テスラが多い理由とは? 現地で感じたマカオと香港のクルマ事情

F3ワールドカップとWTCR(世界ツーリングカー選手権)の併催で行われた「マカオGP 2018」のニュースを目にした人も多いのではないでしょうか。

マカオは、香港と同じく中国の特別行政区のひとつです。それぞれポルトガル・英国に統治されていた歴史を持つことから、アジアの中でも独特の文化を持っています。もちろん、それはクルマや交通事情も同じ。マカオGP取材時に見た、マカオと香港のクルマ事情をご紹介しましょう。

日本車・高級ミニバンがたくさん!(マカオ・香港共通)

マカオ・香港ともに、交通ルールは「左側通行・右ハンドル」です。そのため、当たり前のように日本車が走っています。よく見かけたのが、「トヨタ・アルファード」を始めとした高級ミニバン。富裕層が所有しているほか、高級ハイヤーとしても活躍しています。

走っているアルファードのグレードは、V6エンジンを搭載するベースグレードが大半でしたが、スポーツグレードの「G's」、最上級グレードの「エグゼクティブラウンジ」が走っている姿も見かけました。乗り心地もそうですが、富の象徴として迫力のあるフロントマスクが人気の理由かもしれませんね。

香港でテスラをよく見かける理由とは?

香港の市街地を歩いていると、日本でメルセデス・ベンツやBMWを見かけるような感覚で、アメリカのEV(電気自動車)メーカー「テスラ」のクルマをよく見かけました。なぜ、テスラが多いのか? その理由は、香港の税制が関係しています。

香港では、クルマを購入するには車両本体価格に「初期登録税」という、日本の「自動車所得税」にあたる税金を支払う必要があります。日本の自動車取得税は、普通自動車で取得価額の3%ですが、香港の初期登録税は、車両価格によってなんと40~115%!

しかし香港政府は、2017年3月まで、EVは初期登録税を課税しないという特例措置を行いました。そのときに、約3000台が登録されたため、テスラが数多く走っているのです。ちなみに特例措置終了後は、ぱったりと売れなくなり、2017年4月から2018年2月までの登録台数は、たったの40台だったそう。ただし、ガソリンが1リッターあたり240円と非常に高額なため、EVへの関心は高いようです。

マカオはスポーツカー遭遇率が高く、独自の文化を発見

香港より狭いマカオでは、自家用車は香港以上に少なく、大量のタクシーと観光バスが街中を走っています。それゆえ、趣味性に振ったクルマ、すなわちスポーツカーを多く見かけました。そしてそれらには、共通した特徴がありました。カスタマイズです。

「社外ホイール+エアロパーツ(特にリアスポイラー)+車高ダウン」のカスタマイズが施されたクルマがたくさん。「マカオGP」という、国を上げたモータースポーツが行なわれているからなのでしょうか。

マカオの移動は「タクシー」と「バス」を上手に使う

「マカオGP」が行われるサーキットと宿泊施設の行き来のほか、撮影ポイントの移動にもタクシーを利用しました。マカオのタクシー(広東語:的士)は、トヨタ・カムリやマツダ6(日本名:アテンザ)がほとんどで、運賃は初乗りが約270円前後、トランクに荷物を入れると距離に関係なく約180円が追加請求されます。

ドライバーは、日本と比べると接客も運転もラフ(運転がラフなのはマカオの一般ドライバーにも言えること)です。道が渋滞している時間帯だと、目の前で「回送」マークを出されて乗車拒否されるなど、タクシー乗り場以外でのピックアップは困難を極めます。

では、どうやってタクシーを拾うのか? そういった状況でタクシーに乗るためには、「ここに行きたいんだ」とはっきり意思表示することが大事。具体的に言うと、交差点などでタクシーを見つけたら周囲の安全確認をした上で「自ら駆け寄る」こと。ちょっと勇気を出して英語でアピールしてみましょう。ホテルに戻るのであれば、事前にホテル住所のショップカードをもらっておいて、それをドライバーに見せるとスムーズです。ちなみに大きな高級カジノ・ホテルはタクシー乗り場も兼ねており、並べば確実にタクシーに乗れます。お釣りはチップとしてドライバーにわたすのがマナー。

マカオの市街地を走っているバスは、通常の民間バスとホテルが運行している「シャトルバス」の2種類があります。ここで紹介するのはシャトルバスで、このバスは無料で運行されています。シャトルバスは、そのホテルを利用していなくても乗れるのが特徴で、大体「カジノ・ホテル~ショッピングモール~フェリー乗り場」を循環しています。「リスボア(Lisboa)カジノ・ホテル」に行きたいなら、シャトルバスの行き先に「Lisboa」の文字があれば間違いなくそのホテルに行けます。

マカオも香港も、走っているクルマがあまりにも日本車だらけで最初は「本当に外国に来たのだろうか?」と思うほどでした。しかし、知れば知るほど独特のクルマ事情があるもの。スポーツカーは、ひと昔前に日本で流行ったようなカスタムスタイルが最新モデルで行われており、そのギャップがおもしろく感じたものです。ちなみに、マカオ・香港ともに国際免許証を発行すれば現地で運転できます。日本と同じ左側通行ですし、旅行で訪れる際は運転にチャレンジしてみてもいいかもしれません。

(取材・文・写真:クリハラジュン 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

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