写真で見る「TOKYO DRIFT」 D1グランプリinお台場

10月22日(土)、23日(日)の2日間にわたって、東京・お台場でドリフトイベント「2016 AUTO SALON LIVE TOKYO“TOKYO DRIFT”」が開催されました。イベントの目玉は、22日に行われた「2016 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES Rd.7」と、23日に実施された「2016 D1GP TOKYO DRIFT in ODAIBA Champions」という2つの競技。両日とも白熱のバトルが繰り広げられ、数々の名場面が生まれました。

シリーズチャンピオンが決定!D1グランプリ最終戦

初日に行われた「2016 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES Rd.7」は、D1グランプリ2016年シーズンの最後を飾るラウンド。午前中は、単独でドリフト走行を行いドリフト技術の正確さを競う「単走」が、午後に2台のマシンがすれすれで走行するドリフト競技の真骨頂「追走」が行われ、それぞれのシリーズチャンピオンが決定しました。

「単走決勝」では、RX-7のロータリーエンジンを搭載したユーノス・ロードスターを操る岩井照宣選手が、98.77点という高得点を記録し優勝。シリーズチャンピオンには、今回7位となりながらも今シーズン2度の優勝を含む4回の表彰台を獲得した、斎藤太吾選手が輝きました。

単走決勝で優勝したのは、RX-7のロータリーエンジンを搭載する初代ロードスターで素晴らしい走りを見せてくれた岩井照宣選手。ロードスターの軽いボディとロータリーのパワーがマッチした結果だ
タイヤから上がる白煙は、得点だけでは測れないファンを魅了する要素のひとつ。写真の高山健司選手が操るレクサス・GSは、800馬力もの大パワーでコース全体を真っ白にしていた
壁ギリギリを攻める田所義文選手。このAE86トレノに搭載されているエンジンは、なんと13Bロータリーエンジン。別メーカーのエンジンを搭載したマシンが見られるのもD1ならでは
元は4WDだったGT-Rを後輪駆動に改造、トランスミッションを3ペダルのMTにしたD1GP専用マシン「GReddy 35RX SPEC-D」。川畑真人選手によるドリフトは迫力満点!

午後に行われた「追走」は、2台がピタリとくっついたまま派手なドリフトを見せてくれる、G1グランプリのメインイベント。先行車はどれだけベストな走りができるか、追走車はどれだけ先行車に追走したドリフトを決められるかが、採点のポイントとなります。2台が接近して走る様は、手に汗握るスリリングなもの。決定戦は日も落ちた夜に行われ、ここまで6戦中5勝を飾っていた斎藤選手がここでも美しいドリフトを見せて優勝。単走・追走、両タイトルを獲得しました。

今村陽一選手が乗るイエローの86は、TRDが「NASCAR」用に開発したスペシャルエンジンを搭載。後方にぴったりと付けているのは、ドリフト人気車種の日産・180SXで藤野秀之選手
川畑真人選手(左)、斎藤太吾選手(右)による追走決勝戦。1度目の追走では双方同点で決着が着かずにサドンデス(再戦)に突入。再戦でGT-Rの川畑選手が接触によりコースアウトしてし、斎藤選手の優勝とシリーズチャンピオンが決定した
シーズンを締めくくるシャンパンファイト。黒いスーツを着るのが斎藤選手、その向かって右が川畑選手

エキシビション戦でも齋藤太吾選手が勝利!歴代チャンピオン対決も

日曜日の「2016 D1GP TOKYO DRIFT in ODAIBA Champions」は、人気投票で出場するドライバーや過去のチャンピオンドライバーが出場するエキシビション戦。この日は単走と、ドリフト走行にコースを走るタイムを競う要素が加わった「D1クロス」という2種類の競技、さらにピストン西沢さんが「見たい」という組み合わせで行われた「D1追走ドリームマッチ」が実際されました。

単走では、土曜日に2冠を飾った齋藤選手が素晴らしい走りを見せまたもや勝利! このままD1クロスでも優勝なるかと思われましたが、D1クロスを制したのは、RB26エンジンを搭載したS15シルビアを操る末永直登選手でした。

前日にタイトルを決めた斎藤選手の勢いは止まらず見事に99.49点という高得点で単走1位を獲得!
前日以上の角度と速度ですっ飛んできた岩井選手も99.14点という高得点を叩き出したが、惜しくも2位
「D1クロス」は、規定のコースを走るタイムとドリフトで競われる。いくら速くてもドリフトが決まらなければタイムが加算されてしまう

「D1追走ドリームマッチ」では、チャンピオンに輝いた斎藤選手対D1SLチャンピオン植尾勝浩選手の下克上対戦、川畑真人選手対谷口信輝選手の歴代チャンピオン対決、そして「昨日の激戦をもう一度」と、斎藤選手対川畑選手による対決が行われました。斎藤選手と川畑選手の対戦では、接触により斎藤選手のマシンが宙を舞うシーンも。決戦はサドンデス(再戦)に突入し、川畑選手が勝利を納めました。

2016 D1GPチャンピオン斎藤選手対 2016 D1SLチャンピオン植尾勝浩選手のドリームマッチ。齋藤選手は得意のハイスピードドリフトで上尾選手を引き離した
谷口信輝選手、川畑真人選手による歴代チャンピオン対決。さすがチャンピオン対決だけあってレベルの高いドリフトを見せてくれた。勝者は川畑選手
エキシビションだからこそより派手になるのがD1だ。齋藤選手、川畑選手ともに120%のパフォーマンスを披露してくれた。その結果、川畑選手のマシンはリアを壁にヒット。そこに齋藤選手が接触し、ご覧のような大ジャンプに!
2日間にわたるイベント最後、閉会式の模様がこちら。激闘を繰り広げてくれたドライバーには笑顔が見える。来シーズンはどんな戦いを見せてくれるのだろうか

筆者が初めてD1グランプリを観戦したのは、お台場で初開催された2004年のこと。今のD1グランプリは、その頃と比べると走りだけではなく、誰でも楽しめるイベントとしての完成度が上がったように感じます。でも、選手とファンの交流の場がたくさんあることや、たった数十秒の走行の中で感じられる会場の熱気と一体感は今も変わらないD1グランプリの醍醐味。ほかのモータースポーツでは味わえない世界がここにあります。2017年シーズンも見応えあるドリフトが見られることを期待しましょう!

(クリハラジュン+ノオト)

[ガズー編集部]

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