1台2億円以上!イタリアの芸術品「パガーニ」が集結

世の中には、1台数千万から数億円という超高級車がスーパーカーも、少なくありません。しかも、この価格帯のクルマを買うオーナーの多くは、自分好みの「1点もの」をオーダーするとか。イタリアの「パガーニ」も、そんな成功者の夢を叶えるスーパーカーメーカーのひとつ。すべてがオーダーメイドで1台1台異なる仕様で作られ、お値段なんと2億円以上! そんな超高級スーパーカーのワンオフモデルが、東京に集まると聞いて行ってきました。

場所は永田町

場所は、東京都千代田区にある「ビンゴスポーツ」。ビンゴスポーツは、世界有数の貴重なクルマを取り揃えるスーパーカーのセレクトショップとも言えるお店で、パガーニの日本総代理店です。今回、イベント開催のためワンオフパガーニが集まることになったのだとか。ショールームを覗いた瞬間からそのオーラに圧倒されつつ中に入ると。そこには4台のパガーニが並べられていました。

ただならぬ雰囲気を醸し出す4台のスーパーカーが優雅に展示されてる

それぞれの紹介をする前に、まずはパガーニについて簡単にご説明しましょう。パガーニは、ランボルギーニのデザイナーだったオラチオ・パガーニ氏が、1992年に創業したスーパーカーメーカー。1999年に初めての市販車「ゾンダ」を発表しました。その後、2011年に後継モデルとなる「ウアイラ」にバトンタッチ…するはずだったのですが、もともと1台1台がオーダーメイドであったことから、顧客の要望を満たすさまざまなワンオフモデルが作られています。

今回、ビンゴスポーツに集まった4台のうち、3台がゾンダのスペシャルモデル、1台がウアイラです。では、その1台1台を写真とともに紹介します!

ZOZOTOWNの前澤氏がオーダーした「ゾンダ ZOZO」

パープルのカラーが美しい「ゾンダ ZOZO」は、日本最大級のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する前澤友作氏がオーダーしたモデル。リアタイヤのカーボンスパッツを始めとしたエアロパーツと、オリジナルデザインのテールランプが特徴です。

カーボン製のリアスパッツはZOZOだけの特別仕様。アングルで見ると近未来のスーパーカーにも見える
特徴的な2段カーボン製ウイング、こちらもZOZOだけの仕様だ
専用にデザインされたエンブレム。ここだけでも疾走感があって「ゾゾッ」と身震いする
カーボン、チタンなどで製作されているインテリア。センターコンソールにも車名が彫られている

インテリアやエンジンにも車名が刻印されています。ゾンダシリーズの中でも最速を誇る760シリーズの1台。最高出力はその名の通り760馬力以上!

3ペダルMTを搭載する「ゾンダ 764 passione(パッシオーネ)」

この764パッシオーネも、日本の顧客のために製作された760シリーズの1台。760シリーズは、全世界で13台が存在していると言われていますが、もともとはこの764パッシオーネと、チリの顧客向けの「760RS」、F1ドライバーのルイス・ハミルトンがオーダーした「760LH」の3台だけの予定だったそうです。車名の「passione」は、イタリア語で「情熱」を意味する言葉。ル・マンのLMPクラスを彷彿とさせるシャークフィンとカーボンボディの上から塗られたダークシルバーとトリコロールのストライプがオシャレですね。

よくみるとカーボンの規則正しい模様が浮かび上がっている
764という車名の由来は最高出力764馬力だからだと言われているが、真相はオーナーとパガーニのみが知る
エンブレムにも「764」の文字が入る
リアのシャークフィンの下にワンオフモデルであることを示す「1 of 1」の文字が

このクルマの特徴は、現代のスーパーカーでは珍しい3ペダルMTを採用するハードコアな仕様であること。エンジンはZOZOと同じ7.3L V12エンジンで760馬力以上を発生し、最高速は350km/h以上というレーシングカー並の性能を持っています。

唯一の「和名」を持つパガーニ「ゾンダ 希竜(きりゅう)」

「希竜」という勇ましいネーミングから、中国でオーダーメイドされたクルマかと思いましたが、ビンゴスポーツがオーダーしたモデルとのこと。メカニズムは760シリーズのものを導入し、屋根のないロードスターとなっていることが特徴です。ミッションは、ゾンダZOZOなどと同じ、7速の2ペダルMT。ブルーのボディは、見る角度によってカーボンの模様が浮かび上がります。この希竜は今のところ未登録。つまり新車なのですが、販売するかどうかは「検討中」だそう。

ブルーのボディはフルカーボン製。角度によってその模様が浮かび上がる
オープンモデルのロードスターとなっていることが希竜の特徴
名前に漢字が使われているのは今のところこの1台のみ

パガーニ・ウアイラBC

ウアイラBCは、2016年3月1日に開催された「ジュネーブモーターショー」で発表されたスペシャルモデル。生産台数は20台で、価格は2億2800万円。この20台は完売していて、最後の1台が納車されるのは3年後とのこと。この個体はパガーニの広報車だそうです。

このモデルの特徴は、徹底した軽量化によりただでさえ軽い1350kgのウアイラから100kg以上を落とした1218kgという車重を実現したこと。また、より高速域での安定性を向上させるため、ボディの前後に可変フラップを備え、さらにリヤウイングが追加されています。

ほかの3台のように模様は見えないが、ボディはフルカーボン製だ
オーストラリアで行われたWTAC(世界タイムアタック選手権)では土屋圭市氏もドライブした
スピードメーターは415km/hまで刻まれており、反時計回りになる

ウアイラBCの心臓部は、通常のウアイラと同じAMG製の6.0L V12ツインターボ+7速2ペダルMTで730馬力、最高速は370km/h。途方もないパワーとパフォーマンスですね。

いかがだったでしょうか? 正直に言うと今回、取材している間ずっと手が震えていました(笑)。今回のようにパガーニが一堂に会することはめったにないものの、ビンゴスポーツにはいつも貴重なクルマが展示されており、「いつでもお気軽に見に来てください」とのこと。スーパーカーに興味がある方は、ぜひ足を運んでみてくださいね!

(クリハラジュン+ノオト)

[ガズー編集部]

取材協力