草創期のF1からグループCまで、往年のレーシングカーが全力疾走【鈴鹿サウンド・オブ・エンジン2017】
11月18日(土)~19日(日)の2日間、鈴鹿サーキットにて2輪・4輪のレーシングカーの祭典「RICHARD MILLE SUZUKA Sound of ENGINE 2017」(以下:鈴鹿サウンド・オブ・エンジン)が開催されました。
このイベントは、日本初の国際レーシングコースとして開場した鈴鹿サーキットが、後世に自動車とバイク、そしてモータースポーツへの楽しさを伝え、興味・憧れを持ってもらうことを目指しています。スイスの高級腕時計ブランド「RICHARD MILLE(リシャール・ミル)」がメインスポンサーを務め、2015年から開催されています。
その醍醐味は、本や映像、ゲームなどでしか見られないモータースポーツの歴史を語る上でなくてはならない名車が走行する姿を間近で観られること。今回も「葉巻型」のF1マシンや1980年に世界中のサーキットを席巻したモンスターマシン「グループC」、そしてそれらに負けず劣らずの魅力を放つ最新のハイパーカーが、鈴鹿サーキットを走行しました。
五感で感じ取るモータースポーツの歴史書
ただの走行イベントではなく、往年のレーシングカーが“当時の雰囲気そのまま”で目の前を走行するのが、うれしいところ。その貴重な走行シーンを写真とともにご覧ください。
■フォーミュラーカー
1960~1970年代のF1マシンは、ウイングの類がなく、その形から「葉巻型」と言われていました。ドライビングスタイルも今とは異なり、変速機は普通のMT車と同じようにHパターンのシフトを、クラッチペダルで操作。見方を変えると、今よりもドライバーの走り方や個性が強く表れていたといえるでしょう。
- マキ F101C-Ford。1970~80年代のF1はフォード「コスワースDFV」エンジンが主流だった
「葉巻型」のフォーミュラーカーのほか、純国産F1マシンである「コジマKE007」や「マキF101C」、伝説的なレーシングドライバー、ジェームス・ハントが1977年の日本GPを制したマクラーレンといった歴史的なマシンが、続々と登場。時を越えて、1980~1990年代の日本最高峰のフォーミュラー、F3000のマシンとランデブー走行している様子も観れました。
■グループCカー
「グループC」は、F1と同様、メーカーが技術の粋を結集して作り出したモンスターレーシングカー。そのスピードは、より高速レイアウトだった当時の富士スピードウェイのホームストレートで400km/hを記録するほど! 日本メーカーとして初めて「ル・マン24時間レース」の総合優勝を飾った「マツダ787B」を始め、「日産R92CP」、「トヨタTS010」、「タイサン・ポルシェ962C」などが走行しました。マツダ787Bがホームストレートを駆け抜けるときは、サーキットが甲高い4ローターサウンドに包まれました。
- 10周で行われたデモレースでは、トヨタTS010と日産R90CKが当時のレースのような激しいバトルを見せる一幕も
■2台で6億円!? 最新ハイパーカーが夢の共演
2日目には、イタリアのスーパーカーブランド「パガーニ」のサーキット専用モデル「ゾンダRレヴォリューション」や、イギリス・マクラーレンの最速モデル「P1LM」が走行する貴重なデモランも行われました。どちらも世界に数台しか存在しない特別なハイパーカーで、その性能は現代のレーシングカーと遜色ないもの。やはり来場者の注目度は高く、走行する前のピットパドックは大変な賑わいとなっていました。
■懐かしのレーシングスポーツカー
フォードGTや、スカイライン“ハコスカ”GT-Rといった往年のレーシングスポーツカーも登場し、今のレーシングカーにはない快音を響きわたらせながらサーキットを周回していました。
珍車・名車・スーパーカーなんでもありパレードラン!
来場者参加型コンテンツとして「RICHARD MILLEパレード」、イベントラストにオールジャンルの「フィナーレパレード」が行われました。「RICHARD MILLEパレード」では主にスーパーカー、フィナーレパレードでは懐かしの国内外のスポーツカーが走行します。
- 「RICHARD MILLEパレード」は腕時計オーナーを対象にしたパレードラン
- フィナーレパレードでは、幅広いジャンルの年代のクルマが走った
鈴鹿サウンド・オブ・エンジンは、まるでイギリスで開催される「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」の日本版といった風情の、非常に豪華なイベントでした。1台1台の走行時間は決して長くはありませんでしたが、来場者にはその勇姿がしっかりと記憶として残されたことでしょう。
(文・写真:クリハラジュン 編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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