世界初!走行中にワイヤレス充電する技術も 「テクノフロンティア2017」

4月19日(木)~21日(金)の3日間、幕張メッセにて「テクノフロンティア2017」が開催された。モータ技術やエンジニアリング、メカトロニクス、機械部品を研究・開発している企業が数多く出展。その中からクルマ関連の展示をいくつか紹介する。

埼玉自動車大学校 「自動車カットモデル展示コーナー」

一級および二級自動車整備士を養成する埼玉自動車大学校。学生が毎年、文化祭の展示作品として車体のハーフカットモデルやエンジンのカットモデルをつくっている。
教員は、「口頭で説明しても理解できないことが多いため、このようなハーフカットモデルを利用して構造を理解する。EV,PHVなどクルマが常に進化しているため、昔と比べて学ぶ内容も変わってきた。コンピューター制御されたクルマをコンピューターで診断する、といった授業も取り入れている」と話していた。

ホンダ「レジェンド」 ハーフカットモデル
トヨタ・FT86、スバル・BRZ 水平対向エンジン カットモデル

世界初、走行中に給電が可能 「第2世代ワイヤレスインホイールモータ搭載車」

東京大学大学院の研究グループは東洋電機製造、日本精工と共同で、道路に敷設したコイルから電気自動車のインホイールモータに直接、走行中給電できる「第2世代ワイヤレスインホイールモータ」を開発した。
会場には実車およびコイルを展示。担当者は、「路面コイルから車体への給電効率は、現時点で90%程度まで達している。主に高速道路での使用を想定しているが、市街地で信号待ちの時間に給電する、といったケースも考えられる。路面からの給電によりバッテリーの容量を小さくすることができ、軽量化も可能。コスト面でも大きなメリットがある」と説明していた。

第2世代ワイヤレスインホイールモータ搭載車。路面のコイルからワイヤレス給電が可能。

ホンダ「クラリティ FUEL CELL/スマート水素ステーション」

ホンダ「クラリティFUEL CELL」は、水素と発電システムを搭載した燃料電池自動車。水素をガソリンのように燃やすのではなく、静かに化学反応させて発電。その電気によりモーターを動かし、パワフルかつ静かに走行することができる。

ホンダ「クラリティ FUEL CELL」

再生可能エネルギーの余った電力を水素という形で貯蔵し、使いたいときに電気に戻して利用できる「スマート水素ステーション」。現在、全国13か所に導入されている。

スマート水素ステーション。ここから燃料電池自動車に充填することができる

レシップ株式会社 「バス運行管理システム」

テクノフロンティアと併設で「バス車両と運行システム展」も開催していた。バスの運賃箱やLED式行先表示器を製造、販売しているレシップ株式会社の展示ブース。

(左)即時計数機能付き薄型運賃箱  (右)LED式行先表示器

現状、バスの運転手は停留所ごとにコマ送りで操作ボタンを押している。その操作を無くすため「自動歩進システム」を開発中だ。GPSやルート情報、タイヤの回転数による距離、ドア開閉信号などを総合的に判断して、運転手の「送り操作」を自動で行う。現在は実証実験中で、実現すれば業務放送と運賃表を自動更新し、運転の安全性向上および運賃誤収受を防止することができる。

自動歩進システムの説明図

スマホで道路の凹凸を計測 「Bump Recorder」

Bump Recorderは、スマートフォンを利用した舗装路面性状計測アプリ。ダッシュボードに固定して運転するだけで、路面の凹凸状態を観測・表示・共有するサービスだ。計測中に得た加速度データから、使用した車両の特性(サスペンションの硬さ)を自動的に推定。タイヤの中心位置での上下動を算出することで、車種や走行速度が違っても安定した結果を得ることができる。

路面の段差をスマートフォンに表示

青いところが平坦、赤いところが凸凹と地図上で表示が可能。すでに国内外220万kmのデータがあり、自治体や道路会社に路面情報を提供している。

熊本地震の被災地で、段差など路面性状を可視化したマップ。赤が震災後に変化のあった箇所。

併設展示会も含め、合計3万人以上が来場した「テクノフロンティア2017」。車両カットモデルやワイヤレスインホイールモータを熱心に見ていた技術者たちの姿が強く印象に残った。

(村中貴士+ノオト)

[ガズー編集部]