誤解している人多数! 「自動ブレーキ」ってどんな装備?

日々進化する自動車の安全装備。今や当然のように装備されている運転席エアバッグですら、日本で初めて装着されたのは1987年のことですから、短期間で大幅に進化していることが分かりますね。
そんな安全装備、最近では「自動ブレーキ」がホットワード。もはや「自動ブレーキがついていないクルマは購入の対象にならない」という声も聞こえていますが、どんな装備を指すのでしょうか?

【衝撃の事実】 ドライバー2人に1人が「自動ブレーキ」を誤解

先日、JAFから発表された資料でも「自動ブレーキ」の名前を知っているユーザーは81.1%にも上りましたが、効果や機能まで理解しているユーザーは50.4%と半数ほどまでに落ち込んでいます。誤答で最も多かった答えが「前方のクルマや障害物等に対し、クルマが自動的にブレーキをかけて停止してくれる装置」(39.8%)というものでした。これを見て「えっ、違うの!?」と思った方も多いと思いますが、この答えだと半分正解、半分間違いといったところ。では、正解はというと……。

「衝突の危険がある時に、音や警告灯でその危険を促すとともに、クルマが自動的にブレーキをかけて衝突を回避または被害を軽減する装置」

が正解となります。つまり「絶対に事故を回避してくれるものではない」ということなのです。

例えば、トヨタが採用している「Toyota Safety Sense C」を例にとると、まず衝突の危険があるときにブザーとディスプレイ表示での警告が行われます。ここでドライバーが気づき、ブレーキ操作が行われた際は最大限の制動力が発揮できるようにブレーキ操作をアシストする「プリクラッシュブレーキアシスト」が作動します。万が一警告のあとブレーキ操作がなかった場合、ここで初めて自動ブレーキが作動し、衝突の回避または被害軽減が図られるというもの。

自動ブレーキが作動した場合、およそ30km/hの速度低減が見込まれるため、対象物との速度差が30km/h以内であれば衝突を回避できる可能性があるということ。逆に速度差が大きければ、自動ブレーキが作動しても衝突を回避することはできないということになります。

もちろん、ブレーキ性能は路面状況やタイヤ、ブレーキパッドの残量などにも左右されますし、自動ブレーキ自体も気象状況などによって作動しない可能性もあります。あくまで万が一の時の装備となりますので、過信せずに安全運転をすることが大切なのは言うまでもありませんね!

(小鮒康一+ノオト)

[ガズー編集部]