新車はなんと100%!世界一の日本車比率を誇る国、パキスタン

夏休みを利用して海外旅行に出かけた人も多いことでしょう。そのとき、現地を走る日本車の多さに驚いた人はいませんか? 海外でもよく見かけますよね、日本車って。

日本人の海外旅行先としてメジャーなハワイやアメリカ西海岸でも日本車はたくさん走っていますが、もっと多いのが東南アジア。たとえばタイは、日本のいくつかの自動車メーカーが現地工場を構えていて、道を走る日本車率(海外生産も含めた日本メーカー車の比率)は95%以上と東京よりも高いほどです。

では、日本車率が世界で一番高い国はどこだと思いますか?

もちろん日本……ではありません。その場所とは、パキスタン。ニュースで聞いたことがあるような……というくらいの認識の国かもしれませんが、なんと驚きの日本車パラダイスなんです。ちょっと意外ですよね。

ところでパキスタンってどんな国?

パキスタンについてまずおさらいをしておくと、位置はインドの北西で、インドのほかアフガニスタンや中国とも接します。

国土面積は日本の約2倍で、1億9000万人の人が住んでいる地域です。ちなみに人口1万人あたりの自動車保有台数は約160台と、アジア平均の1/4程度、隣国インドに比べても半分強といった状況。年間の新車乗用車販売台数は18万台程度(2016年は17万6156台)で、またまだクルマが本格普及するのはこれからという地域です。

パキスタンでは新車販売のほぼ100%が日本車

では、パキスタンの日本車率はどのくらいなのか? 乗用車の新車でいえば「ほぼ100%」です。書き間違いではなく“ほぼ100%”。そんな国はちょっと他に見当たりません。日本だって海外ブランド車がたくさん走っているのに!

どうしてそこまで日本車比率が高いのか? 新車は関税(最大90%!)が高いだけでなく、販売拠点もないので、パキスタンを走るクルマはほぼすべてが国内で作られる「国産車」。パキスタン国内に工場を持つのはトヨタ、スズキ、ホンダ、そして日産の日系4社の合弁会社ありません。

だから、新車販売に関しては(販売拠点を持つ日系メーカー以外の)輸入車は皆無で、現地生産を行う日系メーカーが市場をほぼ独占しているのです。2016年のデータを調べたところ、日本車以外に正しい手続きで輸入された車両は、韓国のヒュンダイ車が5台だけでした。

中古車も日本車が人気のわけ

中古車になると話は変わり「日本以外のブランド」も入ってきますが、やはり人気が高いのは日本車。乗用車だけでなく、トラックやバスの中古車も日本から輸入されています。日本車は「パワーがあって運転しやすい」、「壊れにくい」、「壊れても修理しやすい」など評価が高いのだとか。

クルマが古くなっても大切に使い、険しい山岳地帯も走るパキスタンの人たちは、日本車に絶大な信頼を寄せているようです。ちなみにパキスタンの道路は日本と同様に左側通行。すなわちは右ハンドルなので、日本から中古車をもっていくにも好都合なんですね。

なんとハイブリッド車も売っている!

果たしてそんなパキスタンではどんな新車が販売されているのか? 気になりますよね。 たとえばトヨタでは、乗用車がカローラ(アクシオとは異なるひとまわり大きな海外向け仕様)、プリウス、カムリ、そしてアバンツァ(東南アジアなどで販売される3列車)。SUVではランドクルーザーやフォーチュナー(日本未発売車)をラインナップ。ハイエースやピックアップトラックのハイラックスもありますね。

乗用車はセダン、それ以外は未舗装路も多い土地柄からピックアップトラックやハイエースが人気のようです。ハイブリッドカーのプリウスをラインナップしているのはちょっと意外?!

今後は日本以外のメーカーも参入予定

そんな日本車天国のパキスタンですが、政府は2017年に中国や韓国の自動車メーカー(との合弁企業)に対して工場建設を許可。日本ブランド以外の「国産車」が登場する可能性が高まりました。

果たして韓国や中国のメーカーは本格参入したとき、日本ブランド車は高いシェアを維持することができるのでしょうか。これからが本当の勝負かもしれません。いずれにしても、日本のクルマが海外で高い評価を受けているのはうれしい話。というわけで日本人にほとんど知られていない「日本車大人気の国」の話でした。

(文:工藤貴宏 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]