三菱自動車が電動車両のメリットをディーラーでアピール

三菱自動車が2016年10月8日(土)に次世代店舗「電動 DRIVE STATION(ドライブ・ステーション)」の1号店を東京都世田谷区にオープンさせました。次世代店舗とは、何がこれまでと違うのでしょうか? 実際の店舗にお伺いして話を聞いてきました。

東京都世田谷区の環状8号線の首都高速用賀や東名高速入口のすぐ近くにオープン

店舗のある場所は、首都高速用賀入口近くの環状8号線沿いで、向かいに砧公園があります。もともとあった関東三菱自動車販売株式会社の世田谷店をリニューアルしたものです。屋根に大きな「電動DRIVE STATION」の看板が乗っていて、その横には太陽光発電のパネルが見えます。普通の一軒家と同等の15枚のパネルが設置されているとか。

店舗の入口には、EVやPHV(プラグイン・ハイブリッド)に向けた急速充電器と200Vの普通充電器が設置されています。それだけでなく、その横には電動車両と家の間で電気をやりとりするためのV2H(Vehicle to Home)の機器まで。店舗に入るまでに、すでに十分に“電気”な雰囲気がたっぷり。

店舗の入口にあるEV用の急速充電器(有料)と普通充電器は、誰でも利用することができる

「私たち三菱自動車は、電動車両の普及を通して、社会に貢献したいと考えています。ところが、これまで電動車両の価値を伝えていませんでした」と三菱自動車のスマートショップ担当者の方は説明します。電動車両は、日本のエネルギー問題解決への助けとなり、万一の災害時に活躍できるという価値があります。つまり、「電動DRIVE STATION」は、EVやPHVといった電動車両が備えている社会的価値や魅力を伝えるのが狙いだというのです。

店舗の入口には、電動車両の電力を家に供給するV2Hの機器が見えるように設置されていた

実際に、そうしたアピールを行えば、「三菱自動車は社会に貢献するクルマを売っている」というイメージも生まれそうですね。また、店舗のある地域へ貢献するためにイベントやNPO活動の支援への予定も。まずは11月に「防災ピクニック」というNPO法人ママプラグという団体のイベントに協力するそうです。

2つの体感デモンストレーションを用意

実際の店舗では、クルマの販売やメンテナンスなどという普通のディーラーと同様の業務が行われています。普通と違うのは、店舗の入口に急速充電器と普通充電器が置いてあること。それと2つの体感メニューが用意されていることです。

体感メニューは「停電デモンストレーション」と「1500W体感デモンストレーション」。店舗内に家庭のダイニングルームを模したライフスタイルコーナーがあり、ここで希望者が体感メニューを体験します。体験は無料で、予約も必要ありません。

店舗内にあるライフスタイルコーナーで2つのデモンストレーションが行われる

まずは「停電デモンストレーション」を試してみました。店舗内に開いた部分に電動式のパーティションが降りてきて部屋っぽい雰囲気に。そこには、テレビや冷蔵庫、暖房用ヒーターなどが置いてあります。そこで、電源を落として、災害時の停電状況を作り出すのです。パッと暗くなりましたが、壁にあるモニタースイッチを操作すると、すぐに照明がともります。この部屋には、屋根の上に設置された太陽光発電システムとアウトランダーPHEVからの電気が、V2H機器を通じて供給されていたのです。

アウトランダーPHEVは、通常の家庭であればガソリン満タンで最大10日間、満充電状態では最大1日の電力を供給することができます。太陽光発電システムだけでは、夜間に電気が使えなくなりますが、アウトランダーPHEVがあれば夜間も大丈夫。さらに日中の太陽光発電でアウトランダーPHEVへ充電することも可能です。万一の災害での停電時も、アウトランダーPHEVを上手に使えば、普段と同じように電気が使えるようになるというわけ。その仕組みを、ダイニングルームと同じようなライフスタイルコーナーで、家電を使いながら体感できるというデモンストレーションでした。

体感デモンストレーションは女性スタッフの説明によって行われていた

もうひとつの体感メニューが「1500W体感デモンストレーション」です。これはアウトランダーPHEVやi-MiEVなどから供給される、最大1500Wという電力の大きさを実際に使って感じてみようというもの。店舗入口に置かれたアウトランダーPHEVから供給される電力を、ライフスタイルコーナーにある家電で使いながら、どれくらいの電力を消費しているのかを特別なメーターで見ていきます。

家庭で使う電気用品がどれだけの電力を消費しているのかをリアルタイムで見ることができる

おもしろいのは、それぞれの家電がどれくらいの電力を消費するのかがリアルタイムでわかることでした。冷蔵庫がわずか10~15Wで、テレビも8W程度。最新の家電は省電力なんですね。それに引き替え、電子レンジや湯沸かし器、暖房用ヒーターは、ケタ違いの1000W以上! 電気で熱モノを使うのは大きな電力が必要なことがよくわかります。

EVやPHEVといった電動車両の電力を家で使うV2Hや、電動車両の電力供給は、知識では知っていても、試してみる機会は意外とないもの。リアルに使ってみることで分かる気づきや実感は、やはり大切なものだなと思うばかりです。

デモンストレーションには店舗前にある車両から電力が供給されていたのだ

週末は朝から夕方まで、体験者がびっしり!

取材はオープンから約1か月がすぎた11月の上旬。体感デモンストレーションの参加具合を聞くと、「週末は、朝から夕方まで、ずっと参加者が続く感じですね」とか。1か月で150組以上が参加しているそうです。2つのメニューを体感すると約30分。混んできた場合は、相席での実施もあるので、「待っても30分ほどです」。三菱車のメンテナンスや見積もり、試乗に来た人だけでなく、体感デモンストレーションだけで来店した方も多いとも。つまり、誰でも参加OKということですね。

明るい商談コーナーには電動車両用の200Vの普通充電コンセントが見本として設置されていた

そして、「電動DRIVE STATION」は、2020年をめどに全国200カ所への展開が計画されています。この1号店でのトライ&エラーを経て、2017年以降に全国のあちらこちらに「電動DRIVE STATION」がオープンするのです。そうなれば、体感デモンストレーションも、より身近になります。気軽に電動車両の魅力を体感できるのは、誰にとっても嬉しいものでしょう。

100万円程度の中古車として販売されていた電気自動車のi-MiEV

(鈴木ケンイチ+ノオト)

[ガズー編集部]