリF40のポスターを見たことが原体験だと思います。
―― そのポスターのデザイン、もしかしていまでも覚えていますか?
覚えていますよ!大人になってから知ったんですが、フェラーリF40の広報写真と同じ絵柄でしたね。
―― 原体験でもあるフェラーリF40はいまでも憧れの存在なのですか?
実は大人になってから、仕事の関係でフェラーリF40を運転したことがあるんです。当然といえば当然なんですが、おいそれと乗れるクルマではないなぁと思いましたね。
実車に触れてみて、いまでも憧れのクルマ…であることに変わりはありません。ただ、フェラーリF40は、遠くから「いいなぁ」と眺めているくらいの距離感が私にはちょうどいいのかもしれません。
―― フェラーリF40に乗れただけでもうらやましいです(笑)。そんな桃田さんの愛車遍歴を教えてください
人生初の愛車がユーノスロードスターだったんです。その後、RX-7(FD3S型)に乗り替えたんですが、またロードスターが恋しくなり…(苦笑)、もう1度ユーノスロードスターに乗り替えました。そしてこのND型のロードスターです。
―― 初代モデルであるユーノスロードスターから現行ロードスターに乗り替えたきっかけを教えてください
ちょうどいまから10年くらい前に、ロードスター25周年の節目に「新型が発表される」というニュースを聞きつけたことがきっかけです。実車を見てみたら確かにカッコイイ。それからずっと気になっていたんです。
私のロードスターはND型の中では6型になるらしいのですが、マイナーチェンジされる前まで発売されていた軽量モデルである「990S」の存在も大きいですね。990Sもいいなと思っていろいろ調べてみたら、私のモディファイの方向性を考えると、装備の割に安かったSスペシャルパッケージがいいかも…という結論にいたり、乗り替えを決意しました。
契約から納車までは3カ月くらい待ちました。コロナ禍で納期が掛かるといわれていた時期にもかかわらず、割と早く届いた方かなと思っています。
―― 現在の愛車が納車された日のことを覚えていますか?
なにしろ人生で初めて買った新車でしたから忘れもしません。納車日まで友人からクルマを貸してもらっていたのですが、返したその足でタクシーに乗り、懇意のディーラーに向かいました。
そしてディーラーに到着すると、駐車場にポツンと自分のロードスターが置かれていて、フロントガラスの内側に「桃田ハル様 祝納車」と、自分の名前が書かれた紙が置かれていたのが嬉しくもあり、少し恥ずかしかったですね。
―― 桃田さんは趣味でバンド活動をしていらっしゃるとのことですが、愛車をドライブするとき、どんな曲を聴いていますか?
(良い意味で)節操なく色々な音楽を聴きます。クルマの中では、エンジン音にかき消されにくいビートの効いた音楽を聴いていることが多いですね。例えばマイケル・ジャクソンとかビートルズとか。
―― 数々の名曲を聴き込むことでバンド活動にもプラスになることがありそうですね。現在の愛車を手に入れてから、ご自身でモディファイされた箇所を教えてください
クスコの「ストリートゼロA」車高調キット、マフラーはフジツボの「オーソライズR」を選びました。シートは左右ともにマツダスピードのバケットシートを装着しています。レカロシートも考えましたが、私の体格だとシートのサイズが大きいのでマツダスピードを選んでいます。
ホイールはレイズの「TE37 Sonic SL」に,ECUはナイトスポーツ製をセレクト、あとは追加メーター装着などなど・・・です。
現状のモディファイの満足度は80%。あと残りの20%は、購入時に装着するのを迷ったリップスポイラー(ディーラーオプション)をどうするか、それと、現在装着しているものとは別のホイール(ADVANのRZII)を装着してみたいなと思っている点です。
―― ご自身の愛車に関することで、自慢できるポイントをぜひ聞かせてください
6型にしか存在しない「プラチナクオーツメタリック」というボディカラーです。実は一瞬で廃番になりました(笑)。それだけに街中でもあまり見かけることがないので、ちょっとした優越感がありますね。
このボディカラーにあわせて、サイドのデカールを自分でデザインして作りました。いわゆる「ワンオフ」です。デカールのトーンもプラチナクオーツメタリックにあわせているのがこだわりです。
レイズのホイールにも赤い色調のデカールが付属しているのですが、モノトーンの雰囲気を大事にしたかったのであえて貼っていません。
―― このデカール、ワンオフなんですね。自分のロードスターにも貼ってみたいという方がいそうですよね。では、こだわりの愛車とのカーライフでいちばんの思い出をぜひ聞かせてください
どれもこれも僕にとっては思い出深いことばかりなので「これ」というのは難しいほどたくさんあります。そのなかでも一番の思い出はというと…。いま、付き合っている彼女と出会うきっかけになったことです。
たまたま知り合ったとき、彼女もクルマが好きで、現行のロードスターに乗っていることを話したら興味を持ってくれて。それから一緒にドライブに行くようになったんです。彼女との縁をつないでくれたこのロードスターには感謝ですね。
―― たしかにそれはロードスターに感謝ですね。さりげなく統一感を持たせている印象がありますが、愛車で「もっともこだわっているポイント」はどこですか?
