「落ち込んでないで、自分の好きなクルマを買ってみたら?」夫を励ます一言から始まった、新婚夫婦の86選び【取材地:GRGarage札幌厚別通】

「マニュアル車のスポーツカーははじめてだし、さらにターボが付いていて強化クラッチも入っているから、まだ半クラに慣れずに妻から不安がられています(笑)」
そう話すのは夫の梅岡健太さん(28才)。ふだんは大型のトラックを運転するお仕事をされているそうだが、いまどきのトラックはAT車が多く、これまで日常で乗るクルマもずっとATだったため、手に入れた愛車の86のほうが運転するのがむずかしい、と率直な感想を語ってくれた。

そもそも、健太さんがスポーツカーに興味を持ち出したのは小学生のころ。当時公開されていたカーアクション映画『ワイルド・スピード2』を見て、主役のポール・ウォーカーが乗る日産・スカイラインGT-R(BNR34)に憧れを持ちはじめ、86を購入する際にも第一候補としてあがったのはR34型のGT-Rだったという。

「でも、R34は価格もかなり上がっていて現実的じゃないなと。それで、前オーナーがサーキットを走るために後付けターボチャージャーキットを組み込んで乗っていたという86を見つけたときに、これだと思ったんです。改造されていたけど走行距離は3万キロ、内装もキレイで、ワンオーナーで大事に乗られていたことが伝わってくるクルマだったのも決め手でした」
妻の澪さんとは結婚して2ヶ月弱という新婚のおふたり。それでも付き合い始めてからの期間は5年間と長く、どちらが何と言わずとも相手の考えていることが分かるほどの仲のご様子。そして、この86の購入にあたっては妻の澪さんがプッシュした部分も大きかったという。

「購入の半年前くらい前に、彼がバイクに乗っていて事故をしたんです。クルマの運転もできないほどのケガもして、トラックの仕事をお休みしなきゃいけなくなって。それがとてもショックだったみたいで、私はもちろん周りの友人から見てもわかるくらい落ち込んでいたんです。それで、彼を励ますために『どうせ今のマイカーは来年すぐに車検だから、好きなクルマを買わない?』と、ふたりで次の愛車を探し始めました」

じつは、自身もスーパーGTをよく観戦するクルマ好きなのだと話してくれた澪さん。86を選んだ理由もGT300クラスで活躍するBRZの姿を見ていたからで「最初はBRZも候補で探したんですけど、道内にはなかなか在庫がなくて」とのこと。それでも、ふたりで決めた1台が、最終的にはチューニングされたボルトオンターボ仕様の86に落ち着くというのだから、かなりのクルマ好きだということが伺える。
そして、落ち込んでいたという健太さんが86を手に入れてからどれくらい元気を取り戻したかは、撮影会での姿を見れば一目瞭然だ。

この86はもともとチューニングされていた車両とはいえ、手放す際にノーマルへ戻された部分や、前オーナーがやり残していると感じる部分もあるという健太さん。
新しい車高調を導入したり、フロントにのみ装着されているエンドレス製のブレーキキャリパーをリヤにもつけたり、ターボ車のブースト圧や水温、油温を管理する後付けメーター類を追加したり、さらには「フロントフェイスを移植して後期ルックを実現したい」と、やりたいメニューはてんこ盛りといった様子。

スポーツカー&レース好きという共通の趣味を持つ梅岡夫妻にとって、愛車をどうチューニング&カスタムしていくか?というのがもっぱらの話題のようだ。

取材協力:GRガレージ札幌厚別通

(文:長谷川実路/撮影:平野 陽)

[ガズー編集部]

GAZOO取材会@GR Garage札幌厚別通

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