プリウスαを立体駐車場に対応させよう大作戦!

クルマを購入するときに必ず準備しなければならないもの、それは車庫です。新しくクルマを登録するときには「車庫証明」が必要で、まずはそれを取得してから登録という流れになりますね。車庫証明は、当然クルマのサイズを満たしていなければいけませんが、ここで気を付けなければならないものが“高さ”です。

マンションの駐車場などに多い立体駐車場で一番普及しているタイプだと、1,550mm以下というものが多く、それ以上の高さの車両は入庫することができません。しかし、現在人気のミニバンや軽自動車などは、それ以上の全高を持つ車両が多いのです。

トヨタのハイブリッドカー・プリウスシリーズで唯一3列シートの設定がある「プリウスα」も1,575mm(樹脂パノラマルーフ非装着車)で立体駐車場に入れることはできません。そんなプリウスαを立体駐車場に入るようにしてしまおう、というプロジェクトがあると聞きつけ、取材に行ってきました。

車検証の数字を「155cm」にせよ!

オズコーポレーションの古川治代表

このプロジェクトを実施したのは、横浜市の電気自動車の開発とカー用品の企画・販売などを主に手がける「オズコーポレーション」。ただ車高を落とすだけではなく、車検証上の全高をしっかり「155cm」で登録した上に、エコカー減税も引き継げるようにしようというものです。

全高の数字だけを登録し直すだけなら「構造変更又は記載変更」という手続きを行えばいいだけで、それほど大変な作業ではありません。ただし、この手続きをしてしまうと、エコカーの枠から外れてしまい、エコカー減税(重量税の減免)が受けられなくなってしまいます。

そこで、しっかりと必要書類を準備して、エコカー減税を引き継ぐというのが大命題。これこそ経験がものを言うプロの技といったところでしょうか。

車高はローダウンスプリングで調整

プリウスαの全高は1,575mmで、立体駐車場に入れるためには25mm下げなければなりません。今回はコスト面も考慮して市販のローダウンスプリングで対応しています。

装着後の車両に実際に乗せていただきましたが、リアシートでも跳ねるような乗り心地になることはなく、至って快適。カスタマイズ前と言われても疑わないレベルだったため、驚きました。最近のローダウンスプリングはすごいんだなーと、感心しきりです。

いよいよ検査場へ

車高が目的の数値になったところで、いよいよ検査場で登録手続きに入ります。今回は関東運輸局神奈川運輸支局のご協力により、特別に撮影を許可していただきました。

スプリングを交換しているため、ガタや遊びがないかチェックしています
全高を測る様子。左の赤い柱のようなものが測定器。カメラで撮影して測るのだとか
見事に155cmに収まりました!(小数点以下は切り捨て)
発行された車検証の全高は「155cm」に!

こうして見事、全高155cmのプリウスαが完成しました! もちろん必要な書類をキッチリ準備したためにエコカー減税も継続しています。最後に実際に立体駐車場に入れて完了です。

大丈夫と分かっていても、最初はドキドキ!

簡単に見えるかもしれませんが、必要書類を集めて滞りなく登録を済ますのはなかなか個人でできることではありません。今回取材させていただいたオズコーポレーションではプリウスα以外のクルマでも相談に乗っていただけるとのことなので、気になる方は問い合わせてみてはいかがでしょうか?

ちなみに今回の方法は新車でも中古車でも可能ですが、構造変更又は記載変更を行うと、たとえ車検が残っていても再登録となってしまいます。車検までの残り期間が無効になってしまうので、車検満了のタイミングでやるか車検切れの中古車でやるのが最適だと思います。

また、構造変更又は記載変更や検査については、車両の状態によって変わる部分も多いとのことですので、お住まいの地域を管轄する自動車検査法人へお問い合わせください。

(小鮒康一/テヌール+ノオト)

[ガズー編集部]