【連載全12話】第11話 ホンダS2000・・・ルーフが開く日本生まれの2シーター

サンルーフやパノラマルーフもいいけれど、ルーフそのものが外せたら、さらに開放的なドライブが楽しめます。今回は、そんな屋根が開くモデルのなかから、2人乗りの日本車をピックアップし紹介します。

ホンダS2000

ホンダ初の乗用車である2座スポーツカー、Sシリーズ。その最終型となるS800Mの生産終了から四半世紀を経た1995年の東京モーターショーに、コンセプトカーのSSM(スポーツスタディーモデル)が出展された。これが好評を博したことから本格的に開発が進められ、1998年にホンダ創立50周年記念モデルとしてS2000の名で発表、翌1999年に市販が開始された。

スポーツカーとしての高度な運動性能を実現すべく、オープン2座ボディーはハイXボーンフレームと称する構造を採用、クローズドボディー並みの剛性を誇る。重量配分を最適化するためにフロントミドシップされた2リッター直4 DOHC 16バルブエンジンは、自然吸気の量産車用としては驚異的な、リッターあたり125PSに達する250PS/8300rpmという高出力を発生。6段MTを介して後輪を駆動した。FRの採用はホンダとしてはS800以来29年ぶりだった。

高性能を誇るもののスパルタンというわけではなく、ソフトトップは電動式で本革張りシートが標準装備。またエンジンの始動をレーシングカーのようにダッシュ上のボタンで行うのも、まだ珍しい機構で話題となった。

発売当初はモノグレードだったが、2000年にVGS(可変ギアレシオステアリング)を備えたタイプVを追加。その後もマイナーチェンジを経て、2005年に車名をS2000のままエンジンを2.2リッターへと拡大。最高出力は242PSに低下したが中低速トルクはアップした。スポーツカーとしてのパフォーマンスは高く評価されたものの、国内販売台数は2万台余とセールスは伸びず、発売から10年後の2009年に生産終了となった。

[GAZOO編集部]

【連載全12話】日本のオープン2シーター

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