ZとSの走り収め、「CLUB S30」&「ホンダスポーツファンクラブ」合同ツーリング

12月2日(日)、茨城県は袋田温泉に2種のスポーツカーの団体が集まりました。1960年代に登場したホンダのスポーツカー「S500/S600/S800」のオーナーズクラブ「ホンダスポーツファンクラブ」と、日産・フェアレディZの初代モデルであるS30型(以下:S30Z)のオーナーズクラブ「CLUB S30」、2クラブ合同の「走り収めツーリング」です。

オープンとクローズド、1.0L以下と2.0Lオーバーと、ボディタイプも排気量もそれぞれ大きく異なりますが、ともにレースシーンでも活躍したクルマとしての人気を考えると、とてもおもしろい組み合わせではないでしょうか。

なぜ、この2車種で?

はじまりは、「ホンダスポーツファンクラブ」の会長である間宮氏が、S800クーペと同時にS30Zも所有していたことに始まります。どこのクラブも、この時期に“走り収め”のイベントをやることは少なくありません。ですが、2つのイベントに出るとなると2日間も時間を使うことになる上、日程の組み方によってはダブルブッキングにもなりかねません。「それならば合同開催にしてみてはどうだろう?」と考えたところ、「CLUB S30」の遠田事務局長がこれに呼応し、実現したそうです。

もっとも、かねてから「そうした交流があっても悪くないのでは?」とも考えていたそうで、途中のパーキングや目的地の袋田温泉に着いても、お互いのクルマの車内やエンジンルームをのぞき込む姿に、方向性としての手ごたえも感じていたようでした。

北米を中心に世界にファンを持つ日産・フェアレディZ(S30型)

昭和の時代、ようやく庶民にもクルマが所有できるようになってきたばかりのころ、傑出したスポーツカーがいくつもありました。トヨタ・2000GTのような特別なクルマとしてでなく、量販され多くの人々に愛されたスポーツカーたちです。

その中のひとつが、1969年に登場したフェアレディZです。ダットサン・フェアレディ(SR311型)から引き継いだ名を持つクルマは、流麗なファストバッククーペへと変身。S30の型式番号から「S30Z」と呼ばれ、今も人気の1台です。「S30CLUB」はこのクルマをこよなく愛する人たちによって結成されました。

S30Zは、1969年から10年近くも生産された息の長いモデルであり、50万台以上が生産され、今なお北米を中心に世界中にファンを持つクルマでもあります。バリエーションが、2.0L SOHCから始まり2.4L、2.6L、2.8L(2.6と2.8は北米仕様)にまで拡大されたほか、「2+2」の4シーターやDOHCモデルの「432」、Gノーズと呼ばれるバンパー一体のエアロパーツとオーバーフェンダーを纏った「240ZG」まで、多くのモデルが生産されました。

もうひとつのホンダ・スポーツ(S500、S600、S800)は?

昭和時代のスポーツカーの中でも、比較的早く登場し、より身近であったのが、今回のもうひとつの主役、ホンダ「S」シリーズです。

このシリーズは、1960年代に生産されたホンダの2シーターオープンスポーツ。1962年に全日本自動車ショーでお披露目されたS360こそ市販されませんでしたが、同時に発表された500ccエンジンのS500が翌1963年に発売。モデルライフの途中には排気量を拡大し、車名も「S600」「S800」へ。

当初は、トランクや燃料タンクの都合でトレーリングアームを兼ねたケースの中をドライブチェーンが駆動するという、ユニークな機構を持っていました。S600よりクローズドボディのクーペも加わり、現在も多くの愛好者がいます。「ホンダスポーツファンクラブ」は、これらSのシリーズのオーナーズクラブです。

フルーツラインからビーフラインを廻り袋田温泉への旅

「袋田温泉 関所の湯」は、茨城県は水戸から50㎞ほど東北よりの場所、久慈川沿いの国道118号を少し入ったところにある温泉です。泉質は、ナトリウム—硫酸塩—塩化物冷鉱泉で、湯葉や刺身こんにゃくを名物とし、団体客の対応も可能な日帰り温泉です。

ツーリングは守谷SAを出発し、土浦北ICより一般道へ。フルーツライン、ビーフラインという秋の紅葉に染まった起伏に富むルートを走り、袋田温泉に向かうという行程。途中、休憩をはさみながら、隊列を替えて冬も間近な秋の茨城を走り抜けます。混成状態で走る姿は、お互いのクルマを知ってもらい、また自身のクルマの良さを再認識するかのようでした。

少し前の「クラシックカー・フェスティバルin 神宮外苑」で、「カーイベントを一社だけで対応しても限界がある、同業他社とも連携を図って一緒に盛り上げていくべきだ」と話していたのは、トヨタ博物館の布垣館長です。

カークラブ単位でも、こうした思いはあるようで、これまでも大きなイベントではクラブ同士で合同参加する様子が見られました。しかし、合同ツーリングとなるとあまりなかったように思います。クルマは走る姿があってこそ、本当のよさが見えてくるもの。クラブ単位の交流はビッグイベントに限らず合同ツーリングといった形でもこれからも続いていってほしいものです。なによりも、参加されていたオーナーさんたちみなさんが、走ることを本当に楽しまれていたようですから。

(取材・文・写真:きもだこよし 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

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