【LAND CRUISER’S MEETING 愛車紹介】外出時には天気予報を常にチェック!雨漏りもトラブルも子供たちとなら楽しいBJ43

ランドクルーザーといえば、今やSUVとしても4WDとしても世界のトップモデルとして認識されている名車。誕生から67年の間、何度もモデルチェンジをおこない、進化し続けてきたクルマでもある。その歴史の中で、24年間という長きにわたって世界に供給された40系は、世界中で「悪路でも壊れにくい」ことを証明してみせた。

1974年、ランドクルーザー初となる4気筒ディーゼルエンジンが投入された。B型直4OHV2977cc、トヨタ・ダイナに積まれ好評を博していたエンジンだ。F型ガソリンエンジンと比べると非力だが、低回転からトルクが盛り上がるディーゼルエンジンの特性とローギアード化されたファイナルの組み合わせで、走行性能はFJと比べても遜色のない仕上がりとなった。
また、ディーゼルエンジンを搭載したことで小型貨物(4ナンバー)登録ができるようになり、経済性も向上したため個人ユーザーの人気も上昇。これ以降ランドクルーザーのメインはディーゼルエンジンになっていく。

10月27日から28日にかけて大野路ファミリーキャンプ場(静岡県裾野市)で開催された『LAND CRUISER’S MEETING』のなかでも、独特の存在感を放っていたこの『ランドクルーザーBJ43』は8人乗りのミドルホイールベース車。後部座席は対面シートで片側3人座りである。
生産台数が少なく数える程しか残っていないであろうこのモデルに乗るとは、よほどのクルマ好きに違いない。オーナーの鈴木さんにクルマ好きになったキッカケを伺ってみた。

「父が自動車解体や整備の仕事をやっていたので、クルマは自分にとっても身近な存在だったんです。なんてったって、小学校1年生の時の誕生日プレゼントはギャランΣ(シグマ)だったんですよ!」
免許も取得していない小学生に実車がプレゼントされるとは、なんともうらやましい。運転席に座り、いつか自分が道路を走ることをイメージしながらハンドルを握ったという。

「それがキッカケで、クルマが大好きになりましたね! クルマという存在が、どこか父を連想させるというか」そんな鈴木さんだが、もともとは子育てなどもありファミリーカーに乗っていたという。なぜ、ランドクルーザーBJ43に乗ろうと思ったのか?
「四駆が大好きで、やっぱり乗りたいな~と思っていたら、ショップで偶然見つけたんですよ。かなり高額だったので『50万円なら買うけどな』って冗談で言ったら『いいよ!』ってな具合で」あまりにも値段交渉が上手く行き過ぎて、自分でもビックリしたという。
ちなみに鈴木さんのBJ43は1977年式で、前年のマイナーチェンジによって乗用車よりも早くドアミラーが採用されたモデルなんだそう。

棚から牡丹餅状態で手に入れたランドクルーザーだが、3年間程乗ると徐々に乗る機会が減っていき、その後10年間も放置してしまったという。
しかし「息子がね、自分が父親にクルマをプレゼントされたくらいの歳になったんです。それをキッカケに、クルマで色々な所に遊びに行きたいと思ったんですよ」というわけで、今年から再び一緒に走り始めたそうだ。
「まっすぐ走らないし、ブレーキの効きも悪いし、ボロボロになっていたホロをとってしまったので雨の日は走れないしで、大変です。でもそれが楽しいんですよ」
運転席に簡易的なホロを張ったものの豪雨の際には雨漏りするので、対策としてはまず「雨の日は走らない」。天気予報を小まめにチェックし、雨が降りそうなら目的地に着く前でも家に帰るようにしているらしい。

しかし、低回転からでもトルクのあるこのクルマでキャンピングトレーラーを引っ張ると『流石だな』とその牽引力に感心するという。
「ただ、ヒヤヒヤしますよ。ちょっと変な臭いや音がすると、自分のクルマからではないだろうか? どこか壊れた? と不安になります」と、鈴木さん。しかし子供たちはそんなハプニングも喜んでくれるというから、血は争えないものである。

自分で大事に手入れをしてきた、このクルマを息子に引き継ぎたいという鈴木さん。この日もBJ43の助手席に乗っていっしょにイベントを訪れていた息子さんに、この事を伝えると「乗るよ! だけど、緑色にする~」とのこと。
じつは現在のツートンカラーは鈴木さんが自分で塗り替えたもので、もとはグリーンだったという。ボディカラーやスタイルは変わってしまうかもしれないが、このランドクルーザーBJ43は鈴木家で何世代も走破することになりそうだ。

(テキスト:矢田部明子 / 写真:平野 陽)

[ガズー編集部]

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