【メーカー紹介】BILSTEIN(ビルシュタイン)

モータースポーツが好きな人や走りのカスタマイズを楽しんでいる人なら、一度は「BILSTEIN(ビルシュタイン)」の名前を聞いたことがあるでしょう。ビルシュタインが、サスペンション(足回り)のパーツを製造するメーカーであることはよく知られていますが、どんなメーカーであるかは知らない人も多いはず。そこで、ビルシュタインの製品や歴史を簡単に紐解いてみます。

何を作っている会社? 主力の製品は?

ビルシュタインの主力となる製品は、ダンパー(ショックアブソーバー)。これは、スプリング(ばね)とセットで取り付けられるパーツで、クルマの揺れや振動を抑える役割を持つ、クルマになくてはならないパーツ。乗り心地や操縦性を大きく左右する、重要な存在です。

​​​​同社では、チューニングパーツとして高性能なスポーツダンパーやスプリングも含めた車高調整キットを製造しているほか、純正装着パーツとして、ポルシェやメルセデス・ベンツなどの世界の自動車メーカーにサスペンションシステムを納入しています。

高性能ダンパーメーカーとしてレースでも大活躍

ビルシュタインの創業は1954年。フランスのド・カルボン博士が考案した「ガス封入式単筒ダンパー」の実用化に成功したのが、歴史の始まりです。1957年にはメルセデス・ベンツに純正採用され、高性能ダンパーメーカーとして知られていきました。

1960年代に入るとモータースポーツの世界にも進出。1967年にニュルブルクリンクで開催されたADAC1,000Kmでは、ビルシュタインのダンパーを装着したポルシェ・907/910が排気量無制限クラスのマシンを相手に総合優勝を収めます。以来、WRC(世界ラリー選手権)やル・マン24時間耐久レース、F1、NASCARなど、世界のあらゆるレースシーンでビルシュタインは大活躍。レース中継をよく見ると、どんなレースでも青と黄色のロゴを発見することができますよ!

スポーツモデルへの純正採用も多い

最初に純正採用したのはメルセデス・ベンツでしたが、その後はポルシェ、ジャガー、トヨタ、GM、BMW……と、世界の自動車メーカーがこぞってビルシュタインのダンパーを純正採用するようになります。特に多いのが、スポーツモデルやハイパフォーマンスモデルでの装着。今、日本のメーカーでは、スバル・WRX/レヴォーグ/BRZ、ダイハツ・コペンなどの、上級モデルや特別仕様車に装着されていますね。

​​​また、ビルシュタインでは、純正採用されていない車種に適合するダンパーや車高調整キットも発売しています。トヨタ・ハリアーやノア/ヴォクシーのような、SUVやミニバン用も用意されているので、より上質な走りと乗り心地を実現したい人は、ビルシュタイン製品の装着を検討してみてはいかが?

(木谷宗義/テヌール+ノオト)

[ガズー編集部]