MaaSのある生活をデンソーで体験【CES2019レポート】
新年早々の2019年1月6日から11日にかけて、アメリカのラスヴェガスにおいて「CES2019」が開催されました。世界150か国以上から4500社以上が参加する、アメリカ最大のエレクトロニクス技術の見本市です。
もともと「家電ショー」と呼ばれていましたが、昨今の技術の進化から、5Gといった通信からAIまでを含む、総合的なエレクトロニクス技術のイベントに成長しており、電動化&コネクテッド&自動化を目指す自動車業界からの参加も増えています。
2019年のトレンドはMaaS!
そんな「CES2019」の自動車部門で目立ったのがMaaS関連の展示です。MaaSとは、「モビリティ・アズ・ア・サービス(Mobility-as-a-Service)」の略で、「移動そのものをサービスとする」という考え方です。クルマを売るビジネスではなく、移動そのものをビジネスにしようという新しい考えで、ライドシェアをはじめ、電車からタクシーへのシームレスな利用と一括決済など、さまざまなアイデアが提案されています。
そんなMaaSの典型のひとつが、昨年の「CES2018」にトヨタが出品した「e-Palette Concept」です。「e-Palette Concept」は、MaaS専用車両であり、自動運転できる箱型のEVでした。無人タクシーとしても使えますし、無人での配送、無人店舗など、さまざまな用途に使えるのが特徴でした。
- e-Palette Concept
今年は、そのトヨタの「e-Palette Concept」に影響されたような箱型のMaaS専用車両のコンセプトが数多く出品されていたのです。ざっと名前を挙げるだけでも、メルセデス・ベンツ、KIA、ヤマハ、ボッシュ、コンチネンタル、ZF、シェフラー、デンソー、アイシン、パナソニック。それらのブースには、それぞれの最新技術を搭載したMaaS用車両が展示されていたのです。
MaaSが提供してくれるサービスとは?
では、箱型EVのMaaSが提供してくれるサービスとは、どのようなものなのでしょうか? そのひとつとして、デンソーのブースではデモが行われていました。その様子を、ここで紹介したいと思います。
まず、車両に乗り込むときは、顔認証を行います。これであれば、カギが必要ありませんし、スマートフォンさえなくても大丈夫。「カギがない!」と紛失することもなければ、カギを盗難される恐れもありません。
車両に乗り込んだら、スマート・スピーカー(AIスピーカー)を使って命令します。「はい、アレクサ! 映画館に行きたいんだけど、何がある?」と、デモは行われました。なんと、今回のデンソーでは、アマゾンのサービスを利用していたのです。ちなみに、アマゾンのブースもあり、そちらでは、複数メーカーの車両を使って、ほとんど同じようなデモが実施されていました。
「映画館に行きたい」というリクエストに対して、車両はテーブルのモニターに視聴可能な映画作品を複数展示します。そのうちのひとつを選択したら、車両は自動で映画館に向かってスタートします。移動中は買い物です。モニターに表示される商品を選んで決済。配達先を、現在、乗車している車両に指定します。
映画館に到着したら、乗員は映画館へ。車両は自動で駐車スペースへ移動。そこで給油と洗車を済ませます。なんと、デンソーではEVではなく、エンジン付きのMaaS車両という設定でデモを行っていました。確かに、走るという意味では、EVであろうとエンジン付き車両でも、どちらでも構わないということです。また、先ほど購入した商品は、配達業者が車両に運び込んでくれます。そのときカギはなくても、自動でトランクが開閉するようになっています。
映画を見終わったら、車寄せまで自動で車両が走ってきて、そこで乗車。届けられた商品を確認しながら帰宅となります。他のブースでは車両が帰宅するまでの間に、自宅のエアコンを遠隔操作して作動させて、快適な室温にしておくというアイデアもありました。
ちなみにデンソーの技術的な出品は、「モビリティ IoT コア」と呼ぶ、車載エッジコンピューターなどでした。車両とクラウドのサービスを連携させる技術で、MaaSをより安全に実現させてくれるものでした。
デンソーによるデモは、あくまでもMaaSの数あるサービスの中のひとつの例です。しかし、ユーザーが簡単で便利に利用できるサービスを目指しているのは一目瞭然です。今よりも、もっと快適で安全な移動サービスを目指すのがMaaSというわけです。
(取材・文:鈴木ケンイチ 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]
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