クルマと暮らすその先を提案。「カートラジャパン」で都会の車中泊体験
9月28日~30日にかけて幕張メッセで行われた「カートラジャパン(CAR AND TRAVEL JAPAN」というイベントに参加してきました。クルマの旅と言えばキャンピングカーが中心になりがちですが、モビリティの可能性としてのクルマ旅にフォーカスを当て、さまざまな角度から発信するイベントです。
キャンピングカーだけじゃないクルマとの暮らしを提案
クルマの活かし方は人それぞれ。例えば車中泊と一言で言っても、キャンプやアウトドアというのはもちろん、ロングドライブで宿が取れないといった理由やペットと一緒に泊まれる宿がないなど、様々な理由もあるでしょう。また、実際頻発している自然災害で被災した人の仮住まいや、情報収集に欠かせない通信手段の電源確保といったケースでクルマを車中泊しながら活用する、という可能性にも注目が集まっています。
もちろんキャンピングカーの紹介もありますが、車種の紹介というよりもどちらかというと「こういうクルマがあると可能性が広まりますよ」という示唆が強かったように思います。あわせて今まであまり紹介されることのなかったモデルや車種も展示されており、キャンピングカーをメインにした展示会イベントとは別の特色を出しているように感じました。
クルマそのものだけでなく、クルマでこそ出かけてほしいエリアの自治体や、スポット、車中泊性能をグッと向上させる用品なども紹介。また実際に車中泊体験ができる機会なども用意されていたのは、今までの自動車関連イベントではかなり個性的です。自動車イベントというよりも、もっと広い「クルマ活用」に関するイベントだと感じました。
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- 話題のN-VANをベースにした釣り好きのためのFC-VAN
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- 現在カタログモデルにもラインナップされるメルセデスベンツVクラスマルコポーロながら、こちらは並行輸入されるブラバス仕様
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- 出かける先についての提案、紹介があるのもこのイベントの特徴だ。
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- 全国をご家族で旅しながらフォトブックにまとめた安井さんの旅フォトブックも紹介された。旅は教育という安井さん。いい笑顔、そしてそこに行かねばできないコンテンツだ。
実際に車中泊を体験
今回会場となった幕張メッセの屋外会場では、自分のクルマで宿泊体験できるイベントやキャンピングカーの宿泊体験ができるコンテンツも用意。プレス向けに「宿泊体験」ができる機会が用意されていたため、筆者も体験宿泊してみました。
キャンプや車中泊というと、とかく野山の中というイメージがつきものですが、主催者曰く「都会のど真ん中で車中泊を体験するからこそ意味があるのです!」と話すだけあって、幕張のビル群に囲まれて、しかも初めてのキャンピングカーの宿泊体験はとても思い出深いものになりました。
私が宿泊したのはキャンピングカービルダーのナッツRV製、ミラージュというトヨタ・カムロードベースのキャンピングカーです。普段日野デュトロを所有している身からすると、運転席こそおなじみの光景が広がっていましたが、リアの居住スペースでは居心地の良さを実感することができました。
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- 筆者が宿泊したキャンピングカー
バッテリーも積んでいますが、オートキャンプ場などでは整っているところも多い外部給電設備があれば、家と同じように電気も使えます。筆者は翌日の取材に向けて、カメラ、Wi-Fi、そしてスマートフォンの充電をしながら、クルマで原稿を書いていました。大きなテーブルは資料を広げても問題ないスペースです。
なによりも「実際にキャンピングカーに泊まるんだ」というワクワク感は、大きかったですね。キャンピングカーイベントなどで、たくさんのクルマを見比べるだけでは感じることのできないリアリティを感じました!
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- 仕事場兼寝床としてもスペースは十分。すっかり気に入ってしまった。
ベッドもとにかく気持ちがいい。そのまま夜が明けるまでぐっすりと眠ってしまいました。こういうクルマならば、仮眠どころではなく爆睡のレベルで睡眠できると実感しました。
朝ごはんはホットサンドをほおばります。まだ幕張の街に人が通勤してくる前の時間です。その街の朝を独り占めする。そんな気持ちが妙にすがすがしく、こういう機会でもないとできないことを体験できたと感じました。
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- 気持ちがいい朝も、いいもの。京葉線の音が小気味よいビートを刻む。
車中泊のマナー向上も不可欠
車中泊が流行っている中で、いろいろと問題も起きています。ゴミや騒音などマナーの問題も、その1つでしょう。カートラジャパンを主宰するJCTA(日本カートラベル推進協会)の田嶋会長は「マナーの向上は不可欠」と開会のあいさつの中で触れていました。みんながもっとクルマを使いこなし、クルマでの旅を楽しむ人が増えることで、マナーの向上や、自然と譲り合い、助け合える土壌ができればいいなと思いました。
(取材・文:中込健太郎 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]