すべてにおいて「やりすぎない」、程よくやるのがポイントだと考えています。あとはモディファイしすぎない、車高を落としすぎない。それと、当たり前ですが絶対に違法改造はしない。節度ある大人として模範的なクルマ造りを心かげています。
―― では、愛車で「もっとも気に入っているポイント」はどこですか?
ボディのデザインです。イタリア車のような艶やかなスタイリングに尽きます。この点は本当に素敵だと思いますね。今回は新車ということもあり、故障する心配をせずに乗り回せる「精神的な安心感」が得られたことも大きいですね。
―― 壊れないという安心感って大きいですよね。とはいえ、桃田さんが愛車を維持するうえで気をつけていること、意識していることを聞かせてください
とにかく「乗り回すこと」です。乗ってあげている時間が長い方が調子が良い気がします。あと、適度にエンジンを回して走ってあげることでしょうか。油脂類および消耗品はキチンと定期的に交換します。
―― まさに「基本のキ」を実践していらっしゃるのですね。そんな桃田さんが愛車に「伝えたいメッセージ」をぜひ聞かせてください
「お前は本当によくできたヤツだなあ(笑)。楽しくて気持ちよくて、見た目もカッコよくてズルいヤツだ(笑)」です。仕事から帰ってきて、ふと思い立って乗れる気軽さ、ロードスターでしか味わえない走り、そして文句なしのデザイン。いうことなし!なんですよね。
―― べた惚れじゃないですか!最後に、桃田さんにとって「愛車」はどのような存在ですか?
第二の身体みたいな存在だと思います、あるいは分身かなあと。そんなふうに思えますね。彼女と出会うきっかけを作ってくれた存在でもあるわけですから、これはもう手放したくないですね。
いま、彼女は運転免許を持っていないので、免許を取得したらロードスターを運転する楽しさを味わってもらいたいなと思っています。
3台のロードスターを乗り継いだ桃田さんにとって、果たしてND型は「最新のロードスターは最良のロードスター」と映ったのでしょうか。故障の心配がなく、しかも運転していて楽しい・・・。その結果が、手に入れてから2年ほどで5万キロも走破してしまった桃田さんの答えなのかもしれません。
しかも、見た目のモディファイは、車高調・マフラー・タイヤ&ホイール交換とピンポイントでありながら、「プラチナクオーツメタリック」のボディカラーとコーディネートされています。
さらに、ダークグレーの「ROADSTAR」も文字が刻まれた左右ドアのデカール、RAYS製のアルミホイールなど、さりげなくも、桃田さんのセンスが光る仕様にまとめられています。
NA型、初代ロードスターのキャッチコピーといえば「だれもが、しあわせになる」でした。あれから35年。時代が変わっても、モデルチェンジを繰り返しても、ロードスターという存在が「だれもが、しあわせになれる」という事実は不変のようです。
【Instagram】
桃田ハルさん
<取材・編集 株式会社キズナノート>
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