最新のアイサイト「ツーリングアシスト」を体験してきた

スバルが運転支援システム「EyeSight(以下)アイサイト」のメディア向け技術説明会を実施。新機能「アイサイト・ツーリングアシスト」を含めた最新のアイサイトを体験してきましたので、その様子をお伝えします!

そもそもアイサイトって?

スバルは、1989年からステレオカメラ技術を使って前方を検知するシステムの開発をスタート。1999年にADA(アクティブ・ドライビング・アシスト)の開発と実用化を行うと、熟成と進化を進めて2008年に「アイサイト」を発表。「ぶつからないクルマ?」のキャッチコピーとともにブレイクし、運転支援システムの普及を一気に加速させました。

そこからさらに進化させ、現在は「アイサイト Ver.3」と呼ばれる機能がレヴォーグやWRX S4、インプレッサなどに装備されています。そして今回の体験会のメインとなったのが、この夏にレヴォーグとWRXに搭載される予定の最新技術「アイサイト・ツーリングアシスト」です。

アイサイト・ツーリングアシストはどこが進化した?

アイサイトは、現在のVer.3でもプリクラッシュブレーキ(ぶつからない技術)、全車速追従機能付クルーズコントロール(ついていく技術)、AT誤発進&誤後進抑制制御(飛び出さない技術)、車線逸脱抑制機能(はみ出さない技術)などが装備されています。

それが今回のツーリングアシストに進化して、運転支援システムがさらに拡充。全車速追従ができる車速域が、「0km/h~約100km/h」から「0km/h~約120km/h」に広がり、60km/h以上でないと作動しなかった車線中央維持機能も、0km/hからアシストをしてくれるようになりました。

これにより、高速道路を快適に走行している場面から、渋滞などでのノロノロ運転の最中、渋滞が解消し再び高速巡航するまで、全域でスムーズな支援を実現しています。

さまざまな対象物を検知してきめ細かく制御

アイサイトは、フロントガラス上部に装備されたステレオカメラ(2つのカメラで立体視するカメラ)で制御をしています。

アイサイトVer.3からはカメラがカラー化され、信号や前走車のテールランプなども認識できるようになりましたが、今回のツーリングアシストではそれらの機能をより進化させ、高速走行時には前走車と区画線の情報を組み合わせて制御するようになりました。

渋滞時などで区画線が見えにくいときは、前走車の動きを感知して制御を行うそう。さらに、区画線が消えていたり見にくかったりしても、片方の区画線があれば、それを検知して中央車線維持をするようになっています。

テストコースで「ツーリングアシスト」を体験!

実際に、アイサイト・ツーリングアシストをテストコースで試してみました。テストコース内での走行でも、前走車に追従していく部分は以前の機能と変わりません。区画線がはっきりしている部分では、区画線と前走車を検知してしっかり追従を行い、インターチェンジやサービスエリアなどで車線から外れていく前走車には追従しないなど、前走車の動きを細かく見ています。

低速域の区画線が見えない状況でも、前走車の動きを把握してしっかり追従を行っていました。ブレーキを強めにかけて減速しなくてはならない状況でも、穏やかにしかし確実に減速して前走車との距離を保ってくれます。

この夏、発売されるレヴォーグとWRXが楽しみだ

前述のとおり、アイサイト・ツーリングアイサイトは、この夏に発売予定の新型レヴォーグとWRX S4に搭載されます。また、同時に「後退時自動ブレーキシステム」や「アイサイトセイフティプラス」なども採用される予定です。もちろんこれらの機能は、今後発売を予定している車種に順次、装着していくとのこと。

アイサイトは、自動運転も視野に入っていると思われますが、スバルは「事故0」を目指しての開発が優先だと言います。これから夏休みに向けては、長距離や慣れない道での運転が増えるシーズンです。新機能「ツーリングアシスト」を含めたアイサイトは、そんなシーンで安心と安全を提供してくれるシステムでしょう。進化したアイサイトが搭載される新型レヴォーグとWRX S4の登場が今から楽しみです。

※撮影はテストコースで行われています。レヴォーグおよびWRX S4はプロトタイプです。

(雪岡直樹+ノオト)

[ガズー編集部]