あのクルマがベース!? 驚きを隠せないカスタムカー【東京オートサロン2017】

東京オートサロン2017では、新車・旧車、国産車・輸入車を問わず数多くのカスタムカーが展示されていましたが、その中にはベースとなった車種が何なのかわからないほど、大胆なカスタマイズが施されたクルマもありました。今回は、そんな“奇天烈”とも言える不思議なクルマたちを紹介いたします。

前はフェラーリ? 後ろはポルシェ? 真紅のオープンスポーツカー

このクルマの写真を収めているとき、「前がフェラーリで後ろがポルシェなの?」という会話が耳に入ってきました。たしかに、前を見るとフェラーリ・360モデナに似ているような気がしますし、後ろに回るとポルシェのボクスターやカレラGTに見えなくもありません。

この真紅のオープンスポーツカーの名前は「MR Spider ZZ」。そのベースとなっていたのは、トヨタのコンパクトオープンカー・MR-Sでした。

製作したのは、エアロパーツを中心にアフターパーツを展開する「Abflug(アブフラッグ)」です。後ろ姿がポルシェに見えたのは、実際に987ボクスターのテールライトが使われていたからでした。エンジンや駆動系はノーマルで、足回りはBLITZ製のスポーツサスペンション。このMR Spider ZZ、およそ350万円で販売中だそうです。

前はアメリカン、後ろはユーロ。渋いライトウェイトスポーツカー

一見、ディーラーで普通に売っていそうなぐらいまとまっている印象を受けます。前を見ると控えめながらアメリカンな迫力があって、後ろに回ると落ち着いた少しクラシカルな雰囲気を醸し出しています。

このクルマは、オリジナルのボディキットなどを制作するダックスガーデンのデモカーで、その名は「DUCKS-GARDEN RHT NIGHTINGALE(ナイチンゲール)」。

ベース車両は、先代型となるマツダ・ロードスター(NC型)で、コンセプトは「マツダファミリア・ロータリークーペ」なのだとか。このボディキットは販売しており、塗装代や取付工賃を含めて140万円。東京オートサロン2017コンセプトカー部門の優秀賞を受賞しました。

アウディのドリフトマシンを発見!

メイン会場から一歩離れた国際会議場2階の「TUNING CAR MEETING」エリアに展示されていた1台のアウディ・A4。昨今のチューニング・カスタムカーで輸入車が出てくるのは珍しくありませんが、クルマの横に置いてあるスペック表を覗くと「エンジン:1JZ-GTE」と記載されていて「おや?」となりました。ぐるりと改めてクルマを見てみると…?!

トヨタ・マークⅡ(100系)でした。このクルマは「ガゼルパンチ」という名前で、ワンオフのエアロパーツ(リップ、サイドステップ、リアバンパー、フェンダー、ボンネット)にアウディの純正のフロントフェイスをドッキングした奇天烈なドリフトマシンです。しかも、そのほとんどが自作だというから驚きました。ドリフトイベントにも参加しているそうなので、華麗にドリフトする姿も見てみたいですね。

ちょっと腰高?なミニ・フェラーリ

北ホールに展示してあったこのフェラーリ風のクルマは、筑波研究学園専門学校 自動車整備工学科の生徒10人によって作られた「シビック 810 TypeR」。

ベース車両は、FF(前輪駆動)のホンダ・シビックフェリオですが、シビック 810 TypeRはなんとミッドシップ。2台のシビックフェリオを切断してくっつけたという大胆な方法で誕生したクルマです。こういった自由な発想から奇天烈カスタムカーが誕生するのは、専門学校ならではかもしれませんね。残念ながら公道走行はできないとのことです。

まるでタミヤのミニ四駆!ベースは昭和の人気ピックアップ

先に紹介したミッドシップ・シビックの隣に展示してあったこのファンキーなピックアップ「WiZCONCEPT XI MONSTERSUNNY」は、その名の通り、旧車の世界でも人気が高い“サニトラ”こと日産・サニートラックをベースに、福島県にある国際情報工科大学校の生徒が制作したクルマです。

オリジナルのフレームに5.7LのアメリカンV8が搭載される本格的なもの。どことなくキュートなこのクルマが視界に入った瞬間、タミヤの「コミカルミニ四駆」を思い出してしまいました。

いかがだったでしょうか? どれも個性的で記憶に残るクルマばかり。こういった奇天烈なクルマも年々クオリティが高まっており、自動車メーカーにもインスピレーションを与えるのではと感じます。学生のエネルギッシュなクルマは毎年見てもびっくりさせられますが、学生制作車両に関してはまた別の記事で!

(クリハラジュン+ノオト)

[ガズ―編集部]