ハイラックスREVOも参戦!日本メーカーのマシンが火花を散らす「AXCR2017」

タイ王国を基点に、周辺アジア諸国の山岳地帯やジャングルを舞台に競い合う「アジアクロスカントリーラリー(以下 AXCR)」が、今年も8月13日(日)より開催されます。毎年コースが変わるのもAXCRの大きな特徴で、ここ数年はゴールがカンボジアやラオスに設定されることも多かったのですが、22回目の開催となる今年はタイ国内のみが舞台に。

今回はそんなラリーに出場する「ハイラックスREVO(レボ)」と「フォーチュナー」という、トヨタの世界戦略車にして日本未発売の2台をご紹介します。

トヨタ・ハイラックスREVO

TEAM JAOSよりエントリーするハイラックスREVOは、ドアやボディが透けて見えるようなトリックラッピングを採用する
TEAM JAOSよりエントリーするハイラックスREVOは、ドアやボディが透けて見えるようなトリックラッピングを採用する

新興国市場をターゲットにしたトヨタの世界戦略車プロジェクト「IMV(Innovative International Multipurpose Vehicle)プロジェクト」の一角を担うピックアップトラックが、2015年にデビューした「ハイラックスREVO(レボ)」です。

2016年には、現地タイのTRDチームと日本のパーツメーカーJAOSから、AXCRにエントリーされました。日本でもかつて販売されていたハイラックスの最新モデルです。

タイの路面に近いようなコースを選び、今年の大会に向けて国内でテストを重ねるTEAM JAOSのハイラックスREVO
タイの路面に近いようなコースを選び、今年の大会に向けて国内でテストを重ねるTEAM JAOSのハイラックスREVO
2016年、AXCRでカンボジアの大地を疾走するTRDチームのハイラックスREVO
2016年、AXCRでカンボジアの大地を疾走するTRDチームのハイラックスREVO

タイのTRDチーム「TOYOTA CROSS COUNTRY TEAM THAILAND」と「TEAM JAOS」は、今年も引き続き参戦を決め、ボディタイプは両チームともにダブルキャブを選択。

エンジンは直列4気筒DOHC2.8Lディーゼルターボで、ドライバーはTRDのマシンがAXCRで過去2度の優勝経験を持つ日本の新堀忠光選手、JAOSのマシンは同じく日本の能戸知徳選手で、両車ともにこのラリーのトップカテゴリーとなるディーゼル改造車(T1D)クラスに出場します。

コ・ドライバー(ナビゲーター)は、TRDがタイのベテランChupong Chaiwan選手、JAOSはショックアブソーバーメーカーの「KYB」で開発を担当する田中一弘選手が務め、7日間続く山岳地帯やジャングルの難コースに挑みます。なお田中選手は海外ラリー初挑戦です。

トヨタ・フォーチュナー

参戦車両の名称は「TOYOTA FORTUNER RALLY by TRD INDONESIA」
参戦車両の名称は「TOYOTA FORTUNER RALLY by TRD INDONESIA」

AXCRでは初登場となるフォーチュナーもハイラックスREVOと同様、トヨタIMVプロジェクトを担う1台です。ハイラックスREVOと同じプラットフォーム、同じエンジンですがこちらはSUV。その成り立ちを考えれば、かつて日本でも販売されていたハイラックスサーフの末裔ともいえるかもしれません。

AXCR 2017年でフォーチュナーに乗るドライバーは、元GPライダーでこのラリーには11回目の参戦となる青木拓磨選手。コ・ドライバーは、地元タイのIttpon Simarks選手と日本の椎根克彦選手の2名。3名乗車でこのラリーを戦います。

なお青木選手は車いすドライバーなのでAT車を選択し、イタリアのグイドシンプレックス社のハンドドライブ装置を装着してハイラックスREVOと同じT1Dクラスに参戦します。

青木拓磨選手は車いすドライバーなのでハンドドライブ装置を装着して参戦する
青木拓磨選手は車いすドライバーなのでハンドドライブ装置を装着して参戦する
チーム名は「FORTUNER GEOLANDER takuma-gp」だ
チーム名は「FORTUNER GEOLANDER takuma-gp」だ

TEAM JAOS、FORTUNER GEOLANDER takuma-gpは最新オフロードタイヤを投入

TEAM JAOS、FORTUNER GEOLANDER takuma-gpは最新オフロードタイヤを投入

今大会で「TEAM JAOS」、「FORTUNER GEOLANDER takuma-gp」の2チームは、横浜ゴムが8月から発売を開始するオフロード向けタイヤの最新モデル「ジオランダー M/T G003」を投入するとのこと。13年ぶりとなる最新モデルが、タイの赤土や泥だらけでヌタヌタの路面、岩場など日本で考えられないような過酷なシーンでどんなパフォーマンスを発揮してくれるのか楽しみです。

日本車天国タイでの日本車同士の争い

2017年はトヨタの最新モデル揃い踏みの年となりますが、実はこのラリーは基点となるタイ王国の風景同様、もともと日本車の参戦が多いラリーでした。

ハイラックスREVOの登場前も、その前身モデル「ハイラックスVIGO(ヴィーゴ)」が活躍していましたし、三菱・トライトンやいすゞ・D-MAXも上位クラスの常連マシンです。中でもここ数年はいすゞ・D-MAXが圧倒的に強く、どのチームがその牙城を崩せるのかも興味深いものです。

ピックアップトラック最強マシン いすゞ・D-MAX
ピックアップトラック最強マシン いすゞ・D-MAX
タイで人気のピックアップトラック 三菱・トライトン
タイで人気のピックアップトラック 三菱・トライトン
トヨタ・ハイラックスVIGO(ヴィーゴ)
トヨタ・ハイラックスVIGO(ヴィーゴ)
ラリーのコースだけでなくタイ王国は街中でも日本車だらけです
ラリーのコースだけでなくタイ王国は街中でも日本車だらけです

日本でも馴染み深いトヨタや三菱、いすゞでありながら、我々が知らない(トライトンは一時輸入していた)クルマが知らない街で愛され、モータースポーツに参戦し、全力で大地を駆け抜けていると思うと、日本人として誇らしく思えてきます。すべての参加車両の健闘を願わずにはいられません。8月13日(日)から開催されるAXCR2017は、そんな視点からも注目してみるとより楽しめるでしょう。

▼アジアクロスカントリー2017公式サイト
http://www.r1japan.net/axcr/index_ja.html

(高橋学+ノオト)

[ガズー編集部]